金プラチナ短期相場観

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米3月CPIはやや鈍化、事前のドル高巻き戻しでNY金急騰

更新日:2023年4月13日(木)

CPI×コアCPI×メディアンCPI×16%トリム平均CPI×スティッキーCPI 2023年3月米3月CPIは総合指数が若干下振れ、事前に若干買われ過ぎていた?ドル高円安が巻き戻される格好となり、NY金は一時急騰。
3月の消費者物価指数、CPIは前年比+4.98%。市場予想の+5.1%を下回り、2月の+6.04%からも急低下。9ヵ月続落で2021年4月(4.16)以来、1年11ヵ月ぶりの低水準。
コアCPIは前年比+5.59%。市場予想の+5.6%にほぼ一致。1年2ヵ月ぶり低水準となった2月の+5.54%を上回り、6ヵ月ぶり反発で3ヵ月ぶりの高水準。

セクタ別では食品が前年比+8.5%、7ヵ月連続の鈍化で1年1ヵ月ぶりの低水準。エネルギーは-6.4%で2年2ヵ月ぶりの前年割れ、2年3ヵ月ぶり低水準。
食品とエネルギーを除くモノの価格は+1.5%、2年5ヵ月ぶり低水準となった2月の+1.0%からは上昇。エネルギー関連を除くサービス価格は+7.1%、近年最高となった2月の+7.3%からは低下。
主な項目別では、上昇基調が続いていた賃貸住宅が前年比+8.8%で2月から変わらず横ばい推移。帰属家賃も+8.0%で横ばい推移、いずれも近年最高水準で上げ渋り。

なお、1年前の2022年3月はロシアのウクライナ侵攻に伴うコストプッシュでエネルギー関連価格が急騰。セクタ別ではエネルギーが2月の前年比+25.6%から+32.0%へと急騰し、項目別ではガソリン価格が+38.0%から+48.0%へと跳ね上がり、CPI総合指数も2022年2月の前年比+7.87%から3月は+8.54%へと急騰。今回はその極端な影響が剥落した格好。

クリーブランド連銀発表のメディアンCPIは前年比+7.08%。2ヵ月連続過去最高となった2月の+7.20%から低下し、4ヵ月ぶりの反落となって3ヵ月ぶりの低水準。ただし3ヵ月連続7%台、10ヵ月連続6%超での推移。
同16%トリム平均CPIは前年比+6.17%。こちらは6ヵ月連続6%台でゆるやかながらも6ヵ月続落となり、1年ぶりの低水準。13ヵ月連続6%超。
アトランタ連銀発表のスティッキーCPIは前年比+6.60%。2月の+6.71%から小幅に低下、5ヵ月ぶりの低水準。ただし8ヵ月連続6%台での高止まり。
CPIはエネルギー関連が大きく影響する総合指数を除けば、高止まりが続くなかでやや鈍化傾向、という状態に。

NY金・日足チャート 2023/3/8 - 4/1212日のNY金は+5.9ドル、0.29%の続伸。前日の反発局面が続いた時間外は2020ドル付近から2030ドル台半ばまで上昇。その後はCPIへの警戒感もあり、ロンドン市場にかけては2020ドル台前半へと反落してNY朝、米3月CPIが予想を下回ったことを受けて2040ドル台まで急騰。しかしこれを維持できずに失速すると元の水準を突き抜ける形となって2020ドル割れへと急反落。この日の安値をつけるとNY引け後には2030ドル付近まで反発。FOMC議事要旨での年内リセッション見通しなどにも下支えされた格好。結果的に2040ドルの保ち合い上限トライには失敗しながらも、2000ドルの大台ラインを下限とする高値保ち合いレンジを維持し、レンジ半ばから上での堅調推移。あらためて上限突破できれば2060ドル近辺を目指す流れにも、ただし流れは失速気味、下限の大台割れなら1980ドル近辺へと一段安の展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2023/3/8 - 4/12NYプラチナは+22.4ドル、2.23%の続伸。時間外序盤の1004ドル近辺が安値となって反発局面継続。ロンドン序盤にかけては1010ドルを挟んでの保ち合い推移、NY市場ではCPI後に急騰したNY金に追随すると高値では一時1030ドル台半ばまで上昇。その後の反落局面でも1020ドル近辺で下げ渋るとNY午後には1030ドル付近へと再浮上。1020ドルの抵抗水準を突破すると同時にサポートに切り替わったような展開にもなり、一段高への可能性も。当面の上値目標は2月高値圏、1040ドル台後半から1050ドル近辺。

ドル円・日足チャート 2023/3/9 - 4/12ドル円は55銭のドル安円高、0.41%安で5日ぶりの反落。東京・欧州時間は133円50銭台から134円までのレンジで保ち合い推移、NY市場では米3月CPIの結果を受けて急落の反応。米10年債利回りが3.4%台半ばから3.3%台半ばへと急落した流れにも連れ、133円70銭台から132円70銭台まで、ほぼ1円の下落。その後は米10年債利回りの反発などにも連れて133円40銭近辺までの反発も、NY終盤には133円付近に収束。132円90銭の節目超えに伴う短期上値目標135円台前半を目指した流れは134円までで失敗。ただし、一方的なドル安基調へと反転するような状況でもなく、引き続き指標結果次第で上下に振れるような展開にも。90日移動平均線(132.81)に下値をサポートされた状態にもなり、目先の上限133円80銭を上抜けることができれば上値再トライとなって135円付近までを試しに行く可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/12終値とチャート

13日の国内金価格は+11円、0.12%高で5日続伸。3日連続で今年10回めの過去最高値更新。5日続伸は3月以来、1ヵ月ぶりで今年3回め。CPIがやや下振れとなったことでNY金が上昇、ドル円の反落も限定的となって堅調局面を維持。3月以降、9日移動平均線を一時的に下回る場面もあったものの、移動平均線が上から昇順に並ぶ強気パーフェクトオーダーの形状がほぼ1ヵ月半継続し、その間に過去最高値を10度更新。RSIに過熱感はないものの、3月半ば以降はピーク水準が切り下がる逆行状態となって上昇圧力の枯渇を示唆。現状水準を維持した場合でもまもなくRSIは80台後半へと急騰し、急反落警戒感も一段と高まる状況だが・・・。

プラチナ価格は+69円、1.49%の続伸で1月25日(4782)以来、2ヵ月半ぶりの高値。4640円の節目を突破して高値圏での小幅保ち合いを上方ブレイク。これに伴う短期上値目標4700円台回復にもあとわずか。NYプラチナが一段高へと向かえば勢い余って多少の行き過ぎも、そうなれば4800円近辺までが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格4/13とチャート

2023年4月13日(木)時点の相場
国内金9,432 円 4/13(木) ▲11(0.12%)
国内プラチナ4,699 円 4/13(木) ▲69(1.49%)
NY金2,024.9 ドル 4/12(水) ▲5.9(0.29%)
NYプラチナ1,027.5 ドル 4/12(水) ▲22.4(2.23%)
ドル円133.15 円 4/12(水) ▼0.55(0.41%)

4/12(水)のその他主要マーケット指標

生産者物価PPIは過去最大の急減速、ドル急落でNY金は急騰 4/14(金)

米3月CPIはやや鈍化、事前のドル高巻き戻しでNY金急騰 4/13(木)

市場予想は5月利上げ優勢も7月利下げスタートで年末4.375%へ 4/12(水)

NY連銀調査では1年先も3年先もインフレ上昇予想に転換 4/11(火)

雇用統計後はドル高円安、3連休明けのNY金は下げ渋り 4/10(月)


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