金プラチナ短期相場観
低迷続く中国景気と寒波からの回復基調が目立つ米国経済
更新日:2014年4月23日(水)
先ほど発表された4月の中国HSBC製造業PMI速報値は市場予想どおりの結果となり、3月の数値からはわずかに上昇、5ヶ月連続の低下で下げ止まって反発への望みをつないだ格好に。今年1月に節目の50を割れたことで株安、ドル売りを誘発し、タイミング的には新興国リスク懸念の引き金を引いたような見方もされ、その後も低下が続き、中国景気減速懸念の象徴となりつつあるこの指標。いったん下げ止まったとはいえ、2月の数値も超えられず、低迷状態からは脱け出せない状況が続きます。
同じように今年1月に大幅下落した米国のISM製造業景況指数は、節目の50を上回る51台が底値となってその後は反発傾向へ。昨年後半ほどの勢いはまだ取り戻せてはいないものの、寒波の影響が大きかったことを裏付けつつ、回復基調が続きます。昨日のリッチモンド連銀、先週末のフィラデルフィア連銀の製造業指数やその前のミシガン大学消費者態度指数など、景況感の改善傾向を示す指標も目立ち始めています。
さらに最近では、米国の財政赤字縮小も進み、カナダの格付け会社が米国の格付け「AAA」の見通しを「安定的」へと引き上げたことを受け、主要格付け会社で唯一「AA+」を付与するS&Pもようやく「AAA」への引き上げを検討するのではないか、との噂も出始めているようです。米国の格付けが2011年8月以来となる最上級「AAA」を回復することになれば、大きなドル買い要因となりそうです。
足元では煮え切らない様子のドル円相場のサポート材料も、今後は少しづつ増えて行きそうな気配です。
NY市場、金相場は0.57%安の3営業日続落となり、終値では4月1日以来の水準。4月のリッチモンド連銀製造業指数、3月の中古住宅販売件数が好結果となったことを受けて下落した安値1,275.8ドルは2月11日以来、2ヶ月半ぶりの安値水準。やや反発し、1,280ドルのサポートラインをなんとか維持、90日移動平均線にも支えられた形でこの水準での底堅さも。有名無実化しそうなジュネーブ声明後のウクライナ情勢不安も売りを躊躇させる様子。しかし流れは下方向、サポートライン割れなら1,230ドル付近を目指して一段安の可能性。
プラチナ相場は0.03%安とほとんど横ばい推移も5営業日続落。鉱山会社Amplats、Implats、Lonminと組合側(AMCU)の交渉は23日も継続のもようで、プラチナ相場も様子見状態。1,420ドル台のサポートラインを下抜けて3月末安値水準でもある1,400ドルの節目まで急落して一服。流れに従ってもう一段安の展開なら目標水準は1,350ドル近辺。ロウソク足チャートの足型も上下両方向への可能性を示唆。
ドル円は0.02%とわずかに上昇し、8日続伸。小幅ながらも下値を切り上げ続け、わずかに流れも好転した可能性。101円50銭台をサポートラインに上方向には104円のレジスタンスライン。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/22終値とチャート
国内金価格は0.4%の続落。ゆっくりと短期下落トレンドへと移行、下値目標水準4,440円を目指す流れに。上方向へのレジスタンスは4,650円、その手前に4,600円。
プラチナは前日から変わらず。それでも9日移動平均線は下降し、21日移動平均線をデッドクロス寸前。下押し圧力が強まり、4,850円の下値ターゲットを目指す流れが継続。
※参考:金プラチナ国内価格4/23とチャート
- 2014年4月23日(水)時点の相場
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国内金 : 4,536 円 4/23(水) ▼18(0.40%) 国内プラチナ : 4,944 円 4/23(水) +-0(0.00%) NY金 : 1,281.1 ドル 4/22(火) ▼7.4(0.57%) NYプラチナ : 1,400.3 ドル 4/22(火) ▼0.4(0.03%) ドル円 : 102.61 円 4/22(火) ▲0.02(0.02%)
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