金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

プラチナ相場と南アフリカランドの関係

更新日:2014年11月10日(月)

世界のプラチナ産出量の7割以上を占める南アフリカでのプラチナ価格の変動は、NYプラチナ相場へも影響を及ぼします。その南アフリカ国内でのプラチナ価格には、為替レートが大きく影響します。南アフリカ共和国の通貨、南アフリカランドの対ドル為替レート(USDZAR)は通常、1ドルあたりの南アランド、で表現されます。

最近では1ドル=11ランド台での推移が続きますが、この水準は、今年1月の新興国通貨安リスクが高まった時期と同等のドル高・南アランド安の水準。過去10年間では、1ドル=6-8ランド程度の推移が続き、2008年10月の金融危機の時に急落し、一時的に11ランド台後半を記録したのが最安値圏。2009年から2012年頃までは1ドル=7-8ランド台での推移に戻り、2013年以降はランド安基調が続きます。
現在、南アランドの対ドルレートは過去(10年間で)最安値圏にある、状態です。

日本でドル円相場が円安になると国内プラチナ価格が上昇するのと同じように、南アフリカではドル南アランド相場が南アランド安になれば、南アフリカ国内でのプラチナ価格は上昇します。近年の南アランド安傾向に伴い、南アランド建てのプラチナ相場価格(理論値)はゆるやかな上昇傾向となっています。

しかし、この秋のNYプラチナ相場の急落により、南アランド建てプラチナ価格も大きく下落しました。その結果、南アランド建てプラチナ価格は13,500ランド近辺。プラチナの生産コストラインと言われる13,175ランドが意識される水準となっています。
採算割れ回避の為に産出量の調整が入るようなら、需給関係にも影響し、プラチナ相場の下支え要因となります。

過去最安値圏にあるドル南アランド相場の流れが反転するようなら、逆相関の関係にあるNYプラチナ相場は上昇しやすく、逆に過去最安値圏を突破して南アランド安が続くなら、NYプラチナ相場が下落する可能性も高まります。しかし、今回の急落局面のようにNYプラチナ相場の下落ペースが南アランド安のペースを大きく上回る状態では、南アランド建てプラチナ価格も押し下げられ、南アフリカでの採算ライン割れがいよいよ現実味を帯びることになります。
プラチナの売り圧力も、徐々に弱まる可能性が高そうです。

10日の国内金価格は1.68%の大幅高となり2営業日続伸。雇用統計の結果を受けたNY金の大幅反発が円安調整度合いを大きく上回ったことにより、4,510-4,570円台のレンジでの乱高下状態から上抜け。9月2日以来2カ月ぶりの4,600円台を回復。やや下向きかけていた流れも好転し始め、上値目標4,670-80円辺りを目指す可能性。サポートラインは4,510円。

プラチナ価格は0.57%高で4営業日ぶりの反発。ゆるやかな短期上昇トレンドで4,780円程度の上値目標を目指す流れが継続。早めにクリアできれば、この流れが続きやすく、4,800円台半ば辺りが次の目標水準となる可能性。時間を要し過ぎると流れが変わることも。4,660円台は重要なサポートライン。
※参考:金プラチナ国内価格11/10とチャート

2014年11月10日(月)時点の相場
国内金4,602 円 11/10(月) ▲76(1.68%)
国内プラチナ4,759 円 11/10(月) ▲27(0.57%)
NY金1,169.8 ドル 11/7(金) ▲27.2(2.38%)
NYプラチナ1,212.8 ドル 11/7(金) ▲15.7(1.31%)
ドル円114.60 円 11/7(金) ▼0.61(0.53%)

11/7(金)のその他主要マーケット指標

LMCI(労働市場情勢指数)2014年10月は労働市場の好調を示唆 11/11(火)

プラチナ相場と南アフリカランドの関係 11/10(月)

つつみ線(抱き線)のプラチナ、毛抜き天井のドル円 11/9(日)

満月の日の雇用統計が期待はずれとなった理由 11/8(土)

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