金プラチナ短期相場観
国内プラチナ価格のダイアゴナル・トライアングル
更新日:2018年4月9日(月)
国内プラチナ価格は今年高値、1月22日の3843円をピークに急落局面が続き、週足チャート上では上値を急速に切り下げる展開となっています。その一方で2016年12月安値と2017年6月安値、2017年12月安値を結ぶ緩やかな下落基調を描くラインとで下向きの斜行三角形、中期ダイアゴナル・トライアングルを形成しています。
また、このなかで2月半ば以降はさらに狭い範囲で鋭角的な、短期ダイアゴナル・トライアングルの保ち合いを形成してきました。
トレンドの終盤で形成しやすく、流れが反転する可能性も高まるダイアゴナル・トライアングルの狭いほうを、今朝時点では抜け出した形となっています。今週末時点で現状水準以上を維持できるなら、短期的な急落局面を終えた可能性は高まりますが、中期的には3400円台後半を通過する年初来の抵抗線を上抜けるこことができるかどうかが重要となります。
また、長期的には2016年1月と10月、そして今回の安値で三番底をつけた可能性もありますが、それぞれの時期に3400円以下の水準で推移した日数を比較して見ると、
1)2016年1月安値(19日)3334円の時:1月18日から22日までの5日間、VWショック後のNYプラチナ大底のタイミング。
2)2016年10月安値(24日)3352円の時:10月12から25日までの10日間、ブレグジット後の急騰後の急反落、米大統領選前・利上げに向けての警戒感などが高まった時期。
3)2018年4月安値(5日)3370円:4月4日から6日までの3日間、米中貿易摩擦懸念、朝鮮半島リスク緩和、自動車EV化の波加速などが背景。
現時点で今回は最短日数で3300円台から脱した形となっていますが、過去2回はいずれも直後に大幅上昇で水準を切り上げています。今回も大底をつけたのなら、まもなく大幅上昇局面を迎える可能性もあり、3500円台を回復するような流れとなることも考えられますが、背景的には一朝一夕に不安解消となる状況とも考え難く、まだしばらく上値の重い状態が続く展開も警戒されます。
中期ダイアゴナル・トライアングル継続なら、3300円台前半へと水準を切り下げる可能性への警戒感も残されます。
9日のプラチナ価格は0.83%の続伸で4月3日以来の3400円台回復。NYプラチナは先週末に910ドルの安値を何度も試して反発し、今朝の時間外には920ドル半ばをうかがう展開となり、パラジウムも890ドルの安値をつけて900ドル台を回復するなど自律反発の勢いがやや強まる状況。国内プラチナ価格も地合い好転の兆しとなり、5日の3370円が当面の大底となって反発基調が進行しやすくなる可能性も。目先は3450円台の節目水準を回復できるかどうかがトレンド好転への分岐点にも。ただし、再度安値更新となった場合には2016年安値を試しに行く展開となる可能性も。
国内金価格も年初から上値を切り下げ、しかし下値は2017年3月と7月安値、そして今年3月安値を結ぶ、ゆるやかな右肩上がりのサポートラインとで、中期三角保ち合いを形成しています。
足下では52週移動平均線(4909)の水準をほぼ回復し、中期三角保ち合い上抜けをかけた攻防局面を迎えています。今週上抜けに向けては20週移動平均線(4943)突破が目安となり、現状水準維持でも次週には上抜けとなり、新たなトレンド形成へと次の局面を迎えることにもなりそうです。すぐに上抜けできない場合、下方向には4800円近辺が当面の重要なサポートラインとなります。
9日の国内金価格は先週末からわずかに1円安で3営業日ぶりの反落。やや低調となった先週末の米雇用統計と不透明感増す米中貿易摩擦への警戒感から、週明け時間外のNY金も東京市場の為替もほぼ先週末水準を維持する状態となり、国内価格もほぼ横ばい推移。今年安値となった3月19日の4792円を起点にゆるやかな反発基調は継続も、年初来下落幅の38.2%戻し(4920)手前で一服状態。この水準が抵抗帯となる前に突破できれば50%戻しの4960円近辺に向けて一段高の展開も、抵抗感が強まると4850円までのレンジで保ち合い形成に。さらにこの水準を割り込むようなら下値トライ再開で今年安値との2番底形成も。
※参考:金プラチナ国内価格4/9とチャート
- 2018年4月9日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,908 円 4/9(月) ▼1(0.02%) 国内プラチナ : 3,402 円 4/9(月) ▲28(0.83%) NY金 : 1,336.1 ドル 4/6(金) ▲7.6(0.57%) NYプラチナ : 917.5 ドル 4/6(金) ▲2.2(0.24%) ドル円 : 106.94 円 4/6(金) ▼0.50(0.47%)
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