金プラチナ短期相場観
2016年急騰・急落ランキング
更新日:2016年12月21日(水)
日米の金プラチナ価格と株価、為替を交えた2016年の前日比騰落率のランキング。
それぞれの今年ここまでの上昇率最大値と下落率最大値、さらに今年の平均騰落率(絶対値)を比較してみます。
<急騰>
1.日経平均:2月15日:+1,069.97円(+7.16%)
2.NY金:6月24日:+59.3ドル(+4.69%)
3.NYプラチナ:3月4日:+43.6ドル(+4.63%)
4.国内プラチナ:7月28日:+146円(+3.72%)
5.NYダウ:1月29日:+396.66ドル(+2.47%)
6.国内金:2月1日:+108円(+2.37%)
7.ドル円:7月11日:+2.32円(2.31%)
<急落>
1.日経平均:6月24日:-1,286.33円(-7.92%)
2.NYプラチナ:12月15日:-47.2ドル(-5.02%)
3.ドル円:6月24日:-3.85円(-3.63%)
4.国内プラチナ:1月12日:-125円(-3.51%)
5.NYダウ:6月24日:-611.21ドル(-3.39%)
6.NY金:11月11日:-42.1ドル(-3.32%)
7.国内金:11月14日:-122円(-2.63%)
<絶対値平均>
1.NYプラチナ:11.8ドル(1.20%)
2.日経平均:184.88円(1.11%)
3.国内プラチナ:35円(0.94%)
4.NY金:9.1ドル(0.73%)
5.ドル円:0.625円(0.58%)
6.NYダウ:99.37ドル(0.57%)
7.国内金:26円(0.55%)
絶対値平均を見ると、最もボラティリティが大きいのはNYプラチナ相場ですが、今年の急騰・急落局面での最大はいずれも日経平均。それも群を抜くレベルの騰落率を記録しました。2月15日は、日銀マイナス金利の悪影響懸念、月初の米指標悪化、追加利上げ観測後退などで株安基調が続いた後の反発局面。
NYダウの上昇率最大となった1月29日は、日銀マイナス金利導入決定の日。年初からリスオフの流れが続いた後、日銀のサプライズ発表に市場はリスクオンで反応しました。円高ドル安のリスクオフの流れが急速に進行した年前半、戦犯の一つにも挙げられた日銀マイナス金利は、その決定発表後数日間は市場に好感されていました。
NYプラチナの上昇率最大、3月4日は米2月雇用統計発表の日。平均時給が予想外の前月比マイナスへと落ち込んだことにより、利上げ見送り観測が強まりました。
国内プラチナ価格が最も急騰した7月28日は、英国のEU離脱が決定した6月24日にリスク資産が今年最大の下落率を記録し、その後も続いたリスオフ局面が終息し、年内利上げも見送りか、というレベルまで利上げ観測が後退し、国内では日銀追加緩和と政府の経済政策期待が高まり、円安とNYプラチナの上昇局面が一致した日。
NY金相場の今年最大の下落日は11月11日、トランプ相場のスタートダッシュ局面形成期。この影響を受けて翌週明けの14日に国内金価格も今年最大の下落率を記録しました。
ただし、NY金相場はEU離脱の日に今年第2位の急騰を記録したのに対し、トランプラリーでの急落はブレグジット時のNYダウの下落率よりも控えめとなっていました。
年前半の上昇幅の大半を帳消しにしてしまったNY金の弱気相場は続いてはいますが、下落局面では比較的よく耐えた2016年、とも言えそうです。
20日のNY金相場は0.8%安となって3日ぶりの反落。現状維持となった日銀金融政策発表後のドル高円安の流れを受けて軟調推移。NY市場では2万ドルトライへと向うNYダウの勢いに押されるように一段安。直近安値、15日の1124ドルに迫る1127ドルまで下げての反発も1130ドルまでと限定的に。FOMC後に一段下げた水準での保合い形成の動きとなり、目先の抵抗水準は1140ドル台へと切り下げ。軟調な流れから抜け出し切れない状態のなか、ここを上抜けできれば1170ドル付近までの反発も可能か。安値更新へと動き出すと1110ドル近辺から1100ドルまでが次なる下値目安に。
NYプラチナ相場は0.73%の反発。乱高下状態の余韻が続き、この日もNY市場での下落局面では900ドル付近まで20ドル弱の大幅下落。しかし、その後の反発局面では920ドルまでの急反発。流れは金との逆行状態が続き、上向き優勢の状況ながらもいかんせん、落ち着かない値動き。目先は910ドル台半ばが下方向への節目となり、割り込むと2月安値850ドル付近までが意識され、上方向には930ドル半ばが抵抗水準。抜け出すと1000ドルの大台近辺を目指すような流れがスタートする可能性も。
ドル円は3日ぶりの反発で0.63%のドル高円安。予想通りの日銀現状維持にも一安心の円安傾向へと反発基調。黒田総裁会見でも「円安ではなくドル高」、「驚くような円安水準ではない」など言葉尻を捉えての都合の良い解釈で円安基調継続、118円20銭台まで上昇。黒田総裁が何を語っても円高に振れていた今年前半から、単なる事実を語っても円安材料としてしまうマーケットの反応がセンチメントの変化を象徴。但し、NY市場では株高の流にも追随し切れず、調整優勢の展開に。目先、117円から118円前半の小幅保合いを形成し、上限突破なら119円台から120円の大台トライの展開も。117円を割りこめば116円割れへと調整幅拡大へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/20終値とチャート
21日の国内金価格はわずかに3円、0.07%の小反発。11月半ば以降の平均騰落状況は絶対値平均で14円、0.29%まで縮小。異例の長期・小幅三角保合いは続き、4610円から4580円が目先、上下の節目水準。ある日、突然訪れる相場急変の動きが上方向なら当面の上値最大目標は9月高値、4720円台。下方向なら、当面の下値最大目標は10月安値、4470円台。
プラチナ価格は0.46%の小幅反発。ボラティリティは縮小の兆しもゆるやかな上昇基調をなんとか維持。しかし、このまま直近高値を超えられない日々が続くようだと失速状態から反落方向へと流れが逆転する可能性。当面の上値目標3810円台辺りを維持し、3690円台に切り上げた節目を割れると3600円近辺までの反落局面形成も。
※参考:金プラチナ国内価格12/21とチャート
- 2016年12月21日(水)時点の相場
-
国内金 : 4,589 円 12/21(水) ▲3(0.07%) 国内プラチナ : 3,712 円 12/21(水) ▲17(0.46%) NY金 : 1,133.6 ドル 12/20(火) ▼9.1(0.80%) NYプラチナ : 924.0 ドル 12/20(火) ▲6.7(0.73%) ドル円 : 117.84 円 12/20(火) ▲0.74(0.63%)
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