金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

円安でも値上がりしなくなった日本の金価格

更新日:2015年3月16日(月)

3月に入って2週間経過し、為替は1ドル=119円台半ばから121円台半ばへと2円近くも円安が進行しています。正確には前月末比+1.79円、+1.49%。
通常、為替の円安が進行すると日本国内の輸入品価格は上昇し、輸入品である金の価格も上昇しやすくなります。しかし、3月の国内金価格はここまで下落傾向が続きます。前月末比-137円、-2.75%と円安効果が見られないどころか、円安幅以上に下落しています。
NY金相場が前月末比-60.7ドル、-5%も下落している為、この下落分を円安効果では補いきれない状態となっているからです。

結果的に、短期的にはNY金相場と国内金価格の連動性が非常に強まり、30日相関係数は0.935台と非常に強い相関関係を示す状態が続いています。今は、多少の円安では国内金価格は上昇しない状態、逆に多少の円高でも下落しない状態とも言え、国内金価格の動向はNY金相場の動向次第、という状態です。

この影響で、ドル円相場と国内金価格の関係は、短期的には逆相関関係が強まっています。30日相関係数は-0.839台に達し、円高なら金価格は上昇、円安なら下落、という関係になっています。

しかし、常にこういう状態にあるわけではなく、時折り逆のケースも見られます。
昨年12月15日時点での、ドル円と国内金価格の30日相関係数は0.87307。今とは真逆の強い相関関係となっていました。
円安進行度合いが強かった為で、日銀追加緩和の影響で急騰した11月のドル円は+6.32円、+5.63%もの円安となっていました。同じ11月のNY金相場は+3.6ドル、+0.31%と値動きが縮小していたことで、この時期のNY金と国内金価格の30日相関係数は0.3358とほぼ無関係状態。
円安になればなるほど国内金価格は上昇、円高なら下落、という状態でした。

国内金価格は、ドル円相場とNY金相場の値動きが荒いほうへついて行くことになります。
ドル円相場とNY金相場の動向に多大な影響を及ぼす、日米の金融政策の指針が示される今週、日銀から円安材料が提供される可能性は極めて低いと予想され、FRBからドル高材料もしくはドル安材料が提供される可能性はかなり高そうです。
いずれにしてもドル円の変動率が高まる可能性はまだ低く、今週の国内金価格は、NY金相場の荒い値動きに追随することになりそうです。

16日の国内金価格は3日続落となっていた先週末から変わらず。FOMCへの警戒感により値動きは縮小、下落トレンドは継続中で4,820円程度までの下値余地を残す状況。FOMC後の値動き拡大で下値リスクが高まるようなら4,800円台割れリスクも。反発へと向かった場合の抵抗線は4,900円。抜けるとさらに50円程度の上昇余地も。

プラチナは0.58%安で4営業日続落、10月31日以来の安値水準に。NYプラチナの下げ止まり感が弱く、微妙に水準を切り下げる動きが継続している影響で国内価格も4,600円台前半へとさらに水準を切り下げる可能性も。FOMC後には金に連動して急反発か、もしくは下方向へさらに加速する可能性もあり、荒い値動きへの警戒感が高まる週に。
※参考:金プラチナ国内価格3/16とチャート

2015年3月16日(月)時点の相場
国内金4,839 円 3/16(月) +-0(0.00%)
国内プラチナ4,667 円 3/16(月) ▼27(0.58%)
NY金1,152.4 ドル 3/13(金) ▲0.5(0.04%)
NYプラチナ1,115.2 ドル 3/13(金) ▲0.3(0.03%)
ドル円121.43 円 3/13(金) ▲0.14(0.12%)

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