金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

PCEインフレは微妙に伸び悩み

更新日:2018年6月1日(金)

個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)2018年4月米商務省が発表した4月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.0%。3月からは横ばい推移となり、13カ月ぶりにFRBの目標2%に到達した状態を維持しました。
食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+1.8%。3月が+1.9%から+1.8%へと下方修正されたことでこちらも横ばい推移となっています。なお、2月も+1.6%から+1.5%へと下方修正されており、結果的には3月時点で携帯電話サービス料金値下げの影響が剥落したことで急騰した状態が鮮明となり、その後は一服状態となっています。

内訳では商品価格が3月の前年比+0.3%から4月は+0.6%へと上昇し、5カ月ぶりの高水準。これに対してサービス価格は3月の前年比+2.8%から4月には+2.6%へと減速したことで相殺されています。

ちなみに、小数点以下を3桁まで拡大してみると、PCEは3月も4月も前年比+1.968%の横ばい推移となっており、微妙に2%には到達していません。
コアPCEの場合は3月が+1.830%で4月は+1.803%。わずかに4月は減速しています。
ほぼ目標2%近辺に到達したPCEインフレは、微妙に伸び悩む状態となっています。

ただ、エネルギー価格は4月に+8.4%となり、3カ月連続で上昇しています。NY原油価格も月間平均で4月の66.33ドルから5月には69.98ドルへとさらに上昇しており、5月のPCEインフレの押し上げ要因の一つになりそうです。
ただしNY原油は5月後半には72ドル台から67ドル近辺まで急落しており、6月以降の物価押し上げへの貢献度は下がる可能性もありそうです。

しかし、6月からの鉄鋼・アルミ関税保留解除を決定したことで、米国内経済にとってはマイナス要因にもなりそうですが、今後の輸入物価上昇要因の一つとなりそうです。
米国の通商政策によって、PCEインフレが間もなく厳密にも2%を超える日は近いかもしれません。

NY金・日足チャート 2018/4/26 - 5/3131日のNY金相場は0.25%の小幅続伸。イタリアでは連立政権がまとまりそうな動きとなって政局不安が後退すると、保留状態となっていた米国発の貿易問題が再燃。米政府は2カ月間適用除外としていたカナダ、メキシコ、EUに対する鉄鋼・アルミ関税を6月から適用することを発表。これに対してEUとメキシコ、カナダも早速報復措置をとる意向を示唆。貿易問題では米中通商協議も今週末の予定が流動的となり、引き続き不透明感と波乱要因にも。米朝首脳会談の6月半ば開催に向けての動きも続き、FOMCも含めて夏場の市場動向を大きく左右するきっかけにも。NY金は微妙に下値を切り上げながらも1300ドルをはさんでの小動きが続き、今年最高値となった4月上旬を起点に上値を切り下げる下落トレンドの抵抗線との攻防に。目先は1290ドル台から1310ドルまでの狭いレンジを上方向に抜け出せば短期トレンド転換で目標水準1330ドル近辺の上昇局面形成へ。跳ね返されて下方向なら4月からの下落基調延長で次の下値目安は1270ドル近辺へ。
月間ベースでは-14.5ドル(1.1%)となって続落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/4/26 - 5/31NYプラチナ相場は0.18%の小幅高で3日続伸。900ドルから910ドル台までの狭いレンジでの保ち合い状態が続き、金と同様に4月高値からの下落基調の抵抗線との攻防状態に。抵抗感も強いこの水準を上抜けできれば昨年11月までの保ち合い水準960ドルを目標水準に上昇局面形成の可能性。900ドル割れへと反落なら中期下落基調継続となり、次の下値目安は850ドル近辺まで。
月間では+5.7ドル(0.63%)の小幅高、4カ月ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2018/4/27 - 5/31ドル円は0.06%の小幅反落。上値は109円ラインに押さえられ、米国の鉄鋼アルミ輸入制限発動発表を受けての円買い局面でも108円30銭台までにとどまり、概ね108円台後半での保ち合い推移。今朝の東京市場では再び109円トライの流れとなり、日銀の国債買い入れオペ減額を受けて108円70銭台まで急反落となった直後に急速に買い戻され、109円20銭近辺まで急騰するなど荒っぽい動きも。29日安値で108円10銭近辺をつけ、3月安値から5月高値までの半値戻し(108円00銭台)をほぼ達成したことで、売り圧力は後退し始めて逆に今後のリスク後退継続を期待しての買いが優勢となりつつある様子も。短期的には108円半ばがサポート水準となり、これを割れるとあらためて107円台半ばまでの円高進行も、ドル高円安方向の流れが強まるようなら110円前後までが上値目安にも。
月間では-0.47円(0.43%)で反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/31終値とチャート

1日の国内金価格は0.1%の小反落。4月中旬から5月中旬までの保ち合いを下抜けたことによる下落局面も6月に入って下げ渋りの状態に。3月安値から4月高値までの61.8%戻し(4868)を達成していることも下げ止まりの可能性を示す要因にも。短期的には4850円台まで多少の下落余地を抱えながらも、今回の米雇用統計ではサプライズ的な好結果は予想されず、目先は大きく水準を切り下げるような展開は予想し難いところ。反発方向へは4920円が重要な節目に。
週間ベースでは-47円(0.96%)となって3週続落。

プラチナ価格は0.29%の続伸。5月後半の保ち合い縮小からの下放れで相当程度の急落も見込まれたものの、今年安値も意識される水準では下げ渋る状態となり、短期的な下落局面も終息方向の様子も。今年安値更新と3350円台までを試しに行く可能性は低下してきたものの、流れが明確に好転するためには3440円を超える必要。
週間ベースでは-31円(0.9%)で反落。
※参考:金プラチナ国内価格6/1とチャート

2018年6月1日(金)時点の相場
国内金4,872 円 6/1(金) ▼5(0.10%)
国内プラチナ3,408 円 6/1(金) ▲10(0.29%)
NY金1,300.1 ドル 5/31(木) ▼1.4(0.11%)
NYプラチナ910.1 ドル 5/31(木) ▲1.6(0.18%)
ドル円108.81 円 5/31(木) ▼0.07(0.06%)

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