金プラチナ短期相場観

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住宅着工件数は8月に急増も長期平均には届かず

更新日:2018年9月20日(木)

米・住宅着工件数と建設許可件数 2018年8月米商務省が発表した8月の住宅着工件数は128.2万件。市場予想の123.8万件程度を大きく上回り、7月の117.4万件からも9.2%の大幅増、5月(132.9)以来3カ月ぶりの水準へと急回復した形です。
ただし、最近のピーク水準130万件台には届かず。6カ月平均では126.08万件となり、2007年11月以来10年半ぶり高水準となった今年5月の129.43をピークに3カ月連続の低下。
また、着工件数の1959年以降の長期平均は143.3万件。長期平均を大きく下回る水準での伸び悩み状態は続いています。

そして、住宅着工件数の先行指標となる、着工許可件数は122.9万件。市場予想の131万件程度を大幅に下回り、7月の130.3万件からも5.68%の大幅減、昨年5月(120.5)以来1年3カ月ぶりの低水準。これも6カ月平均では131.1万件となり、2007年9月(138.6)以来10年7カ月ぶり高水準となった今年4月の134.6万件をピークに4カ月連続の減少で昨年12月(130.0)以来、8カ月ぶりの水準となっています。
許可件数の1960年以降の長期平均は135.6万件。これも長期平均には及ばない水準で失速した状態です。

足下では、米10年債利回りが5月以来の3%台へと上昇し、30年債利回りも4カ月ぶりに3.2%台へと急騰しており、住宅ローン金利のさらなる上昇も懸念されます。
米住宅市場は業界の景況感ピークアウト懸念とともに着工件数のピークアウトも警戒される状態が続きます。

NY金・日足チャート 2018/8/15 - 9/1919日のNY金相場は+5.4ドル、0.45%の反発。9月12日(1210.9)以来1週間ぶりの高値水準。時間外に1200ドル台前半から後半へと水準を切り上げ、NY市場では一時1210ドル超えも一時的にとどまり、変動値幅は今年の平均13.2ドルに対して2日連続で9ドルにも満たない小動き。メイ英首相がアイルランド国境問題に関するEU側の修正案を拒否したことが伝えられると合意なきEU離脱懸念再燃でポンド急落が主導するリスク回避的な動きにもドル買いも進まず、むしろドル安基調で金も底堅く推移。1200ドルの大台ラインで足場を固める状況のようにも。ただし米長期金利が3%を超えて堅調推移の兆しとなり、上値の重石にも。4月高値から8月安値までの23.6%戻し(1214.8)を超えると保ち合い上抜けで上昇基調加速、心理的節目となる1250ドルを目指す展開へ。1200ドルの大台から1190ドル台半ばまでのサポート水準を割れると今年安値更新で1150ドル台も意識される展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2018/8/15 - 9/19NYプラチナ相場は+7ドル、0.86%高で3日続伸。8月10日(829.6)以来1カ月ぶりの水準となり、1月高値から8月安値までの23.6%戻し(821.2)に到達、8月急落前の保ち合い下限付近の水準を回復。ドル安基調で新興国通貨の買い戻しも進行し、南アランドの反発基調にもサポートされた様子。金との価格差もピークの428.3ドル(7月2日)から386.4ドルまで急縮小、8月9日(385.8)以来の水準に。キリの良い水準に到達したことと金が保ち合い推移から抜け出せないことなどから一服感も生じやすいところ、それでも8月急落前の保ち合い上限付近で心理的節目となる850ドルを目指す上昇トレンド継続へ。

ドル円・日足チャート 2018/8/16 - 9/19ドル円はわずかに5銭程度のドル安円高となって小反落。この日の値幅は112円10銭台から40銭台までの30銭弱。30銭に満たない小動きは今年4回目で平均値幅70銭の半分以下。ドル安円安基調が続くなか、米10年債利回りが5月以来4カ月ぶりの3%台での推移となり、日米10年債金利差とドル円との30日相関係数は0.78台、短期的な相関性は急速に強まる状態。次週FOMCでの金利見通しが今後の米長期金利とドル円の動向を大きく左右しそうな状況に。本日午後には安倍首相の3選決定が確実視され、これを事前に織り込んで日経平均は買われ過ぎの感もあるものの、ドル円には多少の買い材料にも。ゆるやかな上昇トレンド継続で113円台を目指す流れ継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/19終値とチャート

20日の国内金価格は+13円、0.28%の続伸。8月8日(4652)以来、6週間ぶりの高値となり、8月半ばの急落前の水準を回復。NY金の保ち合い推移が続き、緩やかな円安基調にサポートされての堅調推移。この状態がもうしばらく続くようなら、先週末高値をしっかりと超えてきたことによる短期上値目標4680円台辺りまでは上値を伸ばす展開に。

プラチナ価格は+39円、1.25%の大幅続伸。上値目標3140円台を余裕でクリアし、8月10日(3186)以来の高値水準となり、8月急落前の水準を回復。1月高値から8月安値までの23.6%戻し(3131)を超えたことで反発基調も本格化、中期的には38.2%戻し(3267)と7月高値(3265)付近が次の上値目標にも。ただし短期的には上値目安のオーバーランとNYプラチナの上昇一服の可能性から調整の動きにも。それでも23.6%ラインを維持できれば、中期的な流れも好転し、再度上値トライのチャンスも。
※参考:金プラチナ国内価格9/20とチャート

2018年9月20日(木)時点の相場
国内金4,650 円 9/20(木) ▲13(0.28%)
国内プラチナ3,169 円 9/20(木) ▲39(1.25%)
NY金1,208.3 ドル 9/19(水) ▲5.4(0.45%)
NYプラチナ821.9 ドル 9/19(水) ▲7.0(0.86%)
ドル円112.27 円 9/19(水) ▼0.06(0.05%)

9/19(水)のその他主要マーケット指標

離職率と転職者の賃金上昇が牽引する平均賃金上昇率 9/21(金)

住宅着工件数は8月に急増も長期平均には届かず 9/20(木)

高水準のNAHB住宅市場指数は11カ月ぶり低水準で横ばい 9/19(水)

9月NY連銀製造業景況指数は堅調維持も5カ月ぶりの水準へと減速 9/18(火)

ミシガン大消費者信頼感指数は2004年以降3番目の高水準へ急反発 9/15(土)


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