金プラチナ短期相場観
ドイツ貿易黒字は今年最小、黒字幅は9ヵ月ぶりの急減
更新日:2023年7月5日(水)
ドイツの5月貿易収支は144億ユーロの黒字。173億ユーロの予想を大幅に下回り、1年9ヵ月ぶり高水準となった4月(165億ユーロ)から-12.7%縮小して今年最小、5ヵ月ぶりの低水準。縮小率では9ヵ月ぶりの急減。
輸入が1161億ユーロで前月比+1.7%に対し、輸出は1305億ユーロで前月比-0.2%の小幅減。
EU圏外への最大輸出先は米国で127億ユーロとなり、前月比3.6%減。2番めは中国、86億ユーロで1.6%増。輸入先の最大は中国で133億ユーロ、前月比2.7%増。
なお、ロシアへの輸出は前月比7.4%減の7億ユーロ、輸入は17.3%減の3億ユーロ。前年比では輸出が34.4%減、輸入は92.6%減と激減。
経済制裁の影響もあり対ロシアとの貿易は急減、対中国の貿易は増加。
なお、全体での前年比では、輸出が前年比-0.7%となって2年3ヵ月ぶりの前年割れ。輸入は前年比-8.6%で4月からはマイナス幅縮小も3ヵ月連続の前年割れ。
輸出は伸び悩み状態となってGDPの伸び悩みにつながり、輸入は減少傾向が続いて需要の減退が懸念される状況にもなりつつあるようです。
4日は米国が独立記念日の祝日でNY市場は休場。3日時間外のNY金は1920ドル台後半から1940ドル手前まで上昇して失速、4日の時間外は1930ドル台前半から。NYプラチナは910ドル台後半から930ドル台半ばまで急騰後に920ドル台半ばへ。
ドル円は22銭のドル安円高、0.15%の反落。東京市場朝には日経平均の下落にも連れる形となって144円60銭台から40銭台へと軟調推移、しかし下値も限定的となり144円半ばを回復して小康状態に。東京市場終了後にはやや売り圧力が強まって144円台前半へ、NY朝の時間帯には144円20銭台まで下げて50銭台へと反発。この日の変動値幅は50銭程にとどまり、今年の平均140銭の3分の1強、年初以来半年ぶりて今年2番めの小動き。引き続き144円30銭から80銭までの小幅レンジで高値保ち合い、団子天井を形成中。短期的には抜け出した方向へ1円超の急変動となり、新たな短期トレンド形成へとつながる可能性も。
5日の国内金価格は+20円、0.22%高で4日続伸。6月19日(9762)以来半月ぶり、今年18回めの過去最高値更新。ドル円の上げ渋りと時間外のNY金の下げ渋りとの板挟み状態のなか、微妙にバランスが崩れての一段高となり、9700円の節目上抜けに伴う短期上値目標9770円程度にもしっかり到達。達成感からも目先は上値トライ一服となりやすい状況も、週末にかけてのイベント・ドリブンで一段高へと向かえば9850円程度までが次の上値目標に。当面の下値サポート9670円を割り込むことがあれば調整幅拡大で9580円程度までの下値余地も。
プラチナ価格は+28円、0.61%の続伸で6月28日(4644)以来、1週間ぶりの高値。当面の底打ち確認に向けた最初のチェックポイント、9日移動平均線(4608)の早期上抜けに成功し、短期トレンド好転にらみの反発局面を形成。目先の抵抗水準にもなりうる4660円の節目を突破できればさらに地合い回復となって一段高の展開にも、5月高値(5197)から7月安値(4558)の23.6%戻し(4709)近辺までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格7/5とチャート
- 2023年7月5日(水)時点の相場
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国内金 : 9,772 円 7/5(水) ▲21(0.22%) 国内プラチナ : 4,624 円 7/5(水) ▲28(0.61%) NY金 : 1,929.5 ドル 7/3(月) ▲0.1(0.01%) NYプラチナ : 916.0 ドル 7/3(月) ▲2.8(0.31%) ドル円 : 144.46 円 7/4(火) ▼0.22(0.15%)
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