金プラチナ短期相場観

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転職者の賃金上昇率は13年10ヵ月ぶり高水準

更新日:2021年9月14日(火)

転職者と非転職者の賃金上昇率・格差・離職率 2021年8月アトランタ連銀が発表した8月の賃金上昇率は前年比+3.9%。個人時給の中央値の前年比データを3ヵ月移動平均で示した数値で、7月の+3.7%からは0.2%上昇し、3ヵ月続伸となって昨年7月以来、1年1ヵ月ぶりの高水準。2009年以降では7度めの最高水準となっています。

このうち、転職者の賃金上昇率は8月に前年比+4.8%となり、7月の+4.4%からは0.4%上昇し、3ヵ月続伸となって2007年10月(4.8%)以来、13年10ヵ月ぶりの高水準。
これに対して非転職者の賃金上昇率は前年比+3.3%。7月からは0.1%上昇し、3ヵ月続伸となって2020年11月(3.3%)以来、9ヵ月ぶりの高水準。非転職者の賃金上昇率は2020年7月には+3.5%、2018年後半には3%台後半で推移し、2018年11月には3.9%まで上昇。2008年11月(3.9%)以来10年ぶり高水準となっていました。
この結果、転職者と非転職者の賃金上昇率の格差は8月に1.5%まで拡大。2020年1月(1.5)以来1年7ヵ月ぶりで、2018年2月(1.6)に次いで2002年以降では2番めタイの高水準となっています。

最近の賃金上昇率格差拡大傾向が影響し、米労働省が先週発表した求人労働異動調査(JOLTS)では、7月の離職率は2.7%となっていました。
この水準は6月からは横ばい推移ながら、過去最高となった4月の2.8%に次ぐ2番めタイの高水準。今年2月までの過去最高2.4%を大きく上回る、歴史的高水準での推移となっています。

離職率は8月にはさらに上昇する可能性もありますが、既に離職率も賃金上昇率も、転職者と非転職者の賃金上昇率も、その格差も全て2000年代後半のリーマンショック前の好調期を再現するような状況となってきています。
この状況が続くようなら、インフレ押上げ要因となり続ける可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2021/8/9 - 9/1313日のNY金相場は+2.3ドル、0.13%の小反発。週明けの時間外序盤には一時下値トライも1784ドルまでで折り返し、1790ドル割れに伴う短期下値目安1770ドル近辺には届かず、4日連続で1780ドル台半ば付近では下値を支えられた格好に。ロンドン・NY市場にかけては1790ドル台前半を中心に小幅揉み合い推移となって反発方向へは1800ドルの大台にワンタッチ。20日移動平均線(1801.0)にも上値を押さえられる形となって1790ドルから1800ドルまでの小幅保ち合いレンジを維持。次週のFOMC待ちの様相も、その前に米8月CPIの結果次第では多少の変動も。インフレ鈍化で大台回復なら1820ドル台まで上値余地拡大へ、インフレ上昇が続いて1790ドルを維持できなくなれば1770ドル近辺までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/8/9 - 9/13NYプラチナはわずかに+1.0ドル、0.1%の小幅高で5日ぶりの反発。先週末時点で990ドルの節目割れに伴う短期下値目安940ドル近辺到達後、950ドルを回復しての週明け時間外スタートも、ロンドン市場にかけて戻り売り再開。再び下値目安940ドル付近まで下げて先週末安値をわずかに下回る942.2ドルまで下落。その後は940ドル台半ばで下げ渋る状態が続くとNY午後には950ドル台を回復。ただし高値では960ドルにも届かず、この日の変動値幅は上下わずか16.2ドルにとどまり、今年の平均値幅35.8ドルの半分にも満たない今年最小値幅。引き続き下値目安940ドル近辺再トライの可能性と上方向には960ドルに抵抗感、保ち合い回帰には970ドル超えが必要。
金との価格差は836.9ドル、1月4日(875.1)以来8ヵ月ぶりで今年2番めの水準を更新。

ドル円・日足チャート 2021/8/10 - 9/13ドル円は7銭のドル高円安、0.06%の小幅続伸。週明け東京市場朝の109円80銭台がこの日の安値となり、東京午後にはドル高基調と株高・円安の流れで堅調推移、110円を回復すると欧州朝には110円10銭台まで上昇。しかし、この水準では小幅揉み合い推移となって上げ渋るとNY朝には長期金利低下とともにドル安の流れへ。それでも109円90銭近辺では下げ渋り、110円ちょうどをはさんでの揉み合い推移に。109円70銭から110円30銭までのレンジ半ばで落ち着く状態となり、インフレ動向確認とFOMCでの今後の見通しを確認してトレンド形成への可能性への準備段階にも。110円30銭超えなら今年高値圏再トライ、111円60銭台までが上値目標に。109円70銭割れなら下値トライで5月安値圏108円台前半までが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/13終値とチャート

14日の国内金価格は+30円、0.43%高で6日ぶりの反発。7000円の大台を挟んでの小幅保ち合い下限、6990円の節目割れに伴う短期下値目安6900円近辺到達による達成感からの自律反発。8月安値から9月高値までの38.2%戻し(6910)達成も下値トライ一服感をサポート。などの背景にはNY金が小幅保ち合いを維持して下げ渋ったことがあり、引き続き反発か、一段安かの分岐点にもあり、目先はNY金の変動方向へと追随。一段安となれば6890円台の節目割れとなって下値トライの目安は6850円近辺まで。反発方向へと動き出すようなら直近保ち合い水準、7000円台再トライも。

プラチナ価格は+10円、0.27%の反発。逆三尊崩れからの安値保ち合い下放れ、底割れ状態となっての急落局面形成で今年安値更新後に一服状態。短期下値目安3690円近辺にあと少しのところまで下げての達成からの自律反発局面へ、となる可能性も否定はできないものの、一時的な下げ渋りに終わる可能性も。ただし、多少の行き過ぎを含めてもオシレーター系指標の逆行など、セリング・クライマックスを示唆する兆候も。
金との価格差は3213円となって今年最大を更新、昨年11月24日(3355)以来、10ヵ月ぶりの高水準。
※参考:金プラチナ国内価格9/14とチャート

2021年9月14日(火)時点の相場
国内金6,929 円 9/14(火) ▲30(0.43%)
国内プラチナ3,716 円 9/14(火) ▲10(0.27%)
NY金1,794.4 ドル 9/13(月) ▲2.3(0.13%)
NYプラチナ957.5 ドル 9/13(月) ▲1.0(0.10%)
ドル円109.99 円 9/13(月) ▲0.07(0.06%)

9/13(月)のその他主要マーケット指標

消費者物価8月コアCPIは予想外の鈍化でドル売り・金買い 9/15(水)

転職者の賃金上昇率は13年10ヵ月ぶり高水準 9/14(火)

黄金比61.8%戻しの前にテーパリングと半値戻しの壁 9/13(月)

過去最高更新続く生産者物価指数PPI前年比、2年前比でも 9/11(土)

世界のプラチナ需給-2021年第2四半期 9/10(金)


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