金プラチナ短期相場観

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コアPCEも6年ぶりに目標2%到達もさらなる加速の兆しなし?

更新日:2018年8月31日(金)

個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)2018年7月米商務省が発表した7月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.3%。6月の+2.2%からさらに上昇し、2012年3月(2.4)以来6年4カ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+2.0%で6月の+1.9%からは上昇。いずれも市場予想どおりの結果に。

コアPCEを小数点以下2桁で見ると、7月は1.98%となり、3月(1.96%)、5月(1.95%)と並び、2012年4月(2.04%)以来、6年ぶりに目標2%にほぼ到達した状態となり、今年最高で6年3カ月ぶりの高水準。しかし、厳密には目標2%にわずかに届いていません。

内訳では、商品価格が前年比+1.4%で3カ月連続横ばい推移、サービス価格は2.6%が3カ月続いた後に7月は2.7%へと上昇し、4カ月ぶりの高水準。エネルギー価格は1年5カ月ぶりの高水準となりましたが6月の13.0%から7月は13.4%と小幅上昇。

インフレ基調は目標の2%近辺に到達したものの、パウエルFRB議長の言う通り、今のところはさらなる加速の兆しは見られないようです。
新興国通貨安や米中貿易戦争激化懸念など、他の様々な要因もありますが、9月の利上げ織り込み率は98%で変わらず、12月の追加利上げは75%から70%へと若干低下しました。


NY金・日足チャート 2018/7/27 - 8/3030日のNY金相場は-6.5ドル、0.54%安となって3日続落。前日NY引け後に1210ドル台半ばまで上昇したのがこの日の高値となり、ドル高優勢の流れに軟調な展開となって1週間ぶり安値水準に。アルゼンチンでは政策金利を45%から60%へと15%引き上げてもアルゼンチンペソ売りはとまらず一時1ドル=40ペソ超へと最安値を更新。トルコリラも急落した13日以来の安値圏、インドルピーも最安値更新、南アランドも16日以来の安値圏へと新興国通貨売り再燃となり、ドル高の流れが強まったNY朝には金も10ドルほどの急落。しかしトランプ米大統領が中国への2000億ドル相当の追加関税を予定どおり来週実施の意向などが伝えられると株安とともにドル安へと切り返したこともあり、NY金は1200ドル割れを回避。今朝の時間外では1200ドル台半ばで20日移動平均線(1206.2)にかろうじて引っ掛かる状態。ここを割り込むと反落基調がやや優勢となりそうな状況に。目先、1190ドルの節目ではサポートされそうだが、これを割り込んでしまうと1160ドル台今年最安値更新トライへと向かう可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2018/7/27 - 8/30NYプラチナ相場は-4.8ドル、0.6%の反落。抵抗線となった20日移動平均線(803.0)を超えられないまま、800ドルラインにも届かずに上値を切り下げる形となって1週間ぶり安値圏へ。それでもNY朝に一時的に790ドルを割れただけ、と790ドルラインでの底堅さも。三角保ち合いの様相となり、反発基調再開か、下値トライ再開かという状況に。20日線を超えると目先820ドル台辺りまで上値を伸ばす可能性、790ドルを割れると770ドル台の重要なサポート水準との攻防にも。

ドル円・日足チャート 2018/7/27 - 8/30ドル円は70銭超のドル安円高となって3日ぶりの反落。欧州時間にはドル高円高、NY時間にはドル安円高の流れでほぼ一方的に軟調な展開で1週間ぶりのドル安円高水準に。新興国通貨危機懸念と米中貿易戦争激化懸念によって112円台トライに向けた流れは巻き戻され、サポートラインに切り替わっていた20日移動平均線(110.97)との攻防状態に。今朝の東京市場では111円割れへと軟調な流れとなりつつあったところで中国の8月製造業PMIが予想を上回ったことも好感されていったん反発。しかしこれも一時的の様子も。このまま111円割れとなれば21日安値、110円割れの水準を下値目安に円高進行余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/30終値とチャート

31日の国内金価格は-53円、1.14%の大幅反落。下落基調収束の兆しとなっていた21日移動平均線(4586)を押し下げる形となり、これも下抜けて1週間ぶり安値圏へ。切り上げてきた下値の直近4590円台を割り込んでしまったことで反発局面一服となり、調整局面形成へと向かう可能性。目先の下値目安は4540円近辺まで。切り返して4630円台の攻防ラインを突破できれば反発基調再開で4700円台回復を目指す流れにも。
週間ベースでは+40円(0.88%)で続伸、月間では-99円(2.12%)となり、4カ月続落。4カ月続落は2012年6月以来、6年2カ月ぶり。

プラチナ価格は-40円、1.3%の大幅反落。下落基調が続く21日移動平均線(3074)にまたも上値を押さえられ、中期下落トレンド転換に向けた短期反発基調も一服。3040円の押し目を下回ったことによる調整局面拡大の目安は次の押し目形成水準2980円近辺。切り返して3070円の節目を超えると3140円台を目指す流れ再開も。
週間では+50円(1.6%)で続伸。月間では-148円(4.66%)となって7カ月続落、リーマン後の最長記録を更新。
※参考:金プラチナ国内価格8/31とチャート

2018年8月31日(金)時点の相場
国内金4,581 円 8/31(金) ▼53(1.14%)
国内プラチナ3,029 円 8/31(金) ▼40(1.30%)
NY金1,205.0 ドル 8/30(木) ▼6.5(0.54%)
NYプラチナ791.8 ドル 8/30(木) ▼4.8(0.60%)
ドル円111.01 円 8/30(木) ▼0.72(0.64%)

8/30(木)のその他主要マーケット指標

8月ユーロ圏景況感指数は1年ぶり、E-coinは1年9カ月ぶり低水準 9/1(土)

コアPCEも6年ぶりに目標2%到達もさらなる加速の兆しなし? 8/31(金)

米7月中古住宅販売成約指数の前年比マイナスは7カ月連続 8/30(木)

賃金指数はダラス連銀11年ぶり、リッチモンド連銀は過去最高 8/29(水)

ドイツIFO景況感指数は期待値急回復でユーロ反発基調もサポート 8/28(火)


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