金プラチナ短期相場観
産油国協議決裂、無秩序ではない為替市場は円高へ
更新日:2016年4月18日(月)
週末の重要イベントなどを経て、ややリスク回避的に株安円高が進行しています。
17日にドーハで開催された産油国会合では増産凍結合意ならず。増産を決め込むイラン欠席のなか、サウジアラビアはイランを含めての合意が必要と協議は決裂。NY原油先物は週末の40ドル台から37ドル台へと水準を切り下げての週明けスタートに。
14-15日にワシントンで開催されたG20財務相・中銀総裁会議では、低迷する世界の成長を後押しするため各国が財政出動を確約することをあらためて表明し、為替相場安定の重要性も再確認しながら、競争的な切り下げを否定することでも合意、と従来どおりの基本姿勢。
個別には、ルー米財務長官が「為替市場は秩序を保っている」との見解を表明し、「日本は外需よりも内需に注目する必要」があり「競争的な通貨切り下げは回避すべき」、為替介入などもってのほか、とでも言わんばかりの論調。先週の円高巻戻しのきっかけとなった麻生財務相の「一方的に偏った投機的な動きがみられれば、場合によっては必要な措置を」、「G20の合意内容を踏まえても」為替介入は可能とほのめかす発言を完全否定した形。
また、財政出動に関してもショイブレ独財務相の「世界経済は安定している、重大な悪化はみられない」発言などもあり、欧州の一部では財政出動反対派も。
G20のなかでも個別の思惑が絡み合い、協調姿勢への足並みの乱れも気になるところ。
国内では熊本大地震の影響も含め、円高材料乱立状態となった週明けの為替ドル円は108円台後半から108円割れへと大きく水準を切り下げてのスタート。
この影響で国内金価格の調整局面も、もうしばらく続きそうな状況となってきました。
18日の国内金価格は0.5%安となって3営業日続落。週末時点で1月29日以来、2カ月半ぶりに90日移動平均線割れとなっていたこともあり、下値警戒感が高まる状況での週明け、東京市場の円高急進で1月29日(4555円)以来の安値水準へ。NY金の若干の上昇ではカバーし切れず、4630円から4690円台までの保ち合いレンジを下方ブレイクしたことにより、もう一段の下値トライ進行へ。1月29日の水準4550円台付近が当面の下値目安に。
プラチナ価格は1.85%の大幅続落。円高に加えてNYプラチナの時間外での軟調推移で下げ幅を拡大。現状ではわずかに上向き始めた90日移動平均線よりも上の水準を維持し、方向感としてはニュートラル。ただし、NYプラチナの軟調傾向の兆しと円高リスク継続により、目先の見通しとしては下方向優勢。2月末安値と4月安値水準3580円台が当面のサポートライン。
※参考:金プラチナ国内価格4/18とチャート
- 2016年4月18日(月)時点の相場
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国内金 : 4,611 円 4/18(月) ▼23(0.50%) 国内プラチナ : 3,666 円 4/18(月) ▼69(1.85%) NY金 : 1,234.6 ドル 4/15(金) ▲8.1(0.66%) NYプラチナ : 989.9 ドル 4/15(金) ▼3.0(0.30%) ドル円 : 108.76 円 4/15(金) ▼0.63(0.58%)
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