金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

金利急騰への警戒感から株価急落でドル高の流れも巻き戻し

更新日:2018年2月5日(月)

週末の米1月雇用統計で賃金上昇率が急騰したことをきっかけに長期金利も急騰し、ドル高急進の展開となりました。米12月の製造業受注と1月のミシガン大消費者信頼感指数も予想を上回る好結果となり、米国経済の好調を示す状態に変わりはないものの、短期間での金利急騰への警戒感から株価急落の状態となっています。
週明けの東京市場では日経平均も500円超の下げ幅となるなどリスク回避ムードも漂い、ドル円も110円割れへと軟調推移、一時雇用統計前の水準109円80銭台まで下げる場面も。米10年債利回りは2.86%台へと上昇の勢いが続き、金利上昇だけが続きそうな状況ともなっています。
この流れを受けてNY時間外の金も先週末終値からはやや値を下げて1330ドル台前半から半ばの攻防。調整局面がもう一段進行しそうにも見えながらも下げ渋る状況に。プラチナは軟調気味の推移となって990ドル付近までを既に何度かトライ、990ドル台前半での推移。

国内金価格 週足チャート 2018年2月5日国内金価格は1月9日に5127円の高値をつけて反落、軟調推移の展開が1カ月弱続いています。高値をつけた場面では、20週移動平均上方乖離4%ライン(5189)に少し及ばず失速した形となりました。過去の推移からは、+4%ライン近辺まで上昇した後の反落局面では、少なくとも20週移動平均線まで下落しています。先週安値5011円は20週移動平均(4997)にわずかに届かず反発。今週は再び下値トライか反発基調継続か、微妙な状態でのスタートとなっています。

長期的には上向きの52週移動平均線(現在4899)を1年前にゴールデンクロスした20週移動平均線(現在4999)も上昇基調が続き、これがサポートラインとなる形で上昇トレンドが継続中。今後、20週移動平均線を割り込んだ場合でも、52週移動平均線にサポートされる確率は高そうです。
ただし、1年強ぶりに52週移動平均を下回るような展開となった場合には、長期トレンド転換の可能性が意識されることになり、20週移動平均下方乖離4%ライン(現在4799)が下値警戒水準として浮上することにもなります。

5日の国内金価格は0.55%安となって3日ぶりの反落。水平状態となってきた21日移動平均線(5079)をデッドクロスした9日移動平均線(5061)が下降線を辿り、これに上値を押さえられる形となって上値を切り下げる展開に。短期的には円安方向への流れが失速し、NY金の調整局面進行の可能性は継続中となって国内金価格の下押し圧力は強まる状況に。下方向への節目5010円を割れると、水平状態の90日移動平均線(4995)が次のサポートとなる可能性はそれほど高くなく、4960円台までが当面の下値目安に。切り返して5070円台を上抜けることができれば今年高値再更新トライへの可能性も。

国内プラチナ価格 週足チャート 2018年2月5日国内プラチナ価格は1月22日に今年高値3843円をつけて反落の展開が2週間続いています。高値をつけた場面では、20週移動平均上方乖離5%ライン(3820)を少し突き抜けて反落しました。+5%ラインを超えると反落するパターンがこれまでと同様に繰り返された形です。+5%ライン超でピークアウトした後、これまで3週間以内に急落の展開となっており、今週から来週にかけては急落警戒ウィーク、とも言えそうです。
また、+5%ライン超でのピークアウト後には、これまで100%の確率で20週移動平均線を突き抜けて-5%ラインまで下落してきました。

長期的には52週移動平均線の下落角度は急速に緩やかにはなっているものの、まだ下落基調は止まらず、ゆるやかな下落トレンドは継続中。
現状、52週移動平均線(3660)のすぐ下に20週移動平均線(3644)がわずかに上向きで推移しており、54週移動平均線をゴールデンクロスできるかどうかが、長期トレンド好転に向けての当面の課題となっています。
その方向へと近づくことができれば、20週移動平均下方乖離5%ライン(現在3462)までの下落を回避することも可能となるかもしれません。
まずは20週移動平均線(3644)近辺までで短期下落局面を終えることができるかどうかが、当面のポイントになりそうです。

5日のプラチナ価格も3日ぶりの反落で1.03%の大幅安。NYプラチナの軟調推移をカバーするほど円安圧力が強まらず、下値警戒感が徐々に強まる様子も。9日移動平均線(3767)が21日移動平均線(3767)をデッドクロスしつつあり、短期的には強気相場からの後退フェーズが加速しそうな状況にも。3730円の節目を割り込む可能性も高まりつつあり、そうなれば昨年12月初旬までの保ち合い水準3640円前後までを目指す下落局面形成へ。流れが巻き戻され、3780円台へと上昇できれば上値再トライの展開で3880円台を目指す流れとなる可能性もわずかに残される状況。
※参考:金プラチナ国内価格2/5とチャート

2018年2月5日(月)時点の相場
国内金5,044 円 2/5(月) ▼28(0.55%)
国内プラチナ3,738 円 2/5(月) ▼39(1.03%)
NY金1,337.3 ドル 2/2(金) ▼10.6(0.79%)
NYプラチナ999.4 ドル 2/2(金) ▼8.4(0.83%)
ドル円110.18 円 2/2(金) ▲0.78(0.71%)

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