金プラチナ短期相場観
米製造業の減速を牽引するダラス連銀製造業活動指数
更新日:2016年1月26日(火)
全米第2位の人口と面積を誇り、米国南部中央に位置するテキサス州は、米国の石油・エネルギー産業の中心地。ここを管轄するダラス連銀が発表した1月の製造業活動指数はリセッション後の最低水準にまで落ち込んできました。
12月からはやや回復傾向となる-14との予想を大きく下回り、2009年4月(-37.5)以来、6年9カ月ぶり低水準となる-34.6へと急落し、年初からの原油相場急落の影響が大きかったことを示す結果となっています。
さらに12月分は-20.1から-21.6へ、11月分も-4.9から-5.4へと下方修正され、10月以前も5月まで全て下方修正。好不況の分かれ目となる0を下回る状態は2015年1月から13カ月連続となり、2010年以降で最長、2007年11月から2009年11月までの25カ月連続に次ぐ低迷期を形成しています。
1月の内訳では、生産、新規受注、受注増加率、受注残、出荷、雇用など多岐に渡って低下。半年後の見通しを示す指数では、昨年5月から11月まで回復見通しのプラス圏で推移していたのが12月時点で-2.2、そして1月には-24.0へと大幅急落。当面の間、回復が見込めそうにないという状況に陥ってきました。
既に発表済の1月分では、NY連銀の6カ月連続マイナス圏、フィラデルフィア連銀の5カ月連続マイナスなども合わせ、全米での製造業の減速状態は底打ちの気配どころか、加速の様相を呈しています。
25日のNY金相場は0.82%の反発。前週末のリスク回避の巻戻し急進は予想通り長くは続かず、原油相場が再び一時30ドル割れ、NYダウも16000ドル割れへと反落の展開。これを予期していたかのように底堅く推移していた金は上値トライへ。しかし、こちらも1110ドルの抵抗水準を超えるほどの勢いには欠ける状態。1105ドル台の90日移動平均線にも上値を押さえられ、1090ドル台後半をサポートラインに高値揉み合い状態を形成しながら上値トライのチャンスをうかがう展開へ。1110ドル超えに成功できれば1130ドル台へと一段高の可能性、1090ドル割れへと反落の展開なら下値余地は今年安値1060ドル付近まで。
NYプラチナ相場は3.6%の大幅高で3営業日続伸。3%超の下落は何度も記録してきた近年の下落トレンドのなかで、3%超の上昇は2014年以降では2回め。昨年12月4日(+3.91%)に次ぐ急騰。21日に今年最安値をつけて十字線を形成したところで短期的な流れは変わり始めていたことになり、直近節目850ドルを大きく上抜け。さらに上値を伸ばす可能性は高まったものの、ここから上は戻り売り警戒水準となり、上値を押さえられやすくなるところ。短期上値余地としては870ドルから880ドル付近までか。
ドル円は0.4%のドル安円高で3日ぶりの反落。週末の大幅急反発からの利益確定売りに加え、原油安に株安の流れにも連れて戻り売りも加勢した様子で118円80銭台から10銭台まで軟調推移。5週間ぶりに上抜けた21日移動平均線も抵抗線となった形で即下抜け。119円台半ばまでの上値余地を残しながらもやや上値も重くなりつつあり、118円台での揉み合い状態で日米金融政策の結果待ちへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/25終値とチャート
26日の国内金価格は0.58%高となって4日続伸。1月8日の4494円をわずかに上抜けて年初来高値更新、上昇トレンド加速の兆しも。このまま4500円の大台を超える流れとなれば、堅調推移がしばらく続く可能性が高まり、当面の上値目標水準は90日移動平均線を超えて4610円台辺りまで。ドル高円安方向への流れと金の底堅さが続くなどの好条件が揃えば、さらに上値を伸ばす展開も見込まれ、最大では4670円台辺りも。
国内プラチナ価格は2.19%の大幅続伸。円高を補って余りあるNYプラチナの大幅高によって水準を引き上げられ、3420円台の抵抗水準突破の場合の上値目安3480円台付近に一気に到達。底値圏からはいったん抜け出し、地合い好転で上昇トレンド継続への期待も高まるところだが、3510円台で推移する21日移動平均線が目先の抵抗線となり、NYプラチナ同様、戻り売り警戒水準に。
※参考:金プラチナ国内価格1/26とチャート
- 2016年1月26日(火)時点の相場
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国内金 : 4,499 円 1/26(火) ▲26(0.58%) 国内プラチナ : 3,494 円 1/26(火) ▲75(2.19%) NY金 : 1,105.3 ドル 1/25(月) ▲9.0(0.82%) NYプラチナ : 861.5 ドル 1/25(月) ▲29.9(3.60%) ドル円 : 118.30 円 1/25(月) ▼0.48(0.40%)
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