金プラチナ短期相場観

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リッチモンド連銀製造業指数は好調も耐久財受注など下振れ続出

更新日:2016年4月27日(水)

リッチモンド連銀製造業指数は好調 2016年4月FOMCメンバで最タカ派とされるラッカー氏が総裁を務めるリッチモンド連銀の製造業指数は4月も好調を維持しました。2月には-4.0へと落ち込んだ後、3月には22.0へと急騰、4月は若干低下したものの市場予想の12.0を上回る14.0に。3月より前と比較すれば2011年3月の15.6に次ぐ高水準を維持。 6カ月移動平均では6.2となり、2015年2月の7.0以来1年2カ月ぶりの高水準へと上昇し、底入れ・反転への流れを示す形となっています。
4月の主要地区連銀の製造業指数では、NY連銀も2カ月連続のプラス圏で大幅上昇へと堅調。しかし、フィラデルフィア連銀では3月の急反発から4月にはマイナス圏へと反落し、ダラス連銀でも長期低迷から回復の兆しを見せた3月から小幅反落で失速。
3月には一斉反発で米製造業の底入れの兆しを示したのに対し、4月は強弱混在となり、回復傾向は順調とも言い切れない状況に。

FOMCで今年投票権を持つメンバでは、3月FOMCで唯一利上げを支持したカンザスシティ連銀ジョージ総裁に加え、クリーブランド連銀のメスター総裁、セントルイス連銀のブラード総裁と最大3名が利上げ支持に投票する可能性も、との見方もあった状況からはややトーンダウンした形です。

この日発表されたその他の経済指標でも利上げ支持者の勢いを失速させる結果に。
3月の耐久財受注は市場予想の前月比+1.9%程度に対して+0.8%となり、変動の大きい輸送用機器を除いた数値では+0.5%予想に対して-0.2%、2月の-1.3%に続き2カ月連続の減速状態。非国防資本財から航空機を除いたコア受注も0.0%、といずれも予想を下回る低調ぶり。
ここでも製造業の回復基調が全く順調ではないことを示す結果に。

さらに、2月のケース・シラー米住宅価格指数も小幅に予想を下回り、4月の消費者信頼感指数も下振れなど、FOMCの日は低調な指標続出という結果となりました。
今朝にはアップルの第2四半期決算も13年ぶりの減収減益と伝えられています。

今回のFOMCでの利上げ支持も、3月と同じく1票どまり、というところでしょうか。

NY金・日足チャート 2016/3/28 - 4/2626日のNY金相場は0.26%の小幅続伸。欧州市場まではジリ安の展開で1230ドル手前まで下落、米3月の耐久財受注が予想を下回ったことを受けての急反発で1240ドル台前半まで上昇。その後も2月のケース・シラー米住宅価格指数、4月の消費者信頼感指数など低調な指標が続いたことで水準を維持。3月から続く1220-60ドルのレンジ相場も2カ月経過し、振幅幅も縮小中。FOMC後に大きく動き出す可能性は低く、その後の日銀会合ではサプライズの円安に伴うドル高加速の展開となった場合には下値トライも警戒される。サプライズ的な流れとならない限りは堅調気味の推移維持か。上下のレンジブレイクなら20ドル超の変動も。

NYプラチナ・日足チャート 2016/3/28 - 4/26NYプラチナ相場も0.16%の小幅続伸。この日も1000ドルの大台ラインを一度かすめて反発の展開。急反落への危うさを抱えつつも長めの下ヒゲを残し、上値トライへの動き出しを示唆するような展開が継続。1010-30ドルのレンジ中央付近からどちらへも抜け出す準備が整ってきた様子。週末までに高値更新か大台割れのどちらかが実現している可能性も。イベントがなければ上方向優勢、しかし円安加速によるドル高での金下落に追随パターンには要警戒か。

ドル円・日足チャート 2016/3/28 - 4/26ドル円は0.09%の小反発。週明けから続いた調整局面が欧州市場まで続き、110円60銭台まで下げて反発。耐久財受注下振れで反落後には、堅調推移の原油相場や米金利上昇にも支えられて111円台前半を回復。週末にかけて113円前後への上値トライへと円安加速か、それとも109円台へと急反落で円高リスク再燃か、FOMC経由日銀待ちへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/26終値とチャート

27日の国内金価格は0.7%上昇し3日続伸。FOMCと日銀への警戒感が高まるなか、地道に水準を切り上げて目標水準4780円付近までもう一息の水準に到達。ここから先はイベント・ドリブンの市場変動に大きく左右される展開が見込まれ、FOMCで予想外のタカ派声明ならドル高円安にサポートされ、日銀への期待感剥落なら円高で急反落など、極端な行き過ぎ状態へと荒れる展開も。なお、円高気味の推移で連休突入時には日本の休場を狙った円買いリスク再燃も警戒される。

プラチナ価格は0.65%の続伸。短期上昇トレンド加速で過熱感を高めながら年初来高値3895円も視野に入る水準に。平常時なら調整必至の状況も、週末にかけての日米重要イベントに加え、米GDP速報値やPCEデフレーターなどの重要指標の発表もあり、場合によってはドル高円安が加速する可能性も。連休中日の5月2日には年初来高値更新か、もしくは大幅反落か。
※参考:金プラチナ国内価格4/27とチャート

2016年4月27日(水)時点の相場
国内金4,758 円 4/27(水) ▲33(0.70%)
国内プラチナ3,870 円 4/27(水) ▲25(0.65%)
NY金1,243.4 ドル 4/26(火) ▲3.2(0.26%)
NYプラチナ1,020.1 ドル 4/26(火) ▲1.6(0.16%)
ドル円111.31 円 4/26(火) ▲0.11(0.09%)

4/26(火)のその他主要マーケット指標

FOMCは6月利上げの可能性を残すも経済見通しは下方修正 4/28(木)

リッチモンド連銀製造業指数は好調も耐久財受注など下振れ続出 4/27(水)

原油相場安定の兆しにもダラス連銀製造業活動指数は回復せず 4/26(火)

過去の円安ピークから1年後の円高水準 4/25(月)

4月製造業PMI速報値と日銀の貸出マイナス金利 4/23(土)


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