金プラチナ短期相場観

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ゼロ賃金の割合は急低下、米労働市場の回復加速を示唆?

更新日:2021年4月20日(火)

ゼロ賃金の割合 2021年3月アトランタ連銀が先週末に発表した3月の賃金上昇トラッカー(個人時給の中央値を前年比3ヵ月平均で示した数値)は前年比+3.4%。12月から4ヵ月連続での横ばい推移となっています。昨年4月には1年9ヵ月ぶり低水準となる3.3%まで低下し、7月には1年ぶり高水準となる3.9%まで上昇しましたが、このわずか0.6%のレンジ内推移がこの2年半余り、続いています。
乱高下状態となっている雇用統計の平均時給に対し、中央値で見ると比較的安定推移となっています。

ただし、中央値で見る賃金上昇率も、2008-2009年の金融危機、2001年のリセッションの時には急低下していました。
そして、賃金上昇率の急低下と反比例するように、ゼロ賃金(賃金上昇率+-0.5%の範囲内)の割合は急増していました。

ところが、今回のコロナショック後には賃金上昇率の低下も限定的となり、ゼロ賃金の割合の増加も限定的、足下では急低下となっています。
ゼロ賃金の割合は2019年7月に12.9%となって10年4ヵ月ぶり低水準となって底打ち後、2020年2月には13.7%、4月には14.1%、9月には14.7%まで増加して2年8ヵ月ぶり高水準。
これでピークアウトすると12月から3月までは3ヵ月連続の減少で13.5%。1年3ヵ月ぶり低水準となっています。

ゼロ賃金の割合は金融危機後の最低水準となった2019年7月の12.9%に向けて急降下中。最近の雇用統計での雇用者数の伸びや失業保険申請件数の減少ペース加速などにも呼応するように、労働市場が急速に回復に向かっている状況を示しているようです。

労働市場の回復と景気回復を背景に、これまでFRBが「協議すら時期尚早」としていたテーパリングに関する協議、もしくは見通しなどを早ければ6月にも示唆するのではないか、との憶測も聞かれ始めています。

NY金・日足チャート 2021/3/15 - 4/1919日のNY金相場は-9.6ドル、0.54%安で3日ぶりの反落。週末に1750ドルの節目超えに伴う短期上値目標1780ドル近辺にしっかり到達し、一服感から週明けは小幅調整気味のスタート。しかし1770ドル台後半で下げ渋って小幅揉み合い推移の展開となり、欧州時間にはユーロドルの堅調推移に連れて1790ドルまで上昇。2月25日(1805.0)以来、ほぼ2ヵ月ぶり高値をつけるも90日移動平均線(1801.5)も推移する1800ドルの大台トライには及ばず。NY市場にかけては1.6%割れで上げ渋っていた米10年債利回りが小幅に上昇した流れに連れて戻り売り、やや勢い余って元の水準を突き抜けて一時1770ドル割れへと急落。その後は自律反発も限定的となって1770ドル台前半に収束。1780ドルが目先の抵抗水準となり、これをしっかり超えることができれば改めて1800ドルの大台トライへ。下方向には1760ドルがサポート候補。

NYプラチナ・日足チャート 2021/3/15 - 4/19NYプラチナは-2.2ドル、0.18%安で4日ぶりの反落。1200ドル台半ばでの小幅揉み合いでスタートした時間外には1210ドル台へと小幅に水準を切り上げ、欧州時間には1220ドルをはさんでの小幅揉み合いへ、NY朝には4月9日(1237.5)以来10日ぶり高値となる1230ドル台へと一段高。しかし、一足先に軟調推移となっていたNY金に引っ張られる形で1210ドル割れへと急反落。結果的に上に行って来いとなって上ヒゲ十字線を形成。過去の実績からはかなりの高確率で一定の反落局面形成を示唆。水準的には4月高値から安値の半値戻し(1204.1)を回復したところで足踏み状態となり、ほぼ中立まで回復した方向感も喪失気味に。目先は1190ドルから1220ドル程度までを主要レンジに保ち合いの様相にも。

ドル円・日足チャート 2021/3/16 - 4/19ドル円は66銭のドル安円高、0.61%の反落。3月4日(107.96)以来、1ヵ月半ぶりの安値。週明け東京市場朝の108円70銭台がこの日の高値となって朝から軟調推移。週末の日米首脳会談、共同声明で対中姿勢を明言したことから対中関係悪化が懸念されてのリスク回避の流れ、108円50銭台ではいったん下げ渋るも、欧州時間スタートとともに売り圧力も拡大。ドル安の流れが強まって108円ちょうど付近まで急落の展開に。短期下値目標108円近辺にしっかり到達したことからも欧州・NY時間にかけては下げ渋り。ただし反発も限定的となり、今朝の東京市場では一時108円割れを試す場面も。4月に入ってここまでほぼ一本調子で下げてきたことによる過熱感などからも、いったんは下げ止まり易い状況にも。さらなる行き過ぎ警戒水準、かつサポート候補としては年初の安値から3月末高値までの38.2%戻し(107.77)近辺。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/19終値とチャート

20日の国内金価格は-63円、0.93%安で3日ぶりの反落。短期上値目標6730円前後を突き抜けての一段高からの巻き戻しとなり、4月に入ってからの乱高下状態でレンジを拡大してきた逆三角保ち合い上放れには失敗。9日移動平均線(6692)の半年ぶりの90日移動平均線(6696)ゴールデンクロスも目前で足踏み。目先は保ち合いを維持しての横ばい推移傾向の様相となり、上限となる6760円台を上抜けできれば上昇基調再開となって6800円超へと上値を伸ばす可能性。下方向への節目6630円を割り込むようだと下値トライ再開で6500円台半ばを目指すような流れにも。

プラチナ価格は+6円、0.13%の小幅高で4日続伸。4月12日(4586)以来1週間ぶり高値圏でのジリ高推移。4月高値から安値まで306円の乱高下の後に半値戻し(4581)付近も、戻し切れないまま小康状態となり、地合いの弱さを象徴。地合い回復に向けては半値戻しをクリアし、61.8%戻し(4617)を達成できれば徐々に上値が見えてくる展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格4/20とチャート

2021年4月20日(火)時点の相場
国内金6,701 円 4/20(火) ▼63(0.93%)
国内プラチナ4,571 円 4/20(火) ▲6(0.13%)
NY金1,770.6 ドル 4/19(月) ▼9.6(0.54%)
NYプラチナ1,206.5 ドル 4/19(月) ▼2.2(0.18%)
ドル円108.15 円 4/19(月) ▼0.66(0.61%)

4/19(月)のその他主要マーケット指標

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ゼロ賃金の割合は急低下、米労働市場の回復加速を示唆? 4/20(火)

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