金プラチナ短期相場観

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インフレ鈍化の10月、インフレ期待は再上昇

更新日:2022年11月15日(火)

NY連銀消費者調査・ミシガン大・インフレ期待 2022年10月米労働省発表の消費者物価指数、CPIが10月に鈍化傾向を示したのに対し、インフレ期待は10月に再上昇。

NY連銀消費者調査では、1年先のインフレ期待値は9月の5.44%から10月は5.94%へと上昇。4ヵ月ぶりの反発で7月(6.22)以来、3ヵ月ぶりの高水準。過去最高となった6月の6.78%でピークアウトした可能性は高いものの、翌月以降の鈍化傾向にストップがかかった状態に。
3年先のインフレ期待も9月の2.91%から10月は3.11%。こちらは昨年10月の4.21が過去最高でピーク。今年8月には2.76%で1年10ヵ月ぶり低水準も、その後は続伸。
ミシガン大のインフレ期待も1年先は、1年ぶり低水準となった9月の4.7%から10月は5.0%へと上昇。先週発表された11月速報値では5.1%へと続伸。
ミシガン大の5年先インフレ期待も9月の2.7%(1年5ヵ月ぶり低水準)から10月は2.9%へと上昇、11月速報ではさらに3.0%へ。
インフレ警戒感は一本調子で収束方向へ、とはいかない状況を示しているようです。

NY連銀調査では、ガソリン価格が9月の0.46%から10月は4.78%へと急上昇。6月までの5%超の高水準へと逆戻りとなったことが大きく影響した模様。
ただ、食品も6.85%から7.1%へと続伸で4ヵ月ぶり高水準。医療費も9.17%から9.21%へ、教育費も9.03%から8.63%と高止まり。家賃も9.67%から9.78%へと続伸。

また、1年後の米失業率が現在よりも高くなると予想する人の割合は9月の39.09%から10月は42.95%へと跳ね上がり、コロナショック以来、2年半ぶりの高水準。
1年後の株価が現在よりも高くなると予想する人の割合は9月の35.29%から10月は33.94%へと急低下。過去最低となった6月(33.77%)に次いで過去2番めの低水準。
インフレ鈍化が進まず景気が悪化する、スタグフレーションを警戒する人が増えつつあるようです。

NY金・日足チャート 2022/10/11 - 11/1414日のNY金相場は+7.5ドル、0.42%高で3日続伸。8月16日(1789.7)以来、3ヵ月ぶりの高値。1770ドルを割り込んでスタートした週明け時間外は小幅揉み合い推移からわずかに軟調、1660ドル台からNY朝に1750ドル台半ばまで下げて切り返し。ユーロドルが下げ渋って反発した流れに同調する形でNY午後には1770ドル台を回復。下ヒゲ陽線となって先週末高値を超えながらも1780ドル手前では上値も重くなってきた様子も。引き続き3月高値(2078.8)から11月安値(1618.3)の38.2%戻し(1794.2)近辺までが当面の上限候補、下げ止まった90日移動平均線(1715.7)辺りまでが当面の下値サポート候補。

NYプラチナ・日足チャート 2022/10/11 - 11/14NYプラチナは-5.1ドル、0.49%の続落。週明け時間外スタート時点で1050ドル手前まで小幅に上昇したのが高値となって失速、戻り売り再開でアジア時間に1040ドル割れ、ロンドン市場では1030ドルを割れて安値では一時1010ドル台半ばまで下落。ただし1020ドル割れでは下げ渋る展開となってNY午後には1030ドル近辺へ。週末の上ヒゲ陰線で上げ止まった直後の陰線も下ヒゲを残し、大台を維持した状態での一服にも。一服状態となれば9月安値(796.8)から11月高値(1074.1)までの23.6%戻し(1008.7)近辺が当面の下値サポート候補に、1060ドルの上限超えでも短期的には1080ドル程度までが上値目安に。

ドル円・日足チャート 2022/10/11 - 11/14ドル円は114銭のドル高円安、0.82%高で3日ぶりの反発。先週末NY終盤に138円40銭台の安値をつけた後138円70銭台まで反発し、週明け東京朝には139円90銭台までの急騰スタート。ウォラーFRB理事のタカ派発言も材料視された流れも続かず、午前中のうちに失速すると一時138円80銭近辺まで反落。それでも139円割れで下げ渋ると東京午後には139円台半ばへと再反発。3連休明けとなった米10年債利回りの反発が限定的となるなか、欧州時間には徐々にドル高円安基調が強まると高値では140円80銭近辺まで上昇。しかしNY午後にかけて失速すると139円60銭台まで下落。ブレイナードFRBの副議長の「利上げペース減速が近く適切に」発言も重石に。今朝の東京市場では140円台を回復しての反発再トライも140円台半ばでは上値の重さも。目先は米指標結果などをきっかけに反発方向へは90日移動平均線(141.35)近辺、10月高値(151.94)から11月安値(138.46)までの23.6%戻し(141.64)辺りまでが戻りの目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/14終値とチャート

15日の国内金価格は+82円、0.95%高で3営業日ぶりの反発。9月安値(8280)から11月高値(8744)の23.6%戻し(8634)達成で折り返し、強気のパーフェクトオーダー最上段の9日移動平均線(8644)にもサポートされて前日の下げを取り戻し、11月高値再トライの様相にも。今年後半高値圏での保ち合いを上方向へと抜け出すことになれば、8800円の大台付近までが短期上値目標に。8630円割れへ、保ち合い崩れとなれば8570円程度までが短期下値目安に。

プラチナ価格は-53円、1.06%の続落。今年高値更新後の失速状態が続いて11月7日(4853)以来、1週間ぶりの安値。綺麗な右肩上がりの強気パーフェクトオーダーを維持しながらも、最上段の9日移動平均線(4946)も目前に。高値圏維持に向けた節目4990円を割り込んだことで強気トレンドが崩れる可能性も高まり、9日線を下抜けて4930円程度までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格11/15とチャート

2022年11月15日(火)時点の相場
国内金8,714 円 11/15(火) ▲82(0.95%)
国内プラチナ4,963 円 11/15(火) ▼53(1.06%)
NY金1,776.9 ドル 11/14(月) ▲7.5(0.42%)
NYプラチナ1,033.0 ドル 11/14(月) ▼5.1(0.49%)
ドル円139.91 円 11/14(月) ▲1.14(0.82%)

11/14(月)のその他主要マーケット指標

PPIも10月は予想以上に鈍化、一時ドル急落、NY金は急騰 11/16(水)

インフレ鈍化の10月、インフレ期待は再上昇 11/15(火)

国内金は保合い上抜け失敗、プラチナは保合い上抜け維持 11/14(月)

ドル円の61.8%戻しと20週移動平均線 11/12(土)

米CPI鈍化は予想以上、市場反応も予想以上でドル安金高急進 11/11(金)


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