金プラチナ短期相場観
9月製造業PMI速報値では米国だけが低下傾向
更新日:2016年9月24日(土)
マークイットと日経発表の9月製造業PMIの速報値では、利上げに向かう米国だけが2カ月続落、緩和政策が続く日欧は反発、上昇基調となっています。
米国の51.4は3カ月ぶりの低水準となり、2009年以来の低水準となっていた4-5月で底入れ、反発への流れが腰折れ状態となってしまった可能性を示します。9月確定値や10月以降に再び51未満へと低下するようなら、ISM製造業景況指数での低迷状態継続も予想され、12月利上げに向けての黄色信号となりそうです。
対照的に日本は4カ月連続上昇して50.3、7カ月ぶりに節目の50割れ水準からも脱し、今年1月(52.3)以来8カ月ぶりの水準に。生産高は2カ月連続で増加し、輸出も今年初めて増加に転じたようです。
ユーロ圏でも、フランスが7カ月連続節目50割れながら、3月(49.6)以来半年ぶりの水準となる49.5まで回復。ドイツも2014年以来の高水準となっていた6月の54.5に次ぐ54.3まで反発し、ユーロ圏としても3カ月ぶりの水準へと反発。
ユーロ圏の製造業回復を牽引するドイツですが、サービス業の9月速報値は50.6と急低下。この影響でユーロ圏のサービス業も52.1へと低下。さらに、製造業とサービス業を合わせたユーロ圏の総合PMIは52.6となり、1年8カ月ぶりの低水準。ユーロ圏の総合PMIの悪化もドイツが牽引してしまったようです。
製造業の低迷に連れてサービス業も急速に失速している米国とともに、ユーロ圏での景気回復も力強さには欠ける状態のようです。
23日のNY金相場は0.22%安となり5営業日ぶりの反落。1340ドル前半での保ち合いに終始、上下の値幅はわずか7.1ドルとなり、20日の5.9ドルに次いで今年2番めの小動き。流れとしては上向き優勢で1360ドルの抵抗水準との攻防が当面の課題。突破できれば年初来高値更新へと向かう可能性は高いが目先しばらくは難しそうな状況か。なお、この日FRBが銀行の商品投資に対する規制案を発表しており、商品現物投資に対する資本基準の大幅引き上げやトレーディング高への上限設定などを含む規制が実現すれば金市場への資金流入にも影響。ただしボラティリティ低下でむしろ安定化する可能性も。
週間ベースでは+31.5ドル(2.4%)の反発。
NYプラチナ相場も5日ぶりの反落で0.55%安。反発の流れ一服で1050ドル台での保ち合い状態、この日の変動値幅は11.9ドルにとどまり、年間平均22.8ドルのほぼ半分、4月15日の10.6ドルに次いで今年2番めの小動き。今年最高値となった8月10日の1199.5ドルから続く右肩下がりの抵抗線との攻防状態にあり、目先はこの延長線上となる1060ドル台が重要な節目に。上抜けできれば1カ月半続いた下落トレンドも終息し、1100ドル付近を目指す流れへと発展する可能性も。
週間では+39.4ドル(3.87%)の反発。
ドル円は0.28%のドル高円安で小幅続伸。東京市場での101円20銭台がこの日の高値となって欧州市場では100円60銭台まで下落、上値の重い状態が継続。しかし、NY市場では、ハト派でありながら今回のFOMCで利上げを支持したボストン連銀ローゼングレン総裁が「利上げ見送りは著しい不均衡を生むリスク」があるなどと発言したこがドル買いを支援し、101円台を回復。100円台前半がいったん下値サポートラインとして反発した形となり、目先はこの近辺から102円台半ばまでの範囲で保ち合い形成の動きか。下方ブレイクなら99円前後までの下押しリスクは残り、102円台後半へと上値を切り上げるような展開となった場合にはさらに104円台後半までが視野に。
週間では-1.24円(1.22%)となって3週続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/23終値とチャート
- 2016年9月24日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,642 円 9/23(金) ▲34(0.74%) 国内プラチナ : 3,685 円 9/23(金) ▲57(1.57%) NY金 : 1,341.7 ドル 9/23(金) ▼3.0(0.22%) NYプラチナ : 1,057.0 ドル 9/23(金) ▼5.8(0.55%) ドル円 : 101.03 円 9/23(金) ▲0.28(0.28%)
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