金プラチナ短期相場観

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米インフレ期待は3年ぶり3%、中立金利水準到達で安定推移に

更新日:2018年9月12日(水)

NY連銀消費者調査・インフレ期待 2018年8月米8月のNY連銀消費者調査では、1年期待インフレ中央値は3.00%。4月から7月までの4カ月間2.98%の横ばい推移となった後、わずかに上昇して2015年6月(3.0%)以来、3年2カ月ぶりの高水準となっています。
3年期待インフレ中央値も6月に3年ぶりに3.0%到達後、7月は2.88%へと低下、8月には再び3.0%へと反発した状態。
また、ミシガン大が発表した1年インフレ期待値も6月時点で3.0%に到達し、2015年3月以来3年3カ月ぶりの高水準となり、7月には2.88%へといったん低下後、8月には再度3.0%へと上昇。

市場が予想する1年後のインフレ率は3年ぶりに3.0%まで上昇し、この水準で落ち着き始めた様子です。
6月FOMCでのFF金利の長期見通し、景気に対して緩和的でも引き締めでもない中立金利水準は2.9%。この水準ともほぼ一致します。

今年あと2回の追加利上げでFF金利は2.25-2.50%。来年さらに2回の追加利上げで2.75-3.00%。早ければ来年6月にも中立金利に到達することになります。
ただし2019年末見通し中央値は3.1%なのでこの予想どおりなら来年は3回の追加利上げで3.00-3.25%にも、2020年末予想中央値3.4%到達のためには、2020年にさらに1回の追加利上げでFF金利は3.25-3.50%にも。
しかし、中立金利を超えてさらに利上げする為にはインフレ加速が前提となります。現時点ではCPIが8月に2.8%となっていますがPCEインフレは7月時点で2.3%。パウエルFRB議長の発言どおり、インフレがさらに加速する兆候はまだ見られない状況でもあります。

FOMCメンバ内でも中立金利以上にFF金利を引き上げるべきではない、との見方も台頭しています。
9月FOMCでは、市場予想にもほぼ一致している中立金利見通し水準、FF金利の長期見通しの水準が切り上げられるのかどうか、その動向も注目されます。

NY金・日足チャート 2018/8/7 - 9/1111日のNY金相場は+2.4ドル、0.2%の小幅高で3日ぶりの反発。NY朝には米10年債利回り上昇とドル高の流れがやや強まったことで2週間ぶり安値圏となる1190ドル前半まで下押しも長続きはせず、ドル高失速とともに切り返す展開となって1200ドル付近の保ち合いへと回帰。下方向への行って来いとなって下ヒゲ陽線を形成し、攻防が続く20日移動平均線(1201.0:下げ止まり!)をわずかに上抜け。ただし上値も1200ドル台半ばまでと限定的にとどまり、下攻めに失敗しただけのような形にも。ドルインデックスが95ポイント台前半での保ち合い推移の様相となっており、NY金は引き続き1200ドルをはさんでの保ち合い推移で上下双方向へのブレイク待ち状態。抜け出した方向へ最大50ドル程度の変動を見込んだ流れとなる可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2018/8/7 - 9/11NYプラチナ相場は-0.7ドル、0.09%の小反落。NY朝の下押し局面では780ドルを割れず、反発後の高値では795ドルを超えられず、縮小してきたレンジの上下限を確認するような動きに。金と同様に攻防が続く20日移動平均線(788.6)をわずかに上回ったものの、20日線自体はまだ下げ止まらず。ただ、足下では下値を切り上げる形となっており、徐々に足下を固める動きのようにも。上下双方向に大きく動き出す前段階の様相は今年ここまで何度も繰り返してきたパターンであり、これまではことごとく下方向への急落となっていたが。

ドル円・日足チャート 2018/8/8 - 9/11ドル円は50銭弱のドル高円安となって3日続伸、2週間ぶりのドル高円安水準に。米10年債利回りが8月2日以来、5週間ぶりに2.98%台へと上昇したことで日米金利差拡大の流れが続き、円安基調をサポート。米中貿易戦争での追加関税への警戒感はくすぶるものの、一服状態で米株も日本株も堅調に推移したこともサポート材料となってリスクオンの流れ。111円台半ばの保ち合い上限を上抜けの兆しとなり、今朝の東京市場では日経平均反落の流れにも連れてやや上げ渋る状態も、111円台後半へとしっかり抜け出すことができれば円安方向への流れが進行する可能性は高まり、当面の上値目標は113円30銭台の今年高値更新トライも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/11終値とチャート

12日の国内金価格は+21円、0.46%の続伸。下げ止まった21日移動平均線(4568)にサポートされ、まだ下げ止まらない9日移動平均線(4585)を上抜けて2週間ぶり高値水準となり、直近高値6日の4602円もわずかに上抜け。上方視界が開けたことで上昇局面がもう一段進行する可能性、当面の上値目標は4月高値から8月安値までの38.2%戻しとなる4661円。ただし、NY金の上昇トレンドに連れての流れとなっていないことがネック、遅れてNY金が上方ブレイクするか、保ち合い継続のまま円安継続が条件となり、目標到達確率は現時点ではあまり高くはない、と言わざるを得ない状況か。

プラチナ価格も+22円、0.73%の続伸。8カ月続落と6年連続下落回避に向けて8月終値3029円を上抜けて9月高値を更新。前日までの9月高値、6日の3028円をしっかりと上抜けたことで上値トライの流れが進行しやすくなり、当面の上値目標は8月末高値圏となる3090円近辺まで。ただし、金と同様でNYプラチナの横ばい推移が続く状態ではサポートされず、目先は円安頼みの状況に。
※参考:金プラチナ国内価格9/12とチャート

2018年9月12日(水)時点の相場
国内金4,606 円 9/12(水) ▲21(0.46%)
国内プラチナ3,040 円 9/12(水) ▲22(0.73%)
NY金1,202.2 ドル 9/11(火) ▲2.4(0.20%)
NYプラチナ789.3 ドル 9/11(火) ▼0.7(0.09%)
ドル円111.60 円 9/11(火) ▲0.47(0.42%)

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