金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

雇用統計は好調も賃金上昇率は鈍化、ドル安株高・金高で反応

更新日:2023年1月7日(土)

米雇用統計・賃金上昇率(平均時給)前年比 2022年12月米12月雇用統計では雇用者数の伸びは市場予想を上回り、失業率は市場予想を下回っていずれも好結果。しかし賃金上昇率が予想以上に鈍化。インフレ緩和への期待感が高まり、早期利上げ終了への思惑などから米10年債利回りは3.7%台から3週間ぶり低水準となる3.5%台へと急低下。ドル安の流れも急速に強まり、株高とともに金も急騰で反応。
ただし週末の急低下、急騰には賃金上昇率以外の要因も。12月のISM非製造業景況指数は49.6。市場予想を大幅に下回って11月の56.5からも急低下、コロナショックの2020年5月(45.4)以来、2年7ヵ月ぶり低水準となって節目の50割れ。リセッション懸念はリスク回避の金買い要因だけでなく、金融政策の早期緩和転換期待につながって米株高の支援材料にも。

12月雇用統計の賃金上昇率は前年比+4.59%。市場予想の+5.0%程度を下回り、11月の+4.80%からも一段と低下。2021年8月(+4.34)以来、1年4ヵ月ぶりの低水準。
また、前月比でも+0.27%となり、2月(+0.13)以来10ヵ月ぶりの低水準。
ただし、長期平均は前年比で+2.94%。前月比では+.24%。前月比では依然長期平均を上回り、前年比では長期平均を大きく上回る水準での推移が継続中。

失業率の3.5%は7月、9月と並びコロナ後最低。コロナ直前(2020年1-2月)の約50年ぶり低水準とも同水準となり、この半世紀での最低水準。
広義の失業率を示す、U6失業率は6.5%となり、11月の6.7%から低下。半年ぶりに過去最低を更新。
半年以上の失業となる、長期失業者の割合は18.5%。11月の20.3%から急低下、2年4ヵ月ぶりの低水準となり、コロナショックで短期失業者が急増した期間(2020/3-8)を除くと2008年6月(18.2)以来、14年半ぶりの低水準。

雇用需給の逼迫を示す状態と、賃金上昇率鈍化との同時進行は、そう長くは続かないものと推測されます。

NY金・日足チャート 2022/12/1 - 1/66日のNY金相場は+29.1ドル、1.58%の反発。上昇率は昨年の絶対値平均0.75%の2倍超の急騰で6月10日(1875.5)以来、7ヵ月ぶりの高値。1840ドル近辺での小幅揉み合いから、NY市場での米12月雇用統計後に急騰。賃金上昇率が予想以上に鈍化したことを受け、米10年債利回り急低下とドル安の流れに伴い1850ドル台半ばへと上昇。一服後には12月ISM非製造業景況指数の大幅悪化を受けて再加速、1850ドル割れから1860ドル台後半へと急騰し、高値では1875.2ドルまで上昇。1860ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1880ドル程度にもあと少しのところまで水準を切り上げたことで、短期的な伸びしろは限定的か。下値サポートを1840ドルへと切り上げて高値保ち合い形成にも、サポート割れなら右肩上がりの20日移動平均線(1819.6)近辺、年末の上昇前の水準1810ドル台まで下値余地拡大へ。
週間ベースでは+43.5ドル、2.38%高で3週続伸。3週続伸は昨年8月以来、5ヵ月ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2022/12/1 - 1/6NYプラチナは+34.7ドル、3.24%高で3日ぶりの反発。昨年3月9日(1107.6)以来、10ヵ月ぶりの高値水準。1070ドル近辺での保ち合い推移から、ロンドン市場で一時1060ドル割れもNY朝の雇用統計後には金の急騰に追随。1060ドル台半ばから1080ドル台へと上昇後、一服を挟んでの一段高局面では抵抗感が強まっていた1100ドルラインを突破、高値では1107ドルまで上昇。NY引け後も1100ドル台を維持して高止まりも、短期的な上値余地は1110ドル台から1120ドル程度までと限定的にも。当面の下値サポートは1060ドル台、これを割り込むようだと上昇軌道の20日移動平均線(1036.2)近辺、1040ドル近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは+21.4ドル、1.98%高で3週続伸。

ドル円・日足チャート 2022/12/5 - 1/6ドル円は130銭のドル安円高、0.97%安で4日ぶりの反落。前日の雇用指標好結果を受けて雇用統計への期待感から、東京朝の133円30銭近辺から堅調推移。日銀はYCC再修正急がない、との報道なども円安サポートとなり、欧州時間には134円半ばまで上昇。NY朝にはフライング気味に134円半ばの節目を上抜けて134円70銭台まで上昇も、雇用統計の結果を受けて急反落。東京朝の安値133円30銭近辺で下げ渋ると134円台へと反発も、ISM非製造業景況指数の大幅悪化を受けて戻り売り。133円割れへと急落するとNY午後も下げ止まらず一時132円割れ、NY終盤には132円近辺に収束。予想外の賃金上昇率の大幅鈍化がインフレ圧力緩和への思惑となり、もう一段の反発局面形成トライに失敗、秋以降の抵抗線となってきた右肩下がりの20日移動平均線(133.70)上抜けにも失敗。目先は133円半ばが上限となり、130円半ばまでのレンジで保ち合い継続へ。
週間ベースでは+1.03円、0.79%高で3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/6終値とチャート

2023年1月7日(土)時点の相場
国内金8,579 円 1/6(金) ▼6(0.07%)
国内プラチナ4,890 円 1/6(金) ▼46(0.93%)
NY金1,869.7 ドル 1/6(金) ▲29.1(1.58%)
NYプラチナ1,104.3 ドル 1/6(金) ▲34.7(3.24%)
ドル円132.14 円 1/6(金) ▼1.30(0.97%)

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