金プラチナ短期相場観

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ADPとNFPの3カ月平均の連動性が示す、8月NFP下振れの可能性

更新日:2016年9月1日(木)

ADP雇用者数と雇用統計NFPの3カ月平均の連動性8月のADP雇用者数が予想を上回る結果となったことで、雇用統計のNFPでも好結果?との見方が強まり、ドル高地合いが続いています。しかし、ADPとNFPの3カ月平均の連動性に着目すると、8月のNFPはそれほどの好結果は期待できない可能性もありそうです。

ADPとNFPの関係は、実数での相関関係はそれほど強くはありません。しかし、3カ月平均の24カ月間の相関係数は0.8台。NY金とNYプラチナの90日間の相関係数0.78を上回り、30日間の相関係数0.83に匹敵する正相関の強さを示します。
この連動性がかなり強いADPとNFPの3カ月平均の過去推移を見ると、NFPのほうが上下にブレやすく、ADPは比較的ブレが少ない推移となっています。

そのなかで、NFPがADPよりも下方向に大きくブレた直後の上昇局面では、NFPの上振れはそれほど大きくならない傾向があります。
逆に、上方向に大きくブレた直後には下方向にも大きくブレる傾向もあるようです。しかし、その直後の再上昇局面ではADPを小幅に上回る程度にとどまっています。
極端なこの傾向は2010年に見られました。そして、2015年末にもNFPが大きくADPを上回り、今年5月には大きく下振れ、そして現在反発局面形成中。
この流れでは、8月のNFP3カ月平均はADPの3カ月平均を極端に上回ることはない可能性が高まります。

8月のADP3カ月平均は18.1。8月のNFPが市場予想どおりの18万人程度となると、3カ月平均は24.2となり極端な上振れとなってしまいます。さらに相関係数も急低下することになってしまいます。
これまでの流れとパターン、連動性が維持されるなら、8月のNFPは6万人程度でも十分、となります。この場合の3カ月平均は20.2、ADPの3カ月平均を小幅に上回る水準に留まります。

実数では極端に好調な数値が2カ月続いた直後の8月、ネガティブ・サプライズとなる可能性は高くはないかもしれませんが、決して低くもないかもしれません。

NY金・日足チャート 2016/8/2 - 8/3131日のNY金相場は0.39%の続落。予想を上回った8月のADP雇用者数に反応して値を下げると、一時6月24日(1252.8)以来の安値水準となる1306ドルまで下落。その後発表された8月シカゴPMIが54.0の予想に対して51.5と下振れたことを受けて1311ドルまで反発。終値でも6月23日(1263.1)以来2カ月ぶり安値を更新し、下値目安となりやすい1300ドル付近まで下落した状態。短期的な流れとしてはさらに下値トライへと向かう状況にはないものの、雇用統計への警戒感とドル高優勢の流れに上値の重い状態が継続。
中期スパンでは7月6日と8月2日の高値1370ドル台でダブルトップを形成し、ネックライン1310ドル付近での攻防状態。雇用統計のポジティブ・サプライズなどをきっかけに売りが強まった場合には1250ドル付近が新たな下値目安として浮上する可能性も。
月間ベースでは-37.6ドル(2.79%)、3カ月ぶりの反落。

NYプラチナ・日足チャート 2016/8/2 - 8/31NYプラチナ相場も0.29%の小幅続落。6月30日(1021.5)以来2カ月ぶりの安値水準到達も、下落局面では1050ドルの節目水準を割れることなく下げ渋りの様子も。イベントがなければ金と同様に下げ止まりやすい水準だが、イベントドリブンの展開が予想される局面。1050ドル割れにはサポートライン候補も見当たらず、6月24日安値から8月10日の今年最高値までの76.4%戻しとなる1010ドル付近までが下値警戒水準に。
月間ベースでは-97.1ドル(8.44%)の大幅安で3カ月ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2016/8/2 - 8/31ドル円は0.46%のドル高円安で6営業日続伸。6日続伸は3月の7日続伸以来。東京市場では103円ラインの攻防、欧州市場では103円台へ、NY市場ではADP雇用報告の小幅上振れを受けて103円50銭台の高値をつける堅調地合い。102円の攻防ラインを上抜けたことに伴う上値目標水準103円台後半にも片足踏み入れた状態となり、ここから先は長期抵抗水準や複数のテクニカルな節目も重なり、上値余地はそれほどない状況。但し、雇用統計がポジティブ・サプライズとなり、9月利上げ観測が急速に高まるような事態となった場合には、これらをまとめて上抜けるような展開も。
月間ベースでは+1.33円(1.3%)、3カ月ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/31終値とチャート

1日の国内金価格は0.22%の小幅反発。7月後半から続いた下落トレンドは大幅下落となった8月末をもって終息した可能性も。心機一転、9月からは短期上昇トレンドがスタートするかどうかは雇用統計次第。極端に好結果ではNY金の大幅下落も想定されて円安分を打ち消す可能性、逆にネガティブ・サプライズでは今年のトレンドとなってきた強めの円買い再開も警戒される。ほどほどの好結果で円安基調加速、NY金の下げは限定的、となれば国内金価格は上昇トレンドへ?
4710円台の節目を上抜けると4700円台後半へと上値余地拡大へ。

プラチナ価格は0.08%の小幅続落。下落トレンド継続中の小幅保ち合い形成局面。週末の雇用統計待ちで、3800円の節目を上抜けると次週、短期トレンドも終息方向へ、3720円台の節目を下抜けた場合にはトレンド継続で3700円割れへ。
※参考:金プラチナ国内価格9/1とチャート

2016年9月1日(木)時点の相場
国内金4,657 円 9/1(木) ▲10(0.22%)
国内プラチナ3,755 円 9/1(木) ▼3(0.08%)
NY金1,311.4 ドル 8/31(水) ▼5.1(0.39%)
NYプラチナ1,053.5 ドル 8/31(水) ▼3.1(0.29%)
ドル円103.42 円 8/31(水) ▲0.47(0.46%)

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