金プラチナ短期相場観
フィラデルフィア連銀景況感、非製造業も2年4ヵ月ぶり低水準
更新日:2023年4月26日(水)
先週末、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が市場予想を大幅に下回ってコロナ後最低水準へと急低下したのに続き、フィラデルフィア連銀非製造業景況指数も低調な結果に。
4月のフィラデルフィア連銀非製造業指数は-22.8となり、3月の-12.8から急低下。2ヵ月連続-10ポイント以上下落し、2020年12月(-24.2)以来、2年4ヵ月ぶり低水準。昨年8月以降は2月の3.2を除いて8ヵ月がマイナス圏推移。活動指数の長期平均18.49を下回る水準での推移は12ヵ月連続となり、非製造業もコロナ後最低レベルに。
期待指数は3月の12.3から4月は16.8へと上昇も、ピークとなった2021年夏の70台からは低下基調が継続。長期平均45.43を下回る水準での推移は1年3ヵ月連続。
現況指数は-16.2で3月の-0.1から急低下、2020年5月(-40.6)以来ほぼ3年ぶり、コロナ後最低水準。
新規受注-23.9も3月の-15.4から急低下で2020年5月(-30.8)以来、コロナ後最低。売上収益も-2.9で3月の10.3から急低下、2021年2月以来2年2ヵ月ぶり低水準。
支払価格は35.7で2年ぶり低水準など、インフレ関連指数は低水準での推移となってインフレ鈍化を示唆。
なお、この日発表された4月のリッチモンド連銀製造業指数も市場予想を下回る-10.0となって3月の-5.0から低下、4ヵ月連続のマイナス圏推移と低迷。
前日発表の4月ダラス連銀製造業活動指数は-23.4と市場予想を大幅に下振れ、9ヵ月ぶりの低水準。マイナス圏推移は12ヵ月連続。
上下にブレやすいNY連銀製造業景況指数が予想外の好結果となった以外、4月は各地区連銀の景況感は製造業でも非製造業でも、低調となっています。
25日のNY金は+4.7ドル、0.24%の続伸で3営業日ぶりの2000ドル台回復。時間外序盤に大台を回復すると2010ドル台ま前半まで上昇、しかし2010ドルラインが抵抗線となって上値を押さえられると失速。ロンドン市場にかけて再び大台を割れると1990ドル割れへ、しかし前日安値を下回らずに折り返すとNY市場では4月の消費者信頼感指数とリッチモンド連銀製造業指数も予想を下回り、米10年債利回りの低下基調も一段と進行した流れを受けて再び大台を回復。NY引けにかけては一時2010ドル台半ばまで上昇も、引け後には20日移動平均線(2009.6)との攻防状態に。1990ドルから2020ドルまでの保ち合いレンジを維持し、上方ブレイクなら今年高値更新トライへ、下方ブレイクなら1970ドル近辺までの一段安も。
NYプラチナは+0.5ドル、0.05%の小反発。前日の急落後の一服状態となったアジア時間は1100ドル近辺での小康状態、自律反発も限定的となって1100ドル台半ばが戻り高値となり、ロンドン市場で前日安値を下回ると1080ドル近辺へと一段安。1080ドル割れで切り返すとNY市場では金の反発局面にも追随する展開となって1100ドル台へと急反発。下ヒゲ十字線を形成し、急反落での調整一服の可能性も示唆し、2月安値(903.9)から4月高値(1148.9)の23.6%戻し(1091.1)近辺が目先の主要レンジ下限となるかどうか。これを維持して1140ドルの上限突破となれば1160ドル近辺までの一段高にも。1090ドル台が維持できない場合には38.2%戻し(1055.3)が次の下値サポート候補。
ドル円は54銭のドル安円高、0.4%の反落。東京市場朝は2日連続で保ち合い下限134円ラインとの攻防、134円割れで下げ渋ると午後には134円40銭台まで反発。しかし米10年債利回りの低下基調にも連れ、欧州・NY時間にかけては再び134円を挟んでの保ち合いから軟調推移。米4月消費者信頼感指数とリッチモンド連銀製造業指数の下振れなどもあり、米10年債利回りが一時3.4%割れへと低下したNY午後には133円30銭台まで下落。NY終盤にかけては113円70銭台まで反発も今朝の東京市場では133円半ばへ。134円の節目を割り込んだことでもう一段の調整となりやすい状況に、133円割れが短期下値目安。下げ止まりつつある90日移動平均線(132.60)がサポート候補にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/25終値とチャート
26日の国内金価格はわずかに-2円、0.02%の小反落。月初のFOMC1週間前の月末に差し掛かり、徐々に警戒感も高まる状況を示唆するかのような展開にも。流れとしては高値トライ一服後の調整局面進行中ながら、下げ幅も限定的に。失速感を示す9日移動平均線(9427)に上値を押さえられる格好にもなり、しかし上昇トレンドを維持する21日移動平均線(9340)に下値をサポートされる状況に。9日線と9460円の節目を上抜けることができれば最高値更新、9530円程度までが短期上値目標に、9340円の節目割れなら9300円割れへと一段安。
プラチナ価格は+15円、0.3%の反発。強気のパーフェクトオーダーを維持して下げ渋り、5060円が目先の下値サポートとなって高値保ち合い形成となるかどうか。そうなれば月末月初の状況次第で再び高値更新トライのチャンスも。5060円を維持できない場合には9日移動平均線(5007)を割れて強気パーフェクトオーダー崩れへ、3月末安値(4407)から4月高値(5175)の23.6%戻し(4994)近辺、5000円の大台前後までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/26とチャート
- 2023年4月26日(水)時点の相場
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国内金 : 9,403 円 4/26(水) ▼2(0.02%) 国内プラチナ : 5,077 円 4/26(水) ▲15(0.30%) NY金 : 2,004.5 ドル 4/25(火) ▲4.7(0.24%) NYプラチナ : 1,098.2 ドル 4/25(火) ▲0.5(0.05%) ドル円 : 133.72 円 4/25(火) ▼0.54(0.40%)
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