金プラチナ短期相場観

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年末にかけてコアPCEインフレも目標2%到達の可能性?

更新日:2018年2月20日(火)

コアPCE・CPI・UIG 2018年1月米FRBのインフレ目標の指針となり、米商務省が発表するコアPCEは12月時点で前年比+1.5%の横ばい推移となっています。この先行指標でもあり、労働省が発表する食品とネルギーを除く消費者物価指数(コアCPI)は1月分が既に発表されて前年比+1.8%。これも12月からは横ばい推移。アトランタ連銀が発表するスティッキーCPI(価格変更頻度が少なく、比較的固定的なものの価格指数)は1月に+2.18%。直近3カ月は2.10%台で小幅に上昇。この3つの指標の関係性は、上から順にスティッキーCPI、コアCPI、コアPCEと並び、2012年以降はこの状態を維持しての推移が続いています。

これに対してNY連銀が昨年9月から発表している基調的インフレ率(UIG:Underlying Inflation Gauge)では、CPIの構成品目に経済指標や金融市場の関連指標なども加味して算出され、直近8カ月連続上昇で1月には3.0%に達し、2006年8月以来11年5カ月ぶりの高水準となっています。
他の3つのインフレ指標と比べると変動が大きく、最近では堅調な景気動向と株高基調などを反映しての上昇傾向が続いている様子です。
PCE、CPIなどの指標は好景気でもインフレ上昇率が限定的にとどまる状態が続きます。

ただし、過去の推移から見ると、UIGはPCEはやCPIなどに対して先行性も見られます。
コアPCEが前回2.0%以上となったのは2011年12月から翌年4月までの5カ月間。UIGはその8カ月前に当時のピーク水準となる2.6%に到達していました。
しかし、まもなくUIGが低下傾向となったことでコアPCEの2%台も長くは続かず、減速基調へと向かいました。

UIGの(1995年以降での)過去最高水準は2004年の3.56%台。現在の3.0%からも上昇余地は十分にあり、UIGのインフレ加速基調が今後もしばらく続くことになれば、コアCPIもPCEもいずれ追随する形で加速基調を強めることにもなりそうです。
そうなれば、年末にかけてコアPCEインフレもFRBの目標2%付近に到達する可能性もあるかもしれません。

そんな見込みを前提としてか、FRB副議長候補でもあるクリーブランド連銀メスター総裁は今年3回から4回の利上げも想定。同じく副議長候補に挙げられているサンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁も年3回もしくは4回が妥当と発言しています。
エコノミストの間でも年4回の利上げを想定する声は2月に入っても増加傾向にあり、JPモルガン・チェースは財政支出による景気過熱で年4回を想定、ゴールドマンサックスも2019年末にかけて長期金利3.5%への上昇予想とともに年4回の利上げも想定。クレディ・スイスも今月、米予算案成立を受けて年3回から4回へと予想を引き上げています。

UIGの上昇基調が続く限り、インフレ加速と利上げペース加速観測が強まる可能性はありそうですが、UIGが失速し始めたら要注意、です。

ドル円・日足チャート 2018/1/16 - 2/1919日の米国市場はプレジデンツデーの祝日で休場。為替ドル円は東京市場午前に一時106円00銭台まで下げた後は日本株の大幅高にも牽引されるようにドル高円安の流れとなり、欧州時間には106円60銭台、閑散状態のNY時間には106円70銭台まで上昇。前週末比+0.27%の小幅続伸となり、105円50銭台の安値でいったん底打ちした可能性もわずかに示すような形に。ただし、その可能性を高める為には最低でも107円台回復が必要。107円台に届かない限りは戻り売り優勢の展開継続へ。さらに年初からのドル安円高トレンド転換の為には今週中に107円台後半から108円台回復が必要に。再度106円を割れた場合には105円近辺まで急落の展開も。

週明け時間外のNY金は1350ドルをはさんでの揉み合いに終始も今朝時点では1340ドル台半ばへとやや軟調推移。20日の国内金価格は0.16%の小幅高で3日ぶりの反発。小幅円安に支えられての戻りも限定的となって直近安値4950円にも届かず、節目割れに伴う下落基調で4900円付近を目指す流れは継続。短期トレンド転換に向けては今年高値(5127)から安値(4938)までの23.6%戻し(4983)から90日移動平均(4993)までの水準を回復したいところ。そうなれば5000円台回復へと向かい、次の上値目標は半値戻しとなる5030円台辺りまで。

プラチナ価格は0.62%の続伸。時間外のNYプラチナは一時1016ドルの高値を試すも今朝にかけては節目の1010ドル割れへとやや失速。円安基調にも支えられて国内価格の戻り基調は今年高値(3843)から安値(3629)までの38.2%戻し(3711)付近に到達。短期トレンド好転に向けては50%戻し(3736)達成が目安に。プラチナの堅調度合いを示す金との価格差は縮小傾向を強め、9月11日以来5カ月ぶり低水準となる1240円。
※参考:金プラチナ国内価格2/20とチャート

2018年2月20日(火)時点の相場
国内金4,946 円 2/20(火) ▲8(0.16%)
国内プラチナ3,706 円 2/20(火) ▲23(0.62%)
NY金1,356.2 ドル 2/16(金) ▲0.9(0.07%)
NYプラチナ1,012.3 ドル 2/16(金) ▲11.2(1.12%)
ドル円106.59 円 2/19(月) ▲0.29(0.27%)

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