金プラチナ短期相場観
一時的インフレ加速で3月PCEは2.3%、コアPCEもコロナ後最高
更新日:2021年5月1日(土)
インフレ上昇は一時的との主張を貫くFRBの金融政策変更の指針、PCEインフレ指標は3月に急騰。PCEは前年比+2.32%。ほぼ市場予想通りながら、3月の+1.52%からは急騰、4ヵ月続伸で2018年7月(+2.45%)以来、2年9ヵ月ぶりの高水準。シンメトリックな目標2%にとりあえずはいったん到達。ただし、現在の目標はこの水準を安定的にキープすること。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+1.83%。これもほぼ予想通りながら3月の+1.37%から急騰、昨年2月(+1.87%)以来1年1ヵ月ぶりでコロナ後最高水準。
サービス価格が2月の前年比+1.8%から3月は+2.3%へ、1年ぶり高水準へと上昇したのに加え、商品価格も+0.8%から+2.4%へと急騰。近年最高水準となってインフレ急騰に貢献。なかでも、エネルギー関連サービス価格は2月の+1.3%から3月は+13.1%へと急騰。
NY原油価格が2月の月間平均59.07ドルから3月には62.36ドルへと上昇し、1年11ヵ月ぶり高水準となったことも影響したようです。
ダラス連銀が発表するトリム平均PCE、PCE構成品目のうち上位と下位の一定割合を除外して算出した数値では、3月は前年比+1.67%。5年2ヵ月ぶり低水準となった2月の+1.60%からは上昇も、12月(1.75)以来3ヵ月ぶりの高水準にとどまっています。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCE、価格変動分布50%台の品目のみで算出したインフレ指標では3月は前年比+1.96%。2月の+1.91%を上回り、7年9ヵ月ぶり低水準となった1月(+1.90%)から続伸も、これも12月(2.10)以来3ヵ月ぶり高水準にとどまります。
なお、長期的にも上昇を続けるPCE指数は昨年3月に前月比-0.27%と下落しており、前年比の比較対象値が低下したこともインフレ急騰に貢献しています。コアPCEの指数も昨年3月は前月比-0.1%となっていました。
昨年4月のPCE指数は前月比-0.53%、コアPCE指数も-0.43%。今回以上にハードルは下がります。
30日のNY金相場は-0.6ドル、0.03%の小幅安で4日続落。4月15日(1766.8)以来、2週間ぶり安値水準での小動き。変動値幅はわずか10ドルにとどまり、今年の平均28.3ドルの3分の1強で今年最小、昨年2月以来1年2ヵ月ぶりの膠着状態。時間外の高値1773ドルからNY市場での安値1763ドルまで、保ち合いレンジをわずかに下方シフトしたような展開に。予想通りながらPCEインフレ上昇、4月シカゴPMIの予想外の大幅上振れ、ミシガン大消費者信頼感指数の想定以上の上方修正などを受けてドル高が急進したことが重石にはなった様子。ただしこの日は米10年債利回りはFOMC以降の軟調な流れが続いて小幅に低下、タカ派のダラス連銀カプラン総裁の「テーパリングの議論は開始すべき」発言なども影響して米株は3指数揃って下落。強弱材料混在となった感も。節目の1770ドルを前日に割り込んだNY金はこの日、節目をはさんでの揉み合いからNY午後には1770ドルが上限となる形で回復には失敗。5日移動平均線(1773.8)を超えられないようだと下押し圧力が強まり、4月前半までの保ち合い水準1740ドル台までの下落余地を残す状態。
週間ベースでは-10.1ドル、0.57%の続落。月間では+52.1ドル、3.04%高となって4ヵ月ぶり、今年初の反発。
NYプラチナは+7.6ドル、0.63%高で3日ぶりの反発。前日に1200ドル台の節目を割り込んで下値目安1180ドル割れまで急落して反発してきた流れを受けて、時間外の1200ドル付近からロンドン時間にかけて反発基調再加速、NY朝には1220ドル台後半まで上昇。しかし前日高値を超えられず、下降基調となった5日移動平均線(1221.9)上抜けにも失敗する形となって急反落。米株安の流れやパラジウムの最高値更新後の急反落にも連れた格好に。NY引け後にはわずかに1200ドル割れも一時的にとどめてなんとか大台を維持した状態にも。目先は上方向には1220ドル台が抵抗水準候補となって1190ドル台が主要レンジ下限。割れるとあらためて1170ドル台再トライへ。
週間では-27.9ドル、2.26%の反落。月間では+13.7ドル、1.15%高で3ヵ月続伸。1月の横ばい推移をはさむと昨年11月からは5ヵ月続伸。
ドル円は43銭のドル高円安、0.39%の続伸。前日の反発局面一服後は、109円が上限となっての小幅保ち合い推移がこの日の欧州時間まで継続。NY時間にはインフレ指標上昇と一連の米4月ソフトデータの上振れなどを受けてドル全面高。株安進行で円高の流れも強まったものの、月末ロンドンフィックスに向けたドル買いの勢いも加わって109円90銭台へと急騰。5日移動平均線(108.74)の反転とともに反発基調がスタートし、このラインがレジスタンスからサポートへ切り替わり、3週間ぶりに20日移動平均線(108.88)も上抜けてトレンド好転への兆しも。109円70銭の節目を上抜けることになれば一段高の展開も見込まれ、今年高値更新で111円台が上値目標に。
週間では+1.45円、1.34%高で4週ぶりの反発。8週ぶりの大幅上昇。月間では-1.41円、1.27%安となって4ヵ月ぶりの反落。下げ幅は昨年7月(-2.16、2.0%)以来、9ヵ月ぶりの急落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/30終値とチャート
- 2021年5月1日(土)時点の相場
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国内金 : 6,756 円 4/30(金) +-0(0.00%) 国内プラチナ : 4,572 円 4/30(金) ▼58(1.25%) NY金 : 1,767.7 ドル 4/30(金) ▼0.6(0.03%) NYプラチナ : 1,205.2 ドル 4/30(金) ▲7.6(0.63%) ドル円 : 109.33 円 4/30(金) ▲0.43(0.39%)
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