金プラチナ短期相場観
プラチナ相場は当面の底値をつけた可能性が高い理由
更新日:2015年2月27日(金)
NYプラチナ相場は今週2月24日、2009年7月以来5年7カ月ぶりの安値水準となる1,155ドルまで下落し、NY市場終値でも1,162.6ドルの安値を記録しました。その後2日間でやや反発し、今朝時点では1,170ドル台へ。昨年後半からの急落局面では1,200ドル近辺まで水準を切り下げ、今年に入っていったんは1,290ドルまで反発。しかし、その後再び反落局面となり昨年安値を更新、この間に金相場を下回り、価格差逆転状態に。
24日の1,162ドルで完全に底値をつけて反転したかどうかの判断には、もうしばらく時間を要しますが、当面の安値水準に達している可能性はかなり高そうです。
世界のプラチナ産出量の7割を占める南アフリカでの、南アフリカランド建てプラチナ価格がコスト割れ水準に急接近していることがその理由。
新興国通貨安の流れがゆるやかに続く南アランドは、今月2月11日にはリーマンショック時の安値水準をわずかに超え、1ドル=11.80ランド台まで下落、過去10年での最安値水準に到達していました。
いっぽう、南アランド建てプラチナ相場は、昨年11月、NYプラチナ相場が1,200ドルの時に13,200ランド付近まで下落して反発すると、1月のNYプラチナ相場上昇と南アランド安の流れにより急上昇。NYプラチナ相場が終値ベースの今年高値1,286.6をつけた1月20日には、南アランド建てのプラチナ価格も14,910ランドまで上昇。
しかし、2月に入るとNYプラチナの反落基調に、南アランドの反発も重なったことにより、南アランド建てプラチナ価格は急落。先週末時点での13,590ランドからさらに下落し、NYプラチナが今年安値をつけた24日には13,360ランド付近まで下落しました。
南アランド建てプラチナ価格の生産コストとされる13,175ランドに接近するたびに反発してきた流れが、今回も繰り返されることになるなら、現在もその水準に到達しています。
26日のNY金相場は0.72%の続伸。欧州時間まではドル売りの流れに伴う買い戻し、前日に何度もトライした1,210ドルの抵抗線をあっさりと上抜けると1,220ドル付近まで上昇。NY時間には米CPIコア指数の上振れをきっかけに1,200ドル台半ばまで急反落。終値ベースでなんとか1,210ドルの抵抗線を上抜けたことにより、下方リスクは大幅緩和、地合い改善方向へ。目先の上値目標は1,230ドル台、1,190ドル台が当面のサポートラインに。
プラチナ相場も0.41%の続伸。反発局面では10日ぶりの高値水準となる1,190ドル台まで急騰。しかし、その後の反落値幅も大きく、元の水準付近まで行って来い。1,170ドル台後半の抵抗水準上抜けにいったんは失敗した形。トレンド転換に向けて再トライ継続か。1,180ドル台をしっかり回復できれば1,200ドル近辺を目指す流れも。
ドル円は0.47%の反発。米1月の消費者物価コア指数が前月比+0.2%となり、予想の0.1%を上回ったことで低インフレ懸念緩和期待が高まり、ドル買い優勢へ。118円台後半での軟調推移から119円50銭まで上昇し、最近の抵抗水準を突破。目標水準121円台前半を目指す流れがスタートした可能性。サポートラインは118円70銭台。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/26終値とチャート
27日の国内金価格は0.79%の反発。ようやく明確な反発、1カ月間抵抗線となっていた9日移動平均線も上抜け、下落トレンド収束へと向かう可能性が高まってきた様子。ここから5,000円近辺までは抵抗水準にもなりやすいところ。
週間ベースでは+15円(+0.3%)となり5週間ぶりの反発。月間では-150円(-2.93%)、4カ月ぶりの大幅反落。
プラチナは0.83%高で3日続伸。ゆっくり反発基調へと移行し始め、12月安値水準に到達。ここが抵抗線とならなければ次の目安は90日移動平均線のある4,900円近辺、その次に4,950円付近。
週間ベースでは+31円(+0.64%)で3週ぶり反発。月間では-133円(-2.67%)の続落。
※参考:金プラチナ国内価格2/27とチャート
- 2015年2月27日(金)時点の相場
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国内金 : 4,976 円 2/27(金) ▲39(0.79%) 国内プラチナ : 4,843 円 2/27(金) ▲40(0.83%) NY金 : 1,210.1 ドル 2/26(木) ▲8.6(0.72%) NYプラチナ : 1,173.6 ドル 2/26(木) ▲4.8(0.41%) ドル円 : 119.41 円 2/26(木) ▲0.56(0.47%)
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