金プラチナ短期相場観
明暗分かれる製造業PMI(景況感)
更新日:2015年3月25日(水)
3月の製造業PMI速報値がHSBCとマークイットから発表され、明暗分かれる結果となっています。
ユーロ圏は51.9となり、昨年5月以来10カ月ぶりの水準へと上昇。好不況の分かれ目となる50はなんとか上回りながらも、51以下の水準での低迷が半年ほど続いていたユーロ圏は、ECBの量的緩和効果もあり急上昇。
ただし、その内訳となる主要国の数値では、ドイツが52.4へと前月の51.1から急上昇。昨年7月以来8カ月ぶりの高水準となったのに対し、フランスは48.2。前月の47.6からは上昇したものの、節目の50を下回る状態が11カ月連続。ユーロ圏内での明暗分かれる状況は続きます。
HSBCが発表した中国の製造業PMIは49.2となり、12月-1月の50割れから2月にようやく50台へと持ち直したかに見えていたのに再び50割れ、昨年4月以来11カ月ぶりの低水準。中国経済の鈍化が世界経済鈍化へとつながる状況はまだ続きそうです。
マークイット発表の米国の製造業PMI速報値は55.3。前月の55.1からも上昇し、5カ月ぶりの高水準。金融政策も正常化に向かおうとしている米国経済の堅調ぶりを示します。米国製造業の景況感では、より重視されるISM製造業景況指数の鈍化傾向にも歯止めがかかる可能性も高まります。
同じくマークイット発表の日本の製造業PMI速報値は50.4。前月の51.6から大きく低下し、節目の50も意識される10カ月ぶりの低水準に。
量的質的緩和がスタートして丸2年、為替は1ドル=90円台半ばから120円まで30円近くも円安となり、株価は1万2千円台から今や2万円に届こうかという水準まで上昇しているにも関わらず、景気は好調と答えた購買担当者は全体の半分をわずかに上回る程度。
円安の悪影響、日本人の株保有者はごくわずか、インフレ率は低迷状態継続、賃上げもまだごく一部。そんな状況が景況感に反映されているようです。
24日のNY金相場は3.7ドル(0.31%)の上昇で5日続伸。米2月のCPIコア指数が前月比で予想を上回るとドル買いの流れで1,184ドルまで売られる場面もあったものの、その後は買い戻される堅調さも。1,200ドルの大台手前でやや失速気味となり、反落リスクと買い戻し継続の流れによる揉み合い状態も想定される。1,210ドル台の節目を上抜けできれば1,200ドル台半ばへと上値余地拡大の可能性。
プラチナ相場は3ドル(0.26%)の小幅反落。金に連れ安となった後の買い戻し局面にはまだ弱さが見られる状況。方向感は上向きつつあるものの、21日移動平均線にきっちり上値を押さえられる状態が継続。
ドル円は前日比ほぼ変わらず。軟調推移が継続し、119円20銭台までドル安円高進行後、CPIの好結果に救われた形で反発。しかし上値も120円台手前が抵抗水準となりつつある状態。目先の目標水準118円台後半へ、再度下値トライの流れとなる可能性は十分に残される状況。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/24終値とチャート
25日の国内金価格はわずかに4円(0.08%)高で5日続伸。スローペースながらも目標水準4,950円台に向かう流れは着実に進行中。底値反転後、一度も調整局面をはさんでいないことがやや気懸かり。
プラチナは36円(0.76%)の反落。流れが好転しつつある状況には変わりなく、上昇基調が加速するためにはこの程度の調整は必要。前日の4,733円を上抜ける反発力があれば地合いは大きく好転し、上値を伸ばす可能性。超えられないようなら、この水準がレジスタンスとなって失速へと向かう可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格3/25とチャート
- 2015年3月25日(水)時点の相場
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国内金 : 4,911 円 3/25(水) ▲4(0.08%) 国内プラチナ : 4,697 円 3/25(水) ▼36(0.76%) NY金 : 1,191.4 ドル 3/24(火) ▲3.7(0.31%) NYプラチナ : 1,141.5 ドル 3/24(火) ▼3.0(0.26%) ドル円 : 119.74 円 3/24(火) ▲0.04(0.03%)
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