金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

貿易戦争懸念は続き、長短金利差縮小も止まらず

更新日:2018年6月28日(木)

米長短金利差 2018年6月27日米国主導の貿易戦争懸念は続き、トランプ大統領他要人発言を巡って右往左往の市場。
そんななかで米国の長短金利差は縮小の一途となっています。
米10年債利回りは5月末以来1カ月ぶりの低水準となる2.82%台まで低下、2年債利回りは2.5%台にとどまり、長短金利差は半月ほど前の0.35%台から0.32%台まで縮小。
2007年8月以来、10年10カ月ぶりの水準で縮小傾向が止まらなくなってきました。

長短金利差は今年、2月には一時0.8%付近まで拡大しましたが、貿易戦争懸念が台頭し始めた3月からは縮小傾向が加速し始めた様子です。
関税発動や回避の方針表明などを受けて金利差も拡大と縮小を繰り返しながらもトレンドは縮小方向を維持し、この6月には貿易戦争激化懸念も強まり、金利差は0.1%程度の急縮小となっています。
ならして見れば、長短金利差は年初の0.5%台から現在の0.3%台へと半年で0.2%縮小しています。

このペースで縮小が続いた場合、年末には金利差0.1%台へ、来年前半にも金利差はマイナス圏入り、長短金利逆転となる可能性もありそうです。
リセッション入りのサインとされてきた長短金利逆転となれば、過去にはその半年から1年後にはリセッション入りしてきました。
早ければ、来年後半にも、米国はリセッション入りする可能性にも警戒しておくべきかもしれません。

NY金・日足チャート 2018/5/23 - 6/2727日のNY金相場は0.3%安となって3日続落。12月13日(1248.6)以来、6カ月半ぶりの安値水準。トランプ米大統領の「中国投資制限で最も厳しい措置は取らない」発言でリスク回避の巻き戻し、クドロー国家経済会議(NEC)委員長の「トランプ米大統領は中国に対する姿勢を緩めていない」発言で巻き戻しと米首脳発言に振り回される展開にも根底には通商摩擦を懸念してのリスク回避地合いが継続。NYダウは200日移動平均線割れ、好調だったナスダックも1カ月ぶり安値圏へと軟調推移、VIX指数は2カ月ぶり高水準となる17.91まで上昇。今回のリスク回避局面では米債が買われて金利は低下、しかし金は買われず。不透明感からの様子見状態が続く状態のようにも。下値目安1250ドル近辺までしっかり下げてきたこともあり、28-29日のEU首脳会議を経てユーロ売り一服となればドル高一服となって金の支えにも。

NYプラチナ・日足チャート 2018/5/23 - 6/27NYプラチナ相場は1.07%の大幅反落。2016年2月2日(855.7)以来、ほぼ2年5カ月ぶりの安値水準に。860ドルから870ドル台までの小幅レンジで鍋底状態の保ち合い形成から、安値では860ドル割れを試す展開となり、底割れ警戒感も。金が反発できない状態が続くようなら一段安へと向かう可能性。860ドルをしっかり割れると830ドル付近が次の下値目安となり、2016年安値とで長期的な二番底をつけに行く展開に。

ドル円・日足チャート 2018/5/24 - 6/27ドル円は20銭のドル高円安となって小幅続伸。東京市場から欧州序盤にかけての軟調な局面でも下値は109円70銭近辺までにとどまり、トランプ発言を受けての巻き戻し局面では109円90銭台から110円30銭台まで急騰。再び200日移動平均線(110.21)を超えたNY市場では110円50銭近辺まで上昇。しかしクドローNEC委員長発言を受けて110円10銭台まで反落の展開に。今朝の東京市場でも日経平均の下落にも連れて110円近辺へ。円全面高のリスク回避的な流れでも円よりもドルが買われ、日米金利差縮小でもドル高円安と相関性低下フェーズ入りの様相も。200日移動平均線との攻防は続き、やや方向感喪失気味に。110円台後半へと保ち合い上抜けなら112円台前半、109円半ばを割れると108円台前半を目標にトレンド発生の可能性。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/27終値とチャート

28日の国内金価格は16円安となって3日続落。昨年7月14日(4757)以来、11カ月半ぶりの安値水準に到達。一時的な売られ過ぎ状態となり、NY金の想定水準到達に伴う反発によるサポートも想定されるものの、NY金が行き過ぎの展開となればもう一段の売られ過ぎ継続の可能性も残され、意識される水準としては昨年3月安値4730円台。反発方向へのトレンド転換に向けては4月からの23.6%戻し、4800円台回復が目安に。

プラチナ価格は45円安、1.36%の大幅反落。短期的なダブルボトム崩れとなって安値を更新、2009年2月17日(3185)以来、9年4カ月ぶりの水準での一段安。円安方向にも上値が重い状態で通商リスクやユーロ安なども背景にNYプラチナの一段安も警戒され、国内価格ももう一段の下落が予想される状況に。目先の下値目安は3200円前後まで。切り返して3300円台を回復できれば地合い好転で目標水準は5月安値3380円台へ。
※参考:金プラチナ国内価格6/28とチャート

2018年6月28日(木)時点の相場
国内金4,757 円 6/28(木) ▼16(0.34%)
国内プラチナ3,252 円 6/28(木) ▼45(1.36%)
NY金1,256.1 ドル 6/27(水) ▼3.8(0.30%)
NYプラチナ862.0 ドル 6/27(水) ▼9.3(1.07%)
ドル円110.27 円 6/27(水) ▲0.20(0.18%)

6/27(水)のその他主要マーケット指標

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ドイツIFO企業景況感指数は13カ月ぶり低水準へと減速止まらず 6/26(火)

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