金プラチナ短期相場観

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漂い始める新規失業保険申請件数の底打ち警戒感

更新日:2019年2月8日(金)

新規失業保険申請件数・4週移動平均 2019年2月米新規失業保険申請件数は、1月19日までの週に20万件となり、1969年11月15日までの週(19.7万件)以来、49年2カ月ぶりの低水準となっていました。
その後2週間は25.3万件、23.4万件と反動増となっています。
トレンドを示す4週移動平均では、昨年9月15日までの週に20.6万件となり、1969年12月6日までの週(20.45万件)以来、48年9カ月ぶりの低水準となっていました。
その後5カ月間、4週移動平均はこれを下回ることなく、今年に入ってからは22万件程度での推移が続きます。

年間平均を示す52週移動平均では、今年1月19日までの週に21.92万件となり、1970年4月11日までの週(21.66万件)以来、48年9カ月ぶり低水準となりました。
その後2週間は21.95万件、21.98万件とわずかながらも増加傾向となりつつあります。
そして、この2週間は4週移動平均が22.03万件、22.48万件となり、52週移動平均を上回っています。
直近10週間のうち、4週移動平均が52週移動平均を上回った週は7週間を数えます。

4週移動平均が52週移動平均を上回る状態が2年近く続いた悪化期間を経て、ピークアウト後の4週移動平均が52週移動平均を下回り始めた2009年8月8日までの週以降、散発的に4週移動平均が52週移動平均を上回ることはありました。
しかし、これまでの最高でも10週中5週が1回、6週が1回のみ。10週中7週となるのは今回の改善局面(減少局面)では最大。

政府機関の一部閉鎖なども多少影響している可能性もありますが、「力強い」との評価が続く米労働市場にあって、新規失業保険申請件数には底打ち警戒感も漂い始めます。

NY金・日足チャート 2019/1/3 - 2/77日のNY金相場は-0.2ドル、0.02%の小幅安で5日続落。5日続落でも合計-11ドル、0.83%の小幅下落。過去8年で5日以上の続落で下落率2%未満は初めて。調整局面はこの日も続き、時間外には1月29日以来の安値水準となる1306ドルまで下落。しかし、欧州景気減速懸念と米中貿易協議進展期待の後退からリスク回避の流れとなって巻き戻し。
欧州委員会が今年の成長見通しを前回の+1.2%から+0.2%へと大幅に引き下げ、これを主導するドイツの見通しも+1.8%から1.1%へと引き下げ、ユーロドルは2週間ぶり安値となる1.1340ドル台へと4日続落、ドイツDAXは2.6%超の大幅続落となって3週間ぶり安値、ドイツ10年債利回りは2年3カ月ぶり低水準に。
メイ英首相とトゥスクEU大統領の関係悪化も懸念され、EU離脱交渉の行き詰まりから英FTSEも1.1%超の続落、英10年債利回りも1年1カ月ぶり低水準に。
米国ではクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が米中首脳貿易協議での合意には「まだかなりの距離がある」とし、トランプ大統領も「関税引き上げ期限前に習近平・中国国家主席と会談することはない」との発言。米株はダウもナスダックも1%前後の続落となって1週間ぶり安値圏へ、米10年債利回りも2.7%台ではまたも上値を押さえられて1週間ぶり低水準に。
NY金は下方向への行って来いとなって1310ドル台半ばまで戻して小康状態に。1300ドルまで水準を切り上げてきた20日移動平均線辺りまでが当面の下値サポートとなりやすく、1320ドル台後半から1330ドルまでは当面の抵抗水準に。これを突破するようなら次の上値目標は1340ドル台まで。

NYプラチナ・日足チャート 2019/1/3 - 2/7NYプラチナ相場は-16.5ドル、2.03%の大幅安となって4日続落。810ドルを割り込んだ前日時間外には810ドルラインが抵抗水準となり、NY市場では株安の流れに連れる形で一段安、2週間ぶり安値となって一時800ドルの大台割れ。NY引け後には800ドルを回復する動きにはなっているものの、流れは下値トライ再開へと傾斜、今年安値水準790ドルを割り込むようだとさらに下値模索の展開へ。その場合の下値目安は昨年安値圏、760ドル台まで。
金との価格差は連日の過去最大更新となり、前日の500.6ドルから516.9ドルへと急拡大。

ドル円・日足チャート 2019/1/4 - 2/7ドル円は20銭ほどのドル安円高となって5日ぶりの反落。リスク回避の株安・ドル高・円高となってこの日の値動きも50銭弱と限定的に。欧州時間につけた高値は3日連続での110円00銭台、円高圧力が強まった欧州午後とNY時間につけた安値はまたも109円60銭台。109円台半ばから110円までのレンジ内推移が続き、方向感が定まらない状態に。2.7%をはさんでの保ち合い推移が続く米10年債利回りがレンジブレイクしない限り、ドル円の保ち合い推移も継続の様相にも。上方向に動き出せば111円台前半まで、下方向なら107円台前半までが目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/7終値とチャート

8日の国内金価格は+4円、0.08%の小幅反発。上昇基調の9日移動平均線(4934)に下支えされる形で下げ止まり。わずかに下落し始めた200日移動平均線(4783)を上抜けた90日移動平均線(4787)の上昇基調はまだしばらくは続く見込みで、この関係性を維持したまま200日線が水平状態を回復し、少しづつでも上向けば中期強気トレンドが一段と加速する可能性を残しての3連休入り。目先、4900円の大台ラインから21日移動平均線(4878)辺りまでがサポート水準候補に、上方向に4960円の高値更新となれば5000円の大台トライへ。
週間ベースでは-7円(0.14%)と小幅反落。

プラチナ価格は-25円、0.82%安となって3日続落。1月24日(3006)以来、2週間ぶり安値水準となり、下値目安3000円の大台ライン付近を目指す流れが進行。ほぼ水平状態となっていた90日移動平均線(3167)もわずかに下落基調の兆しとなり、中期トレンド改善に向けてはやや厳しい状況にも。
金との価格差は前日の1881円をさらに大きく上回り、1910円へと過去最大を更新。
週間ベースでは-61円(1.98%)と大幅反落。
※参考:金プラチナ国内価格2/8とチャート

2019年2月8日(金)時点の相場
国内金4,934 円 2/8(金) ▲4(0.08%)
国内プラチナ3,024 円 2/8(金) ▼25(0.82%)
NY金1,314.2 ドル 2/7(木) ▼0.2(0.02%)
NYプラチナ797.3 ドル 2/7(木) ▼16.5(2.03%)
ドル円109.81 円 2/7(木) ▼0.19(0.17%)

2/7(木)のその他主要マーケット指標

フランスとの関係悪化でイタリア景気も悪化に拍車 2/9(土)

漂い始める新規失業保険申請件数の底打ち警戒感 2/8(金)

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米ISM非製造業景況指数は半年ぶり、ユーロ圏は4年ぶり低水準 2/6(水)

米11月製造業受注は2年5カ月ぶりの2カ月連続マイナス 2/5(火)


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