金プラチナ短期相場観
最高値更新が続いた2023年国内金、原動力は円安よりもNY金
更新日:2023年12月26日(火)
2023年、年初からここまでの騰落率は、NY金が+11.30%、ドル円は+7.27%。国内金価格は+19.67%。
円安の影響で国内金価格が今年、最高値を更新し続けたようなイメージもありますが、実際にはNY金のサポートのほうが円安効果を少し上回っていたようです。
NY金と国内金との年間の相関係数は0.6035。ドル円と国内金とでは0.2281。年間トータルでは、NY金の影響を多分に受けたことを示します。
もっとも、影響度合いは時期的に大きく変化もしてきました。
年前半にはNY金の上昇局面が国内金価格を押し上げ、NY金と国内金の90日相関係数も6月には0.8台へ。この間、ドル円との90日相関係数は0.5台にとどまります。
7月から10月にかけては関係性が逆転、ドル円と国内金の90日相関係数は0.7-0.8台での推移が続き、NY金との相関係数は急低下、夏場には一時-0.5台へと逆相関にも。
ドル円と国内金の相関関係が強まった時期の後半、9月後半には国内金価格が史上初めて1万円台へ。
ここから11月半ばにかけてドル円はゆるやかに151円まで上昇、国内金価格も1万円台での高止まり。90日相関係数も0.6-0.7台で高止まり。国内金価格高騰=円安、のイメージが強まった時期でした。
11月後半以降は、ドル円のピークアウトに変わってNY金が国内金価格を押し上げ、12月初旬の最高値10800円台まで到達。
秋以降、連動性を再び強めていたNY金と国内金との90日相関係数もこのタイミングで0.7台に到達、今年最後の国内金最高値更新はドル円に変わってNY金がサポートしました。
なお、この後12月の調整局面においてもNY金との連動性は強まり、90日相関係数は0.8台へ。
クリスマス休暇明け、時間外のNY金は先週末からわずかに上昇し、2060ドル台後半での小動き。プラチナは連休前から変わらず980ドル近辺。ドル円は142円台前半での小動きでクリスマスを通過、今朝の東京市場も142円20銭台での小動きから。
26日の国内金価格は-13円、0.13%の反落。ゆるやかに上昇する90日移動平均線(10146)が短中期の下値サポート候補、ゆるやかに下降する21日移動平均線(10356)がレジスタンス候補となり、そのレンジ縮小とともにボラティリティ低下で年末年始のどこかでボラティリティ再拡大へ、との予想も成り立ちそうな値動きに。目先、10290円超へと反発できればレンジ拡大トライ、10360円程度までが短期上値目標に。10230円割れなら10170円程度までの一段安へ。
年初来騰落率-10.12%のNYプラチナと、同-2.39%の国内プラチナ価格との年間相関係数は0.633。ドル円と国内プラチナ価格との相関係数は-0.189。ドル円との90相関系係数の今年最低、最も逆相関が強まったのは夏場、8月末の-0.79。NYプラチナとの90日相関係数は秋に0.6台まで低下した時期を除いて0.7台から0.9台。国内プラチナ価格は、高ボラティリティのNYプラチナとの連動推移を余儀なくされます。
26日のプラチナ価格は-4円、0.08%の小反落。4810円の節目上抜けに伴う短期上値目標4850円程度までを目指す流れのなかで上昇一服。短期的には強気相場の勢いにもサポートされてもう一段の上昇余地を残す一方で、新たな中期レジスタンスライン付近となる可能性が重石に。4770円の節目を割り込むようだと調整局面形成へ、90日移動平均線(4713)近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格12/26とチャート
- 2023年12月26日(火)時点の相場
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国内金 : 10,274 円 12/26(火) ▼13(0.13%) 国内プラチナ : 4,818 円 12/26(火) ▼4(0.08%) NY金 : 2,069.1 ドル 12/22(金) ▲17.8(0.87%) NYプラチナ : 981.8 ドル 12/22(金) ▲11.5(1.19%) ドル円 : 142.32 円 12/25(月) ▼0.11(0.08%)
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