金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ECBフォワードガイダンス修正はこれから、景況感失速もこれから

更新日:2018年2月23日(金)

ドイツIFO企業景況感指数 2018年2月ECB理事会議事要旨では、「フォワードガイダンス修正は時期尚早」であるとの見方が示され、金融政策正常化に向けたガイダンスの修正は「今年の速い段階で再考」の可能性がある、という段階に過ぎないことが明示されました。
ECB利上げに向けての動きを先取りしてのユーロ高の流れが足下では一服状態となっていましたが、この議事要旨発表後には乱高下の反応を経て、ユーロ高の流れが強まりました。もう少しタカ派的と思われた内容がややハト派的にも受け止められたものの、基本的には今後ECBが引き締め方向へと進む姿勢に変わりはない、との認識でユーロ買い再開。そんな市場反応だったようです。

この日発表された2月のドイツIFO景況感指数は115.4となり、昨年11月と並んで過去最高となっていた1月の117.6からは大きく水準を切り下げ、昨年9月以来半年ぶりの水準となりました。また、現況指数も過去最高となった1月の127.8から2月は126.3へと低下。期待指数は11月に7年ぶり高水準となる111.0まで上昇した後は3カ月連続の低下で2月は105.4。10カ月ぶりの低水準となっています。

2011年と2014年の時と同じように、期待指数がピークアウトすると、その後まもなく現況指数もピークアウトし、景況感指数も低下局面へと移行する流れがスタートした可能性を示す形となっています。

米長期金利急騰に始まる欧米金利急騰と株価急落による市場の混乱が、早くもドイツの景況感にも影響した可能性もあり、市場が落ち着きを取り戻せば景況感指数の上昇再開の可能性も否定はできませんが、期待指数の下落状況を見ると、そうは行かないようにも見えます。

ECBのフォワードガイダンス修正はこれから検討が始まる段階ですが、景況感失速もこれからスタートしようかという段階にきているかもしれません。

NY金・日足チャート 2018/1/18 - 2/2222日のNY金相場は0.05%の小幅続伸。前日のFOMC議事要旨発表後の下落は1320ドル前半までで下げ止まり、米長期金利の伸び悩みとともにドル安基調再開の流れを受けて反発するとNY市場では1330ドル台を回復。週初の急落からも落ち着きを取り戻して小康状態となり、1310ドルから1360ドルまでの大枠内で目先はレンジ縮小を含めて方向感模索の展開も。月末のパウエルFRB議長の議会証言が次のトレンド形成に向けてのきっかけとなるかどうか。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/18 - 2/22NYプラチナ相場は0.28%の小幅高で3日ぶりの反発。時間外での下落局面では一時990ドル割れも下げ渋り、この水準がサポートラインとしてある程度機能することを確認するとNY市場では1000ドル台まで反発。しかし、時間外にかけては大台ラインをはさんでの攻防に。短期的にはこの大台ラインが抵抗線にもなりかねない状況も、この水準以上を維持できれば、いずれ上値トライ再開の展開にも。1010ドル台の節目を超えると今年高値更新確率は高まり、次の上値目標は昨年高値も超えて1060ドル近辺まで。

ドル円・日足チャート 2018/1/19 - 2/22ドル円は0.95%のドル安円高となって5日ぶりの大幅反落で106円台へと逆戻り。前日に米10年債利回りが2.9%台半ばまで急騰して失速したことで、ドル円の戻り局面も108円手前の水準を超えられずに失速。米10年債利回りが2.92%近辺を維持したのに対し、ドル円は戻り売り圧力が再び強まる形で106円50銭台まで下落。結果的に11月高値から2月安値までの23.6%戻し(107円70銭台)近辺で反落した形となり、年初からの急落局面の抵抗線も超えられず。下落トレンド継続か、もしくは106円から107円台後半のレンジで保ち合い推移の展開に。あらためて107円台後半を突破できれば109円近辺までの上昇も見込まれ、年初来の急落局面の抵抗線も突破へ。しかし106円を割れるようならドル安円高再加速で105円近辺までが次の下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/22終値とチャート

23日の国内金価格は0.53%の反落。12月19日(4892)以来2カ月ぶりの安値水準となり、2カ月ぶりに200日移動平均線も下抜け下値目安4900円近辺にも到達したことで、前回の200日移動平均線下抜けの時と同様にこの水準で揉み合って反発へという展開も。
週間ベースでは-49円(0.99%)となって4週続落。

プラチナ価格は0.11%の小幅高となって3日ぶりの反発。横ばい推移が続く90日と200日移動平均線にサポートされて反発した流れが若干修正されたところでの小康状態。中立水準を少し上回る水準に位置しながらも、短期的な流れは下落基調での戻り一服。ドル安円高基調に足を引っ張られる状態も続くものの、3710円の節目を突破できれば3760円台辺りまで一段高の展開も。金との価格差は1216円となり、昨年8月31日(1197)以来ほぼ半年ぶりの水準まで縮小。
週間ベースでは+24円(0.66%)となって続伸。
※参考:金プラチナ国内価格2/23とチャート

2018年2月23日(金)時点の相場
国内金4,900 円 2/23(金) ▼26(0.53%)
国内プラチナ3,684 円 2/23(金) ▲4(0.11%)
NY金1,332.7 ドル 2/22(木) ▲0.6(0.05%)
NYプラチナ999.4 ドル 2/22(木) ▲2.8(0.28%)
ドル円106.75 円 2/22(木) ▼1.02(0.95%)

2/22(木)のその他主要マーケット指標

賃金上昇でもインフレ懸念なし?賃金上昇自体も進まない? 2/24(土)

ECBフォワードガイダンス修正はこれから、景況感失速もこれから 2/23(金)

見方分かれるFOMC議事要旨にも米国経済の加速基調は継続で一致 2/22(木)

ドイツZEW景況感指数は現況・期待指数共にピークアウトの可能性 2/21(水)

年末にかけてコアPCEインフレも目標2%到達の可能性? 2/20(火)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ