金プラチナ短期相場観
米地区連銀製造業景況感、雇用指数はコロナ後最低水準に
更新日:2023年3月1日(水)
米2月の消費者信頼感指数が予想外の下振れで7月以来の低水準となり、ドル高の巻き戻しが進行し、軟調局面が続いたNY金も反発の兆しに。
同時刻に発表された2月のリッチモンド連銀製造業指数も低調。-5.0の事前予想に対して-16.0と大幅下振れ、2ヵ月連続マイナス圏となって2020年5月以来、2年9ヵ月ぶりの低水準。
少し前に発表された2月のシカゴPMIも低調。45.3の市場予想に対して43.6の下振れ。続落となって6ヵ月連続節目50割れでの推移。
減速基調が続くのは他の地区連銀製造業景況感指数も同様。
NY連銀も3ヵ月連続のマイナス圏推移、フィラデルフィア連銀は6ヵ月連続マイナス圏推移となり、ダラス連銀は10ヵ月連続のマイナス圏推移。
2月は雇用指数も低調。
リッチモンド連銀は-7.0。2ヵ月連続マイナス圏で2020年5月(-16)以来2年9ヵ月ぶりの低水準。ダラス連銀も-1.0で前月から-18.6の急落で2020年5月(-10.2)以来、2年9ヵ月ぶり低水準。
NY連銀は-6.6で前月から-9.4で続落、2020年4月(-55.3)以来、2年10ヵ月ぶり低水準。
フィラデルフィア連銀は5.1となり、前月から-5.8で12月(-0.9)に次いで2年8ヵ月で2番めの低水準。
いずれもコロナ後最低レベルの低水準。
ISM製造業景況指数や雇用統計でも、2月は低調な結果が予想されそうですが・・・
28日のNY金は+11.8ドル、0.65%の続伸で2月22日(1841.5)以来の高値。アジア時間には1820ドル台から軟調推移、前日安値を下回って1810ドル付近まで下落して今年安値も更新。しかし12月28日(1804.2)以来2ヵ月ぶり安値をつけた後はドル高一服となったロンドン・NY市場にかけて1810ドル台で下げ渋り、2月のシカゴPMIにリッチモンド連銀製造業指数、消費者信頼感指数などが全て低調な結果となったことを受けて米長期金利が急低下した流れとともに急反発。NY午後には1830ドル台後半まで上昇。ただし2月のレジスタンス、9日移動平均線(1837.4)に上値を押さえられてNY引け後には1830ドル付近へ。1810ドル台から1850ドル台までの主要レンジ内での反発基調も一服か、継続か、ブレイクトライも引き続き指標結果次第の様相に。
月間ベースでは-108.6ドル、5.58%の大幅安となって4ヵ月ぶりの反落。2021年6月以来、1年8ヵ月ぶりの急落。
NYプラチナは+13.6ドル、1.44%の続伸で2月13日(959.4)以来、2週間ぶりの高値。940ドル台からアジア時間に930ドル付近まで下押し後に反発、NY朝には200日移動平均線(947.5)から950ドル台の攻防、これを突破するとNY午後には960ドル台まで上昇。わずかながら節目上抜けの兆しとなり、右肩下がりの20日移動平均線(961.1)と2月後半高値圏960ドル台前半もしっかり抜け出すことができればダブルボトムからの反発局面形成へ、短期上値目標は990ドル近辺。
月間ベースでは-65.6ドル、6.42%の続落。
ドル円は前日から変わらず136円20銭台での横ばい推移。136円台前半での膠着状態で東京時間を通過後、欧州時間には米10年債利回り上昇に連れて136円後半へと上昇。米10年債利回りが一時3.98%まで上昇すると136円90銭台へと今年高値を更新。しかし一連の米指標悪化を受けての急反落でNY午後には一時135円70銭台まで下落。ただし下値も堅く、NY終盤には136円台を回復。今朝の東京市場でも136円30銭台へと堅調推移。右肩下がりの90日移動平均線(135.69)にもサポートされ、135円台後半がサポート水準となっての高止まりで引き続き週後半の指標結果見極めの展開へ。
月間では+6.14円、4.72%高で4ヵ月ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/28終値とチャート
1日の国内金価格は+39円、0.45%高で3日続伸。2月2日(8800)以来、4週間ぶり高値となり、底入れの可能性も示したNY金にもサポートされて1月の今年高値(8857)から2月安値(8605)の半値戻し(8731)を達成。1月高値起点のレジスタンス突破で短期トレンド好転の勢いが続けば一段高の展開にも。8700円の節目上抜けに伴う短期上値目標は8820円近辺。勢い余れば8860円の最高値圏トライも意識される可能性も。
プラチナ価格は+56円、1.26%の続伸。2月7日(4509)以来、3週間ぶりの高値。11月高値起点の下降チャネル上限ライン、1月高値起点の抵抗線、21日移動平均線(4427)などを上抜けて反発の勢いが増す状況にも。4440円の節目突破に伴う短期上値目標4520円程度まで、もう少しの上昇余地。NYプラチナが一段高へと向かえば4600円の大台トライへと向かう可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格3/1とチャート
- 2023年3月1日(水)時点の相場
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国内金 : 8,732 円 3/1(水) ▲39(0.45%) 国内プラチナ : 4,503 円 3/1(水) ▲56(1.26%) NY金 : 1,836.7 ドル 2/28(火) ▲11.8(0.65%) NYプラチナ : 955.5 ドル 2/28(火) ▲13.6(1.44%) ドル円 : 136.23 円 2/28(火) +-0.00(0.00%)
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