金プラチナ短期相場観
米住宅着工件数も好調維持、住宅市場も利上げ確率上昇を後押しへ
更新日:2015年8月19日(水)
米商務省が発表した7月の住宅着工件数は、年率換算で120.6万件となり、予想の118万件を上回りました。6月の117.4万件も120.4万件へと大幅上方修正され、5月分も106.9万件から107.2万件へと小幅上方修正。6月分の時点で2007年10月(126.4万件)以来、7年8カ月ぶりの高水準に達し、7月分でもこれをわずかに上回って好調を維持した形となっています。
前月比では+0.17%の小幅増にとどまっていますが、6月分時点では+12.31%と大幅増。前月比の数値は上下のブレがかなり大きい為、12カ月平均の値をグラフ化していますが、最近はほぼ2%前後での推移が続きます。リセッション後の2010年から2015年までの前月比平均では+1.54%となっています。リセッション前の好調だった時期、1995年から2005年までの平均では+0.39%にとどまっており、近年の伸び率がかなり大きくなっていることを示します。
17日に発表された全米住宅建設業者協会(NAHB)の住宅指数でも2005年11月以来、約10年ぶりの高水準となる61へと上昇し、好不況の節目となる50を上回る状態が1年以上続いており、住宅市場も順調に回復傾向が続いていることを示しています。
先週発表された7月の小売売上高や鉱工業生産でも、今年前半の低迷状態から後半に向けての回復傾向が示されたことに加え、住宅市場の好調ぶりも確認できたことで、9月利上げに向けてのサポート材料となりそうです。
18日時点でCMEのFedWatchでは9月利上げの織り込み度は36.43%。3週間前に行われたFOMCの議事要旨を確認後、この割合が上昇するのか、下落するのか、その変化の度合いに応じて小康状態のマーケットも大きく動き出すことになりそうです。
18日のNY金相場は0.13%の小反落。中国株下落の流れも受けて欧州時間には1120ドルの高値をつけた後、米7月の住宅着工件数の好結果を受けて1110ドル割れ水準まで急落。しかし、直後には再び1120ドル手前まで買い戻される、行って来いの展開。きっかけ次第で売り圧力が強まり、材料不十分と見ればしっかり買い戻される流れが確認され、今後の動き出しに警戒する状況へ。
プラチナ相場は0.66%の反落で1カ月ぶりに到達した1000ドルの大台は2日と持たず。しかし、底値圏からの反発基調が続いたなかでは適度な調整局面となった可能性も。長めの下ヒゲを残して上昇基調加速への思惑と、これまでと同様、長めの下ヒゲの後の急落への警戒感が交錯する状況に。
ドル円は前日比ほぼ変わらずの横ばい推移。上下の値幅33銭は前日の35銭をも下回り、今年4番目の小動き。今年の平均値幅91銭の半分から3分の1程度の小動き状態が4日間続き、大きく動き出す前兆に。明日にでも126円か123円を目指す展開となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/18終値とチャート
19日の国内金価格は0.21%の小反落。短期上昇トレンドのなかで、4820円台の目標水準一歩手前での調整から保ち合い状態となり、上昇基調加速か大幅反落かの分岐点に。明日朝には4900円台を目指す流れがスタートしているか、4710円台辺りまでの急落か、可能性としては後者のほうがわずかに優勢か。
プラチナは0.84%の反落。フライングの巻き戻しで保ち合い状態へと逆戻り。改めての上下双方向へのブレイク待ち、上方向なら4370円近辺へ、下方向なら4190円程度までの下落は十分に見込まれる状況。
※参考:金プラチナ国内価格8/19とチャート
- 2015年8月19日(水)時点の相場
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国内金 : 4,784 円 8/19(水) ▼10(0.21%) 国内プラチナ : 4,260 円 8/19(水) ▼36(0.84%) NY金 : 1,116.9 ドル 8/18(火) ▼1.5(0.13%) NYプラチナ : 994.1 ドル 8/18(火) ▼6.6(0.66%) ドル円 : 124.40 円 8/18(火) ▲0.02(0.01%)
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