金プラチナ短期相場観
プラチナ相場の反発力は金に比べて弱すぎるのか?
更新日:2014年10月14日(火)
リスク回避傾向が強まり下落基調が続く株式市場、株安に連れてドル高の流れの巻き戻しが進む為替市場、この流れに応じて金相場は反発基調が継続。しかし、これに追随できないプラチナ相場。ドル円の高値からの反落、金とプラチナは安値からの反発局面にある現在、プラチナ相場の反発力だけが弱そうにも見えます。
現時点でのNY金とプラチナの90日相関係数は0.92542と相変わらず相関性の高さを示します。しかし、30日相関係数は0.8888とピークからは低下傾向。約4ヶ月間のレンジで見れば金とプラチナの相関性の高さは維持しているものの、1ヶ月半の短期レンジの相関性は低下中。なお、現在短期レンジで金との相関性が最も高いのは豪ドル/米ドル、相関係数は0.9271。新興国通貨に近い動きとなりやすい豪ドルは、新興国通貨と同様に米ドル高の時に売られた反動で、ドル売りに伴う買い圧力が高まっています。
金とプラチナの急落からの反発局面での値幅を比較してみると、金は10月6日安値1,183.3ドルから13日高値1,238ドルまで54.7ドル、+4.62%の反発。これに対してプラチナは6日安値1,186.5ドルから9日高値1,294.8ドルまで108.3ドル、+9.13%の大幅反発となっています。ただし、その後13日安値1,255.1ドルまで-39.7ドル、-3.07%の下落。6日安値から13日終値までで見ると+6.3%。それでも金を大きく上回ります。
なお、ドル円の10月1日高値から13日安値までの下落率は-3.01%、NYダウの10月6日高値から13日安値までの下落率は-4.61%。これらと比較しても妥当な数字、強いて言えば、NYダウと金の騰落率が絶対値で同等となっていることから、金がやや小幅上昇なのか、もしくはNYダウがやや大幅下落なのか、という程度で、プラチナの反発度合いは決して小幅ではなく、それなりの反発力を示していることになります。
決定的な違いは、急落局面に至るまでの下げ幅が違うこと。7月から9月までの3ヶ月間合計で、金相場は8.35%の下落となっていたのに対し、プラチナは3カ月続落で-12.44%もの大幅下落となっていました。これだけ下落すれば、それなりの値幅を戻すのにも、それなりの時間を要することになります。
13日のNY金相場は0.68%の反発。およそ1カ月ぶりに1,230ドル台を回復、一時1,238ドルまで上値を伸ばして目標水準1,230ドル台後半に到達。月初の急落局面からの自律反発の流れは一段落した可能性も。ただし短期トレンドは上向きのまま、株価の下落リスクやドル高調整局面が続くならサポート材料に。下方向には1,200ドル台が重要な節目に。
プラチナ相場はわずかに0.4ドルの続落。金に連れ高となってもう一段の反発へ、と続かないところにプラチナの地合いの弱さが表れている様子。急落・急反発局面を経て変動率が極端に高まった状態から落ち着き切れていない状況であることを考慮すれば、上下にブレやすい状態もやむなしか。1,260ドル台での足場固めを経て1,280ドルの抵抗線を突破できれば1,300ドル台へ。
ドル円は0.77%の大幅安となり、3営業日続落。NY市場終盤の株価急落に合わせてドル売りが進行すると約1ヶ月ぶりとなる107円台割れ、106円70銭台まで下落し、下値目標水準106円60銭近辺に到達。調整局面一服となりやすいところも株価下落がネガティブ材料にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/13終値とチャート
14日の国内金価格は0.24%の小幅反発。戻り基調継続で方向感もほぼニュートラル状態へと戻ってきた状態。上昇余力はそれほど強くはないものの、上値目標4,580円近辺までの上値余地は継続。4,500円台がサポートライン。
プラチナ価格はわずか2円の上昇。9日移動平均線に上値を押さえられて反落した状態での横ばい推移となり、下落トレンドからも抜け切れない状況。局面打開のためには目前の9日移動平均線を超え、レジスタンスライン化しつつある4,740台を突破する必要。
※参考:金プラチナ国内価格10/14とチャート
- 2014年10月14日(火)時点の相場
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国内金 : 4,551 円 10/14(火) ▲11(0.24%) 国内プラチナ : 4,683 円 10/14(火) ▲2(0.04%) NY金 : 1,230.0 ドル 10/13(月) ▲8.3(0.68%) NYプラチナ : 1,261.2 ドル 10/13(月) ▼0.4(0.03%) ドル円 : 106.83 円 10/13(月) ▼0.83(0.77%)
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