金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏景況感指数は5カ月続落も下げ止まりの兆しも

更新日:2018年5月31日(木)

ユーロ圏景況感指数 2018年5月欧州委員会が発表した5月のユーロ圏景況感指数(ESI)は112.5となり、4月の112.7から0.2ポイントの低下。2000年10月(116.4)以来17年2カ月ぶりの高水準となった12月の115.2がピークとなり、5カ月続落となって昨年8月(111.6)以来9カ月ぶりの低水準となりました。ユーロ圏の景気減速の流れはまだ続いていることになります。

フランスが4月の110.2から5月は108.4へと-1.8ポイントの急低下、1年ぶりの低水準となったのに対し、ドイツは4月の112.6から112.7へとわずかに0.1ポイントの上昇。6年11カ月ぶり高水準となった1月の116.0をピークに3カ月連続低下となっていましたが、ようやく下げ止まり。
その他主要国ではオランダが1.2ポイントの上昇、スペインは1.2ポイントの低下、イタリアは1.0ポイントの低下。政局不安が懸念される国では景況感も減速し、北高南低の構図はここでも見られます。

なおユーロ圏の指数では、主要構成指数のうち小売と建設業が4月から上昇して景況感指数の下落基調鈍化に貢献。小売は前月から+1.4ポイントの上昇、建設業は前月比+2.4ポイントで1990年2月以来28年3カ月ぶりの高水準となっています。
サービス業は3カ月続落、製造業と消費者信頼感指数は反落。消費者信頼感指数は0.3から0.2へと小幅低下。

なお、ESIに含まれていない金融サービスの信頼感は、すべての要素の悪化(経営陣の過去の需要および過去の事業状況の評価)を反映し、-3.8ポイントの大幅低下となったようです。
ムーディーズがイタリアの銀行6行を格下げ方向で見直しているとも伝えられており、イタリア発の債務不安も若干警戒されるところです。

これまでユーロ圏の景気減速懸念によってECBの金融政策正常化先送りへの思惑からユーロが売られ続けてきましたが、ドイツの景況感減速に変化の兆しが見られたことで、今後は徐々に流れが変わる可能性もありそうです。

今後イタリアの銀行不安がそれほど拡大せず、政局不安も解消することになれば、その頃にはユーロ圏の景況感も回復基調を取り戻していることにもなりそうです。
そうなると、次に予想される大きな流れはFRBの利上げ打ち止め観測台頭とECBの利上げ観測再燃。そしてユーロ高ドル安基調となり、ドル高により上値を押さえられていた金の中長期トレンドにも大きな影響を及ぼすことにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2018/4/25 - 5/3030日のNY金相場は0.19%の小幅高で3日ぶりの反発。イタリアでは「五つ星」が経済相に推していたパオロ・サボーナ氏に指名辞退を要請し、一度は断念した組閣再トライの動きで再選挙回避の可能性も浮上。やや行き過ぎたイタリア政局不安の巻き戻しとなり、売られ過ぎていたユーロは対ドルで1%超の大幅反発となり、勢いを増していたドル高の流れも巻き戻されて金をサポート。1300ドルをはさんでの小動きにとどまったものの、流れは反発方向優勢の状態となり、保ち合い上限となっている1300ドル台を上抜けると1330ドル近辺までは上値を伸ばす可能性も。下方リスク要因としては、今年合計4回の利上げ織り込み度合いが25%程度まで後退していること。インフレや雇用統計などの米主要指標でポジティブな結果が見られると利上げペース加速の思惑再燃となって売り要因にも。

NYプラチナ・日足チャート 2018/4/25 - 5/30NYプラチナ相場は0.29%の小幅続伸。リスク回避の巻き戻しとドル高の巻き戻しで方向感が出にくい金に連れての小動きも比較的堅調な展開となり、900ドル台でジワリと下値を切り上げて攻防が続く20日移動平均線(906.0)を上抜け。強めの抵抗水準となる910ドル台前半を上抜けることができれば960ドル程度を目指す上昇トレンド形成も。米指標結果を受けて金が軟調な展開となれば足場を固めつつある900ドルラインとの攻防、割り込むようだと大幅安の展開で目標水準は850ドル近辺も。

ドル円・日足チャート 2018/4/26 - 5/30ドル円は0.27%のドル高円安で反発。イタリア政局への警戒感緩和によるリスク回避の巻き戻しで円高ドル高の巻き戻しとなり、ドル円ではゆっくりとドル高円安の流れが進行。米5月ADP雇用者数や1-3月期GDP改定値などが予想を下回ったことによる影響は限定的となり、NY市場では一時109円台を回復。しかし109円台では上値も重く、戻り売りの展開となって今朝の東京市場では再び108円台半ばまで下落。目先は108円台後半が主要レンジとなって雇用統計などの米指標結果次第の展開に。下方向には引き続き107円台半ば辺りまでは下げやすく、予想外の好結果などをきっかけに110円近辺までは上値を伸ばす可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/30終値とチャート

31日の国内金価格は0.27%の小幅高となって4日ぶりの反発。円高の巻き戻しとNY金の反発も限定的となり、反発の勢いに乏しく下落基調のなかでの戻りの範囲内。目先は4850円台まで若干の下落余地を残す状態が継続。週末にかけての米指標結果がそれほどポジティブとならなければ、6月利上げを織り込んで徐々に短期トレンド反転方向にも。
月間ベースでは-74円(1.49%)で反落。

プラチナ価格は0.06%の小反発。短期下値トライの流れが続くなか、NYプラチナの保ち合い状態にサポートされて今年安値圏での下げ渋り。サポートが途切れると今年安値更新と3350円台辺りまでを試しに行く可能性。反対にサポート力が強まって押し上げられた場合には3440円が抵抗水準。超えると短期トレンド好転となって3510円台辺りまでが上値目標にも。
月間では-16円(0.47%)の小幅安となり、4カ月続落。
※参考:金プラチナ国内価格5/31とチャート

2018年5月31日(木)時点の相場
国内金4,877 円 5/31(木) ▲13(0.27%)
国内プラチナ3,398 円 5/31(木) ▲2(0.06%)
NY金1,301.5 ドル 5/30(水) ▲2.5(0.19%)
NYプラチナ908.5 ドル 5/30(水) ▲2.6(0.29%)
ドル円108.88 円 5/30(水) ▲0.29(0.27%)

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