金プラチナ短期相場観

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米11月求人件数は高止まり、続く売り手市場

更新日:2023年1月5日(木)

米・求人件数と失業者数 2022年11月FRBは2023年後半には利下げへ、との思惑が市場コンセンサスにもなりつつあった状況を否定するように、この日公表された12月FOMC議事要旨ではこれを牽制するような内容にも。
議事要旨ではインフレ押し下げへの決意を確認し、「正当な根拠のない」金融状況の緩和は物価安定の達成に向けた当局の取り組みを損なうとの警戒感も示唆。

この日発表された11月の求人件数は1045.8万件となり、10月からは小幅減で3ヵ月ぶり低水準。ただし市場予想を上回り、2021年7月以降は1年5ヵ月連続の1000万件超。ピークアウト後も依然高水準での高止まり。
この結果、11月の失業者1人当りの求人件数は1.74件で10月からはわずかに増加。2022年前半のピーク水準1.9件超には及ばないものの、2021年7月以降は15ヵ月連続で1.2件超。昨年12月以降は1年間連続で1.7件超。コロナ前の最高を大きく上回る水準での高止まり。

米労働市場は、売り手市場の状態が続き、賃金上昇圧力、そしてインフレ上昇圧力も高止まり。
FRBの思惑を正当化する結果となり、一時的にはドル高の勢いが強まりましたが、その後は巻き戻しの展開にもなりつつあるようです。
市場への牽制も、あまり効果はないようです。週末の雇用統計で再確認へ。

NY金・日足チャート 2022/11/29 - 1/44日のNY金相場は+12.9ドル、0.7%高となって4日続伸。昨年6月10日(1875.5)以来、ほぼ7ヵ月ぶりの高値。時間外序盤の1840ドル台前半が安値となり、ユーロ高ドル安の流れとなったロンドン序盤には1860ドル台へ、高値では一時1870ドル台まで上昇。短期上値目標1870ドル近辺到達後に失速するとNY市場では1860ドル台での保ち合い推移、NY引け後には一時1850ドル台前半までの下押しをはさんで1860ドル近辺へと収束。短期的には上値トライ一服となって雇用統計待ちへ、これをきっかけに一段高へと向かえば、いずれ1900ドル台へと水準を切り上げるような展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2022/11/29 - 1/4NYプラチナは-1.0ドル、0.09%安で4日ぶりの小反落。1090ドル台から堅調推移となったロンドン序盤には一時1110ドル台まで上昇。前日高値をわずかに上回り、昨年3月10日高値(1116.7)以来、ほぼ10ヵ月ぶり高値をつけて失速するとNY市場では1090ドル台を中心に保ち合い推移、NY引け後には1090ドル近辺。短期的には1100ドルラインへの抵抗感もあって一服感からの調整も、中期的には2021年高値(1348.2)から上値を切り下げてきた中期抵抗線を上抜けており、いずれ1100ドル台へと水準を切り上げると昨年高値(1197.0)トライを目指す展開にも。

ドル円・日足チャート 2022/12/1 - 1/4ドル円は165銭のドル高円安、1.26%の続伸で12月29日(133.03)以来、1週間ぶりの水準を回復。東京朝には前日高値をわずかに上回る131円40銭台まで上昇して失速、130円半ばまで水準を切り下げての保ち合い推移を経て、欧州時間にかけては売り圧力が強まって一時130円割れ。その後は130円台前半で下げ渋って130円台後半へ、NY市場では米12月ISM製造業景気指数がわずかに市場予想を下回ったものの、11月求人件数が予想以上に増加したことを好感してドル買い優勢の展開へ。131円台後半へと急騰後、NY午後には132円台半ばへと一段高。FOMC議事要旨でタカ派姿勢が示唆されたことにもサポートされた格好。ただし今朝の東京市場では一時132円割れへと反落。130円半ばから134円半ばまでの保ち合いレンジ半ばを回復して雇用統計待ちへ。下限を維持できなくなれば129円半ばの今年安値再トライへ、上限突破となれば一定の反発局面形成へ、12月半ばの保ち合い形成水準136円台半ばが上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/4終値とチャート

5日の国内金価格は年末から+186円、2.21%の大幅高となって3営業日続伸。NY金の保ち合い上抜け後の一段高とドル円の反発局面が重なっての急騰、12月20日(8598)以来、半月ぶりの高値水準に。8450円の節目上抜けに伴う短期上値目安8500円台回復を達成してさらに一段高となり、下から昇順に並んでいた9日移動平均線(8480)、21日(8527)、90日線(8535)をまとめて上抜け、弱気パーフェクトオーダーからも脱却。ただし年末の三角保合い下抜け後の急落から切り返しての急反発も、三角保合い上限ライン付近に到達した状態となり、いったん頭打ちとなりやすいところ。ほぼ水平状態の90日移動平均線をサポート候補に、崩れかけていた中期保ち合い回帰を試す展開で2023年をスタート。

プラチナ価格は+196円、4.14%の大幅高で3営業日続伸。12月1日(4949)以来、1ヵ月ぶりの高値。上げ幅としては昨年3月7日(+237円、5.46%)以来、10ヵ月ぶりの急騰。11月高値(5076)を起点に下降チャネルを形成して上値を切り下げてきたレジスタンスラインを上抜け、4850円の節目も突破しての一段高となり、短期上値目標として5000円の大台回復を目指す流れに。昨年まで6年続伸、2009年以降では11勝3敗、上昇確率78.6%の1月相場、今年も強気のスタート。
※参考:金プラチナ国内価格1/5とチャート

2023年1月5日(木)時点の相場
国内金8,585 円 1/5(木) ▲186(2.21%)
国内プラチナ4,936 円 1/5(木) ▲196(4.14%)
NY金1,859.0 ドル 1/4(水) ▲12.9(0.70%)
NYプラチナ1,092.3 ドル 1/4(水) ▼1.0(0.09%)
ドル円132.67 円 1/4(水) ▲1.65(1.26%)

1/4(水)のその他主要マーケット指標

米雇用情勢は2023年も好調スタート、利上げ効果はまだ? 1/6(金)

米11月求人件数は高止まり、続く売り手市場 1/5(木)

ユーロ圏製造業PMI、2022年末は2年半ぶりにフランスが牽引 1/4(水)

2022年、金プラチナ・ドル円それぞれの38.2%-半値戻しの攻防 12/31(土)

失業保険継続受給者数はいまだコロナ前の低水準以下 12/30(金)


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