金プラチナ短期相場観
ドイツIFO景況感は1年10ヵ月ぶり高水準も楽観見通しは後退
更新日:2021年4月27日(火)
ドイツの4月IFO企業景況感指数は96.8。3月からは小幅上昇、3ヵ月続伸となって1年10ヵ月ぶりの高水準。2015年平均の100ポイントには届かないものの、昨年2月(96.0)のコロナ前の水準を回復してさらに上昇。
現況指数は94.1となり、これも3ヵ月続伸で昨年2月(98.7)以来、1年2ヵ月ぶり高水準。しかし、コロナ前の水準には-4.6ポイントの開きがある状態。
期待指数は99.5。ほぼ3年ぶり高水準となった3月の100.3からは低下。
楽観見通しが若干後退したのは、新型コロナウイルス感染第3波や製造業の部品供給の目詰まりが影響した模様。
セクター別では、製造業が25.3となって3ヵ月続伸、2018年5月(27.0)以来、2年11ヵ月ぶりの高水準。製造業では、需要が依然として良好で、設備稼働率も81.9%から86.2%に大幅に上昇し、ほぼ2年ぶりに長期平均の83.5%を上回る好調ぶり。しかし、企業の45%が中間製品のボトルネックを報告しており、これは1991年以来の最高値とのこと。
サービス業は3.5となり、半年ぶり高水準となった3月の6.6からは低下。それでも2月までの4ヵ月連続マイナス圏からは抜け出した状態を維持し、回復基調は継続。
その他では、卸売業が23.0となって続伸、2019年6月(23.1)以来1年10ヵ月ぶりの高水準。貿易関連は3ヵ月続伸も-0.5、4ヵ月連続のマイナス圏。小売は-14.8へと小幅低下で6ヵ月連続のマイナス圏。建設業も半年ぶり高水準となった3月の2.4から0.4へと急低下。
製造業と卸売以外はまだまだ低調のようです。
ドイツでの1日あたりの新規感染者数はいまだ3万人程度と高止まり、ロックダウンは6月まで延長見込みとも言われているようです。それでもメルケル首相は6月にはワクチン接種の対象年齢制限解除を発表。6月には全ての年齢層でのワクチン接種がスタートし、制限解除も可能となる見込みに。
回復の遅れが目立つ業種の急回復は、第3四半期にずれ込むことになりそうです。
26日のNY金相場は+2.3ドル、0.13%の小幅高で3日ぶりの反発。時間外には1780ドル台前半まで、10ドル弱の小幅上昇も1780ドルをはさんでの保ち合いへ、NY朝には米10年債利回り上昇とドル高の流れに押されて一時1770ドル割れ、これも続かずNY午後には1780ドルを回復。FOMC前の様子見状態となったこの日の変動値幅は14.9ドルで今年の平均28.7ドルのほぼ半分、今年5番めの小動き。1770ドルから1790ドル台までの保ち合いレンジ半ばで落ち着き、5日移動平均線(1782.3)が超えられない状態に。これを超えて上昇トレンド再開、さらにレンジ上限突破で加速へと向かえば1月安値圏1820ドル台までが上値目標に。超えられずに下限割れへと向かえば4月前半保ち合い水準1740ドル台までが下値目安に。
NYプラチナは+12.1ドル、0.98%の続伸で2月24日(1257.9)以来、2ヵ月ぶりの高値。1230ドル台半ばでスタートした時間外は堅調推移となってロンドン時間には1250ドル台前半まで上昇も、NY朝には金の反落にも連れる形でこの日の安値1230ドルまで下押し。その後は金の反発に加えてパラジウムの最高値更新トライにも追随する形となって1240ドル台後半へ、NY引け後には1250ドル台へと一段高。短期的には一服状態となりやすい状況も、ダブルボトムのネックライン(1252.5)、2月高値(1348.2)から3月安値(1110.0)までの61.8%戻し(1257.2)との攻防状態となりつつあり、この水準を超えるようだと短中期的には一段高へと向かいやすくなり、今年最高値(1348.2)更新トライを目指す流れにも。
ドル円は23銭のドル高円安、0.21%高となって6日ぶりの反発。株高円高の流れとなった東京時間には107円60銭台まで下落、80銭台まで反発後の欧州時間序盤にも同水準まで下げたものの、年初安値から3月末高値の38.2%戻し(107.77)を割れると買い戻し圧力も強まり、NY朝にかけては米長期金利上昇にも連れて108円台を回復。今朝の東京市場では108円20銭台。4月に入ってほぼ一方的にドル安円高の流れが続き、値幅的にもキリの良い水準、日足・一目均衡表では雲の上限にサポートされ、米10年債利回りも下げ渋る状態となったタイミングで迎えるFOMCをきっかけに流れが反転となってもおかしくはないところ。今回は特段のドル高材料とはならない可能性も、やや行き過ぎた流れの巻き戻しとしての自律反発のきっかけ程度には。107円80銭が目先のサポートとなり、これを割り込むようだと一段安となって107円前後までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/26終値とチャート
27日の国内金価格は+32円、0.48%高で3日ぶりの反発。久々に円安サポートも入って下げ渋り。水平状態の90日移動平均線(6695)の上で上昇する9日移動平均線(6725)にもサポートされ、21日移動平均線(6685)も90日線ゴールデンクロスを目指す形成逆転に向けた流れにも。4月序盤からのレンジ拡大による逆三角保ち合いの形状を解消し、上方向への保ち合い推移へとシフトしようかという状態にも。国内休日の木曜朝のFOMCまでは大きな動きとはなり難そう、今回のFOMCでも大きな状況変化は見込めないものの、同日行われるバイデン大統領の議会演説が材料視される可能性も。目先、6710円台から6780円までが主要レンジとなり、上抜けると6850円近辺までが上値目標に、下抜けた場合には4月安値更新トライとなって6630円前後までが下値目安、逆三角保ち合い懸念再開へ。
プラチナ価格は+66円、1.42%の続伸で4月7日(4734)以来、20日ぶりの高値。保ち合い状態から抜け出して短期トレンドは好転、短期上値目標4680円程度にもしっかり到達。やや勢い余っての一段高も、今年高値と4月高値を結ぶラインが通過するレジスタンス候補、4700円近辺に到達。状況的には一服感も、NYプラチナに連れてレジスタンス超えとなった場合には一段高の展開も想定され、次に意識されるのは今年高値(4798)更新トライ。
※参考:金プラチナ国内価格4/27とチャート
- 2021年4月27日(火)時点の相場
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国内金 : 6,750 円 4/27(火) ▲32(0.48%) 国内プラチナ : 4,699 円 4/27(火) ▲66(1.42%) NY金 : 1,780.1 ドル 4/26(月) ▲2.3(0.13%) NYプラチナ : 1,245.2 ドル 4/26(月) ▲12.1(0.98%) ドル円 : 108.11 円 4/26(月) ▲0.23(0.21%)
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