金プラチナ短期相場観
予想外に落ち込む米国の小売売上高がFRBの足を引っ張る?
更新日:2015年3月13日(金)
米商務省が発表した2月の米小売売上高は、市場予想の前月比0.3%増に反し、前月比0.6%の減少となりました。
前月比での減少はよくあることで、これまでも頻繁に-0.4%程度までの下振れを記録しています。しかし、マイナス圏は常に単発で終え、翌月には反発していました。12月の-0.9%、1月の-0.8%に続き、3カ月連続での減少はレアケース。
また、4カ月平均の推移で見ると、2011年以降は前月比+0.2%前後の状態が続いていたのに、2014年末から急落。2011年以降で初のマイナス圏へと落ち込み、2月時点では-0.4%。
寒波の影響なども指摘されますが、それは毎年のことで、その度に落ち込んでは反発していました。
原油価格急落に伴うエネルギー価格低下よる消費サポート効果よりも、ガソリン価格低下に伴うガソリン売上などの落ち込みのほうが大きかった可能性もありそうです。
小売売上高の低迷が続けば、GDP成長率にも影響し、インフレ率低迷状態が続き、賃金上昇への足を引っ張ることにもつながります。結果的にFRBの金融政策正常化に向けた思惑にもブレーキがかかる可能性が高まります。
そんな状況下で、原油相場が再び下落の兆しを見せ始めています。
12日のNY市場、金相場は1.3ドル(0.11%)の小反発。4カ月ぶりの安値となった前日からの反発局面では1,160ドル台半ばまで上昇、しかしこれも一時的。1,160ドル台では3日連続上値を押さえられ、下値も1,150ドル割れ水準では2日連続で反発し、下げ止まりの兆候も。ここまでは昨年安値1,130.4ドルとで2番底形成への可能性。
プラチナ相場はわずかに0.5ドルの下落となり8日続落。8日続落となるのは昨年8月末の急落時期の9日続落以来のこと。1,212ドルに位置する90日移動平均線からの乖離幅は約100ドルに達し、乖離率では危険水域の8%超え。1,318ドルにある200日移動平均線との乖離率は15%を超え、昨年8月末の急落局面以降でも最大。
ドル円は0.13%の小反落。新規失業保険申請件数が事前予想を下回り、雇用回復傾向を示したのに対し、2月小売売上高が事前予想を下回り、景気の先行き不透明感が台頭し、121円ちょうど付近から一時120円60銭台まで急落。しかし120円台では底堅く、終値ベースでの121円台維持は4日め。流れはややドル高方向ながらも勢いには欠ける状態で、121円台前半を中心とする保ち合いが継続。昨年高値121円85銭と今年高値122円02銭とでダブルトップを形成して反落へ、というシナリオへの警戒感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/12終値とチャート
13日の国内金価格は前日比-4円の小幅安で3日続落。中期上昇トレンドのサポートラインとなっている右肩上がりの90日移動平均線を少し下抜けた状態にあり、中期トレンド維持ならまもなく反発も予想されるところ。下抜けた状態が長期化するようなら中期トレンドも変化することに。目先は短期下値目標4,820円程度まで、若干の下落余地を残す状況。
週間ベースでは-127円(-2.56%)で続落。
プラチナも0.3%安で3日続落。中期スパンでは横ばい推移の状態を示す水平状態の90日移動平均線からの下方乖離が進行中。短期下落トレンドでの下値メドとなっていた4,730円付近を超えており、減速の可能性は高まる状況。
週間ベースでは-185円(-3.79%)となり、3週間ぶりの大幅反落。
※参考:金プラチナ国内価格3/13とチャート
- 2015年3月13日(金)時点の相場
-
国内金 : 4,839 円 3/13(金) ▼4(0.08%) 国内プラチナ : 4,694 円 3/13(金) ▼14(0.30%) NY金 : 1,151.9 ドル 3/12(木) ▲1.3(0.11%) NYプラチナ : 1,114.9 ドル 3/12(木) ▼0.5(0.04%) ドル円 : 121.29 円 3/12(木) ▼0.16(0.13%)
予想外に落ち込む米国の小売売上高がFRBの足を引っ張る? 3/13(金)
イエレン・ダッシュボードは相変わらずの状況も好調維持 3/11(水)
2月の米労働市場情勢指数LMCIは低調、マーケットは無視 3/10(火)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン