金プラチナ短期相場観
ドイツ製造業PMI、第2四半期も底打ちは微妙に?
更新日:2019年4月19日(金)
ドイツ製造業PMIが急低下のネガティブ・サプライズとなって逆イールドを招いてから1カ月、反発も予想されたドイツ製造業PMIの4月速報値は44.5。
6年8カ月ぶり低水準となった3月の44.1こそ上回ったものの、市場予想の45.0を下回る小幅上昇にとどまり、2012年半ば以降で2番目の低水準。失望感からのユーロ売りが強まり、ユーロドルは1.1300ドルから1.1260ドルまで急落。15分前に発表されたフランスの製造業PMIが市場予想を下回る49.6と2年8カ月ぶり低水準となっていたこともあり、その後発表されたユーロ圏の製造業PMIも47.8と市場予想に届かず。結果、ユーロ圏は3カ月連続、ドイツは4カ月連続の節目50割れとなり、底打ちの可能性と見るにはやや厳しい結果に。
ユーロドルは一時1.1240ドル台まで軟調推移。リスク回避のドル高円高となってドル円も一時111円70銭台まで下落、米長期金利も低下、1270ドル台前半まで水準を切り下げていたNY金は1270ドル台後半へと反発。
なお、ドイツのサービス業PMIは4月速報で55.6、4カ月連続上昇で7カ月ぶりの高水準。製造業の弱さを相殺する構図が継続。
総合PMIも5年9カ月ぶり低水準となった3月の51.4から52.1へと上昇。ドイツの民間部門の景気は緩やかな成長を持続も、長期平均53.4を下回る低水準の状態が6カ月間続いています。
ドイツ製造業の生産指数は3月からは上昇も3カ月連続で節目50割れの縮小状態が継続。新規輸出注文の減少ペースが過去10年間で2番めとなったことが低迷状態を牽引。
受注残の減少ペースも2013年6月以降で最大の急減となり、今後の回復基調への見通しもままならない状況です。
企業からは「自動車産業の衰退、欧州全域での競争激化、世界的な需要低迷」などが指摘される状況も続いているようです。
なお、日本の製造業PMIは4月速報で49.5。3月の49.2からは上昇も、2年8カ月ぶり低水準となった2月(48.9)から3カ月連続の節目50割れ。
米国の製造業PMIも1年9カ月ぶり低水準となった3月の52.4から横ばい推移。
欧州発、ドイツ発の世界景気減速懸念を払拭しきれない状況のまま、第2四半期がスタートしています。
18日のNY金相場は-0.8ドル、0.06%の小幅安で4日続落。わずかながらも連日の年初来安値更新となって4カ月ぶり安値圏での推移。時間外では東京時間に1270ドル台前半へと値を下げて欧州時間には低調となったドイツ・ユーロ圏製造業PMIを受けての反発もドル高が重石となって1280ドルには届かず。NY市場では3月小売売上高が前月比+1.6%と1年半ぶり高水準、失業保険申請件数も49年半ぶり低水準となるなど好結果が目立ち、4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を下回る8.5にとどまったことを相殺して1270ドル台半ばへと軟調な展開に。それでもドル高と米長期金利の上昇も限定的となったこともあり、NY引けにかけては1270ドル台後半へと持ち直し。しかし、グッドフライデーからの3連休前で値動きは限定的、前日を下回る小動きとなって安値圏での十字線を形成。反発への可能性も示す足型にはなったものの、短期トレンドは下向き継続で月末にかけての米指標でも好結果が続くなどしてドル高の勢いが強まるようだと一段安の展開にも。当面の下値目標1240ドル近辺も維持。
週間ベースでは-19.2ドル、1.48%安となって4週続落。4週続落は2017年10月以来、1年半ぶり。
NYプラチナ相場は+12.4ドル、1.39%の大幅続伸。直近の下落局面は880ドルまでで終えて切り返した形に。この日の安値は時間外での880ドル台半ばまでにとどまり、NY朝には一連の米指標好結果を受けて株高の流れにも追随する形となって急騰。NY午後には900ドルの大台を回復し、引けにかけては900ドル台後半へと一段高。880ドルから910ドルまでが目先の主要レンジとなり、下値を右肩上がりの20日移動平均線(880.0)にサポートされる状態が続くようなら上値トライの展開にも。910ドル超へと抜け出せば上値目標940ドルを目指す流れにも。ただし880ドル割れなら850ドル前後までが下値目安にも。水平からわずかに上昇基調となってきた200日移動平均線(827.4)を今週、一足先に上昇基調となっている90日移動平均線(830.7)が上抜け、中長期的な地合いの強さを示す状態にも。
金との価格差も最大となった2月11日の525.3ドルから大幅縮小、372.3ドルとなって5カ月ぶりの水準に。
週間ベースでは+5.2ドル、0.58%の反発。
ドル円はわずかにドル安円高となって3日ぶりの小反落。しかし4日連続で騰落値幅は10銭未満、変動値幅は20銭前後にとどまり、112円ちょうどをはさんでの膠着状態が継続。欧州時間にはドイツとユーロ圏の製造業PMIが予想を下回るとリスク回避の流れとなってこの日の安値111円70銭台まで下落、米3月の小売売上高などの好結果には112円台へと急上昇も上値も限定的に。米個人消費の好調はプラス材料もユーロ圏の悪材料が円高圧力にもなり、米10年債利回り上昇の勢いも減速、ドル円は膠着状態長期化で上値トライに向けた勢いも徐々に減速、月末に向けての指標結果次第で上値トライ再開への可能性も、112円10銭台の上限を超えられない状態が続けば売り圧力が強まる状態への警戒感も。下値は20日移動平均線(111.26)辺りまでが当面のサポート水準にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/18終値とチャート
19日の国内金価格は-2円、0.04%の小幅安となって6日続落。6日続落となるのは昨年7月以来、9カ月ぶり。欧米市場がイースター休暇入り状態となってボラティリティが低下していることが幸いし、3週間前の安値3月29日の4912円割れを回避。ただし、為替市場のみの状態となる週末、週明けもNY市場は再開も欧州市場は休場となり相場急変リスクへの警戒感も。4910円を割り込むことになれば月末にかけての一段安も警戒され、ゆるやかに上昇し始めた200日移動平均線(4797)近辺までが下値目標に。
週間ベースでは-56円、1.13%の続落。
プラチナ価格は+59円、1.72%の大幅続伸。昨年5月11日(3489)以来、11カ月ぶりの高値水準となり、昨年高値(3843)から安値(2911)までの61.8%戻し(3487)を達成。中長期節目水準3400円が当面のサポートラインとなる可能性を高める大幅高となり、小幅保ち合いを上方ブレイクしたことで、さらに上値を試す展開となる可能性も。3500円の大台を超えて3530円台程度までが当面の上値目標に。
金との価格差も急縮小で1428円となり、昨年11月以来5カ月ぶりの水準。
週間ベースでは+74円、2.17%の反発。
※参考:金プラチナ国内価格4/19とチャート
- 2019年4月19日(金)時点の相場
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国内金 : 4,916 円 4/19(金) ▼2(0.04%) 国内プラチナ : 3,488 円 4/19(金) ▲59(1.72%) NY金 : 1,276.0 ドル 4/18(木) ▼0.8(0.06%) NYプラチナ : 903.7 ドル 4/18(木) ▲12.4(1.39%) ドル円 : 111.99 円 4/18(木) ▼0.05(0.04%)
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