金プラチナ短期相場観
高水準の逆相関続くNY金とドル円、国内では円と金の相関
更新日:2017年5月15日(月)
週末には北朝鮮が今年7回目となる弾道ミサイルを発射し、過去最大規模とされる世界的なサイバー攻撃も発生、コミーFBI長官解任騒動から続くトランプ政権の内部混乱懸念再燃とも合わせ、市場はネガティブムードでの週明けを迎えることになりました。
ドル円は先週末の113円30銭台から113円10銭台へと水準を切り下げての東京市場週明けスタート。しかし、円高圧力はそれほど強まらず、円安方向へと持ち直す展開に。これに伴い、時間外のNY金も1230ドル台へと急騰スタート後に先週末水準1220ドル台後半へと押し戻される展開となっています。
ほぼ常に逆相関関係にある近年のNY金とドル円の推移は、90日間でも30日間相関係数でも非常に強い逆相関関係を示す状態が続きます。
昨年12月から今年4月までの間に、ドル円は1ドル=118.5円から108.5円まで10円の円高が進行しました。この間、NY金価格は1130ドルから1290ドルまで160ドル上昇しています。
4月以降は円安の勢いが一時的に強まり過ぎたか、あるいはNY金が比較的底堅かったのか、ドル円上昇幅(円安値幅)とNY金の下落幅には若干の違いもありますが、足下での戻り局面ではそれを修正するような値動きとなっています。
今年のドル円とNY金との変動比率は概ね1:16。ドル円が1円の円安となればNY金は16ドル下落し、1円の円高が進めばNY金は16ドル上昇することになります。
なお、2015年12月から2016年夏までの円高・金上昇局面での変動比率は1:14となっていました。
現状水準をドル円113円、NY金1225ドルとし、当面の値動きを1円:16ドルの比率で計算すると、
1ドル=112円までの円高が進行した場合、NY金は1240ドル近辺まで上昇することになり、111円までの円高なら金は1260ドル近辺まで上昇することになります。
逆にドル円が114円まで円安となった場合、NY金は1210ドル近辺まで下落し、115円までの円安ならNY金は1190ドル近辺まで下落する計算になります。
国内金価格は、1ドル=111円までの円高となった時には4810円程度まで値上がりし、115円までの円安となった場合には4730円程度までの値下がりが想定されます。
国内では、円高なら金高、円安なら金安の関係性、円と金の相関状態が続きます。
15日の国内金価格は0.1%の小幅反落。上昇を続ける90日移動平均線(4778円)に支えられての中期上昇トレンドが続くなか、短期的には9日移動平均線(4810円)が21日移動平均線(4817円)をデッドクロスする軟調地合い。ただし、足下では5営業日連続の4790円台での横ばい推移の状態で方向感喪失気味に。90日移動平均線を割りこんでしまうと下落基調優勢の展開となって3月安値4730円台が下値目安に。短期トレンド持ち直しに向けては21日移動平均線超えが必要に。
プラチナ価格は0.22%安となって3日ぶりの反落。90日から9日移動平均線と価格ラインが上から降順に並ぶ逆パーフェクトオーダーを形成しての急落局面からの反発の流れも9日移動平均線(3605円)に押さえられた格好。3600円から3610円近辺までは軽めの抵抗水準となって減速しやすいところ。流れは上方向優勢へと傾きつつあり、この水準を抜け出すことができれば3640円近辺までは比較的抵抗感なく上昇しやすい水準に。
※参考:金プラチナ国内価格5/15とチャート
- 2017年5月15日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,794 円 5/15(月) ▼5(0.10%) 国内プラチナ : 3,604 円 5/15(月) ▼8(0.22%) NY金 : 1,227.7 ドル 5/12(金) ▲3.5(0.29%) NYプラチナ : 917.5 ドル 5/12(金) ▼0.2(0.02%) ドル円 : 113.33 円 5/12(金) ▼0.53(0.46%)
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