金プラチナ短期相場観

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ハリケーンで雇用は低調、失業率は上げ渋り、賃金は下げ渋り

更新日:2024年11月2日(土)

米雇用統計 2024年10月想定以上のポジティブ・サプライズとなった9月に続き、10月はまさかのネガティブ・サプライズ。米10月雇用統計に関し、米労働統計局は「ハリケーンが影響」した可能性が高いとの見解。確かに10月はハリケーンやボーイングのストライキなどもあり、労働市場は一部で混乱。
結果、雇用者数の伸びは市場予想の前月比+10万人程度を大幅に下回る+1.2万人で2020年12月以来、3年10ヵ月ぶりの低水準。
ただ、過去2ヵ月分も合計11.2万人の下方修正。最近では今年2月分の雇用統計発表時に過去2ヵ月分合計16.7万人の下方修正、これに次ぐ大幅下方修正。
3ヵ月平均では+10.4万人となり、9月の+14.8万人から急低下で4年4ヵ月ぶり、コロナ後最少。ただし8月時点でも+11.3万人でコロナ後最少。
トレンド的には既に減少傾向が継続中であり、10月分はともかくとして11月以降の動向には要注意、という状況のようにも。

失業率は4.1%で横ばい推移。7月に4.3%まで上昇し、2年9ヵ月ぶり高水準となった後、8月の4.2%を経て9-10月の4.1%へ。
12日を含む週の事業所調査で勤務状況によってはカウントされない場合がある雇用者数とは異なり、一時的に勤務できなかった日があっても除外されない家計調査で算出される失業率は、足下で上げ渋り。
広義の失業率、U6失業率も8月に2年8ヵ月ぶり高水準となる7.9%まで上昇し、9-10月は7.7%と上げ渋り。

賃金上昇率は前年比+3.99%。前月から+0.11%、3ヵ月続伸で5ヵ月ぶりの高水準。3ヵ月平均では+3.91%、9月から+0.12%で続伸。
賃金上昇率は長期平均3.04%、2018-2019年平均3.16%などを大きく上回る水準で、下げ渋り。

NY金・日足+20日移動平均線 2024年11月1日1日のNY金は-0.1ドル、0.00%。前日の急落後の水準でほぼ変わらず横ばい推移。時間外は前日安値からの反発局面が続いて2750ドル台から2760ドル台へ、NY市場では米10月雇用統計のサプライズを受けて2760ドル近辺から2770ドル台へと小幅に急騰。しかし、雇用者数の伸びが予想外に低調となったのはハリケーンなどの要因で一時的なもの、との解釈が浸透するに連れて徐々に米10年債利回り低下とドル安の巻き戻しの流れが進行したような格好にも。この流れでNY金は反落、元の水準を突き抜けてNY午後には2750ドル割れ、前日安値付近では下げ渋り。結果的に10月末の高値トライで2800ドルの大台到達後には達成感から大幅反落、この日の自律反発は上ヒゲを残して失敗、短期的な流れとしては調整方向への圧力が強まりやすい状況のようにも。FOMCの次週、2720ドルから2800ドルまでの主要レンジを下方向へと抜け出すようなら2700ドル近辺までの下値切り下げへ。予想外に買い圧力再燃となって2800ドル超へと抜け出すようなら2830ドル程度までの最高値更新も。
週間ベースでは-5.4ドル、0.2%安で4週ぶりの反落。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2024年11月1日NYプラチナは+3.3ドル、0.33%高で3日ぶりの小反発。前日の急落後の自律反発で1000ドルの大台回復をかけた攻防状態がこの日の時間外も継続、安値では990ドル台半ばまで下げながらも前日安値を下回らず。NY市場では雇用統計後に上昇した米株に追随する格好となり、高値では1010ドル台半ばまで上昇。しかしNY午後には米株の失速に合わせて1000ドル付近へと巻き戻し。結果的に1020ドルの節目割れに伴う短期下値目安1000ドル到達後の自律反発にはいったん失敗も、大台割れでは底堅さも確認して一服。次週、反発に向けては20日移動平均線(1010)回復がポイントに、下押し圧力がもう一段強まるようだと970ドル近辺までが目安に。
週間ベースでは-33.8ドル、3.26%安で3週ぶりの反落。

USDJPY・日足+200日移動平均線 2024年11月1日ドル円は+98銭、0.64%の反発。東京朝には152円近辺から前日安値をわずかに下回るも、151円80銭の節目では下げ渋って反発、午後には152円60銭台まで上昇。欧州時間には152円80銭台へと水準を切り上げてNY市場へ、雇用統計の予想外の結果には152円割れへと急反落。しかし東京朝の安値と151円80銭の節目でサポートされると徐々に反発へ、元の水準を回復するとNY午後には153円回復トライ。結果的に今回の雇用統計の結果はなかったことにするかのように下落分を巻き戻し、高値圏での保ち合いを維持してFOMCへ。152円ラインが目先の下値サポートとなり、これを割れると150円付近までの調整へ、153円半ばの上限を突破するようなら155円近辺までの上値トライへ。
週間ベースでは+65銭、0.43%高で5週続伸。5週続伸は2023年2月以来、1年8ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/1終値とチャート

2024年11月2日(土)時点の相場
国内金14,696 円 11/1(金) ▼329(2.19%)
国内プラチナ5,249 円 11/1(金) ▼108(2.02%)
NY金2,749.2 ドル 11/1(金) ▼0.1(0.00%)
NYプラチナ1,002.9 ドル 11/1(金) ▲3.3(0.33%)
ドル円152.98 円 11/1(金) ▲0.98(0.64%)

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