金プラチナ短期相場観

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米12月小売・PPIは下振れ、ドル円は4円の行って来い

更新日:2023年1月19日(木)

生産者物価指数PPI×CPIとの差 2022年12月日銀の金融政策現状維持を受けてドル円は乱高下、東京市場で急騰後に欧州市場にかけての巻き戻しで、行って来い。NY市場では米経済指標悪化もあってさらに一段安、相変わらず大荒れの展開に。

米12月生産者物価指数、PPIは前年比+6.24%。市場予想の+6.8%程度を大幅に下回り、下方修正された11月の7.35%からも急低下。6ヵ月続落となって2021年3月(4.15)以来、1年9ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー関連を除いたコア指数(コアPPI)は前年比+5.53%。市場予想+5.5%とほぼ変わらずも、9ヵ月続落となって2021年5月(5.34)以来、1年7ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)は前年比+4.58%。3ヵ月続落で2021年3月(3.14)以来、1年9ヵ月ぶりの低水準に。
なお、過去平均はPPIが前年比+2.66%、コアPPIは+2.56%、コアPPI2は+2.52%。
また、PPIとCPIとの格差(PPI-CPI)は-0.21%となり、2020年12月(-0.52)以来、2年ぶりに逆転。コストプッシュ・インフレ要因の一定部分は解消された可能性が高まり、インフレ低下局面入りを示唆するフェーズに。

12月の小売売上高は前月比-1.1%となって2ヵ月連続減、1年ぶりの大幅減となり、12月鉱工業生産も前月比-0.7%で2ヵ月連続減、2021年9月(-1.0)以来、1年3ヵ月ぶりの大幅減。
インフレは依然高水準ながらも鈍化が一段と進行していることが確認され、同時に景気減速懸念も徐々に高まる兆しも見られるなか、市場の思惑がハト派的に傾斜していくのに対し、タカ派のFRB関係者からはブレずに5%超への利上げ敢行発言が聞かれます。

NY金・日足チャート 2022/12/12 - 1/1818日のNY金相場は-2.9ドル、0.15%の小幅続落。東京時間には日銀現状維持の余波で円安主導のドル高の流れを受け、1910ドルから一時1900ドル割れ。しかし大台割れで下げ渋ると日銀相場の巻き戻しとなった流れで反発。ロンドン市場までに1910ドル台を回復するとNY朝には1920ドル台へ、小売、PPI、鉱工業生産など米12月指標悪化を受けて高値では1930ドル付近まで上昇。前日高値付近で一服となって失速するとNY午後にはセントルイス連銀ブラード総裁の「可能な限り迅速に5%を上回る水準」までの利上げ支持、クリーブランド連銀メスター総裁の金利は「5.00-5.25%を若干超えるべき」などのタカ派発言もあり、反落の勢いが増してNY引けにかけては1910ドル割れ。上下に行って来いとなった結果1920ドル台での上値の重さと1900ドル近辺での一定のサポートを確認。目先しばらくはこの主要レンジを中心に保ち合い傾向へ、上抜けると1940ドルが意識される展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2022/12/12 - 1/18NYプラチナは-3.2ドル、0.31%の小幅安で3日続落。金に追随する形で上下に行って来いの展開、で振れ幅は1.5倍。アジア時間には1040ドル台後半から1030ドル台半ばまで下げて切り返し、ロンドン序盤に1050ドルを回復するとNY朝には1080ドル台半ばまで急騰。3日連続1080ドル台の高値をつけて失速するとNY午後には1040ドルまで急反落。短期下値目安1040ドル程度までしっかり下げてNY引け後には1040ドル台後半へと小幅に自律反発。6日連続で下値を切り下げてきた流れでも1040ドルが目先のサポートとなれば1080ドルの上限候補までを主要レンジに保ち合い形成にも。

ドル円・日足チャート 2022/12/15 - 1/18ドル円は72銭のドル高円安、0.56%の反発。日銀の金融政策現状維持を受けて128円30銭台から130円台、東京市場午後には131円50銭台まで3円超の急騰。12月20日のYCC修正発表で急落後の水準まで買い戻されて一服後は、黒田日銀総裁会見を経てジリジリと巻き戻しの展開に。今回の現状維持を想定外と見る向きが意外にも多かった様子での買い戻しも、いずれYCCの許容変動幅の追加拡大か撤廃は既定路線との見方もあり、市場と総裁との見方は最後まで噛み合わなかった感も。129円割れへと戻したNY朝には一連の米指標悪化を受けて一段安、一時127円50銭台まで下落して高値からは4円の反落。ただし米1月のNAHB住宅市場指数が予想外の好結果となり、FRB関係者のタカ派発言などにもサポートされる形となってNY午後には128円90銭台まで反発。乱高下を経て、127円台後半での足場固めが若干進行した様子も、反発方向には129円ラインにやや抵抗感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/18終値とチャート

19日の国内金価格は+7円、0.08%の小反発。日銀とマーケットの認識の乖離、FRBと市場の思惑の相違から各市場で乱高下、その結果を反映する形で国内金価格も動きそうで動けない、膠着状態に。寄り添うようにして緩やかに上昇する90日移動平均線(8557)と21日移動平均線(8564)を上抜けた9日移動平均線(8634)が失速した状態が現状のトレンドを示唆し、8590円から8660円までの高値保ち合いレンジ下限付近では下げ渋り。耐え切れず下限割れなら8530円程度までの下値余地拡大、上限突破なら今年高値更新トライも上値余地は8730円程度まで。

プラチナ価格は+5円、0.11%の小反発。短期的には下押し圧力が強まる流れのなかで、12月安値(4552)から1月高値(4959)までの76.4%戻し(4648)付近に到達してようやく下げ止まりの可能性も。上昇軌道を維持する90日移動平均線(4672)の早期回復が目先のポイントにも。これを上抜けできない限り、いずれ中期上昇トレンドは腰折れへ。
※参考:金プラチナ国内価格1/19とチャート

2023年1月19日(木)時点の相場
国内金8,613 円 1/19(木) ▲7(0.08%)
国内プラチナ4,660 円 1/19(木) ▲5(0.11%)
NY金1,907.0 ドル 1/18(水) ▼2.9(0.15%)
NYプラチナ1,043.7 ドル 1/18(水) ▼3.2(0.31%)
ドル円128.89 円 1/18(水) ▲0.72(0.56%)

1/18(水)のその他主要マーケット指標

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米12月小売・PPIは下振れ、ドル円は4円の行って来い 1/19(木)

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