金プラチナ短期相場観

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世界の金需要2017年

更新日:2018年2月7日(水)

世界の金需要 2017年ワールド・ゴールド・カウンシルが発表したレポートによれば、世界全体の金需要は2017年に8年ぶり低水準に落ち込んでいます。
2000年代後半に金価格上昇とともに投資需要が急拡大し、中央銀行の金準備も売り越しから買い越しへと転換したことで、2010年には初の4000トン超えとなりました。しかし、金価格が史上最高値をつけた2011年は世界の金需要もピークとなり、これ以降は金価格の下落基調とともに需要も減少傾向となりました。そして金価格の底打ちとともに2016年には5年ぶりの前年比増となっていましたが、2017年には再度減少。2010年以降の4000トン超は維持したものの、このなかでは最低水準となっています。

投資需要が360トン超(20%超)の大幅減となったことによる影響が大きく、そのなかでもETF関連での買い越し量が340トン超の減少(6割減)となっています。
金価格が上昇した上半期に流入額が増加し、下半期にかけては低調となったようです。
また、中央銀行保有量も5%弱減少し、宝飾品は4%、工業需要は3%弱の増加となりました。
※詳細:目的別金需要の年間推移2017

投資需要のうち、インゴットバーやコインなどの現物投資需要は2%弱の減少にとどまりましたが、この内3割の需要を占める世界最大市場の中国では306.4トンとなり、2013年(406.7トン)に次いで過去2番めの高水準へと増加しました。2番めのインドは164.2トンで微増、3位ドイツが106.3トンで小幅減、前年まで4位に位置していた米国は93トンから39.4トンへと大幅減となり、10年ぶりの低水準に落ち込んでいます。株式市場へと資金が流れたことを示している可能性もありそうです。

株価上昇でピークアウトへの思惑からの利益確定と別の投資先選定、と言った場面では金市場への流入もありそうですが、今回のような株価暴落局面では、損失穴埋めの為に金市場からの資金流出、という一面もありそうです。

※参考:
国別の金消費需要と中央銀行の金保有量2017
世界の主要金産出国2017

NY金・日足チャート 2018/1/2 - 2/66日のNY金相場は0.52%安となって3日続落。ワイルドマンデーとなった世界同時株安の余波は残るものの、NYダウは月曜の1175ドル安から567ドルの反発でほぼ半値戻しを達成、米10年債利回りは2.70%から2.80%台へと反発し、リスク回避の巻き戻し。NY市場で1340ドルを割れると下落基調を速めて3週間ぶりの1330ドル割れ。1月末にはピークアウトして調整局面へと移行し始めていた流れ、これを堰き止めていた株式市場の波乱が終息方向の兆しとなったことで調整再開。11月までの保ち合い上限付近、12月から1月高値の半値戻しでもある1300ドル前後までを当面の下値目安として短期下落局面形成へ。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/2 - 2/6NYプラチナ相場は0.12%の小幅安での3日続落。NY市場ではほぼ4週間ぶりの980ドル割れ、その後は990ドル台前半へと反発してはいるものの990ドル後半へは戻し切れず。995ドルから1010ドルの小幅保ち合いをわずかながらも下方ブレイク。金の軟調推移にも追随する形で短期下落局面形成へ。12月から1月までの上昇幅の38.2%戻し(970)から半値戻し(950)辺りまで、960ドル前後が下値目標水準に。

ドル円・日足チャート 2018/1/3 - 2/6ドル円は0.46%のドル高円安へと反発。東京市場では日経平均の1000円超の下落に連れる形で108円40銭台まで下落も1月末安値を下回らず、108円近辺での底堅さも確認した形となって欧州・NY時間にかけてはゆるやかな反発基調へ。109円台後半ではまだ上値が重そうな状態ながらも、底入れ反発の流れ再開へと向かい始めた様子も。目先は109円ラインがサポートとなる可能性、ドル高方向には110円台前半が抵抗水準に。その手前には11月以降の下落幅の23.6%戻しの109円80銭、20日移動平均線110円07銭辺りも抵抗水準に。上方向に抜け出せば111円台半ばも視野に。下方向へと逆戻りの展開で109円割れ、さらに108円半ばも割れると108円割れ再トライとなり、最大では107円半ばが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/6終値とチャート

7日の国内金価格は0.73%安となって3日続落。12月27日(4994)以来、6週間ぶりの安値水準となり、今年初の5000円の大台割れ寸前。下げ渋っていたNY金の調整再開の可能性が高まったことにより国内価格も調整再開へ。サポートされていた5010円の節目割れにも伴い、目先は安値更新の流れが優勢となり、当面の下値目標水準は12月から1月高値の61.8%戻しとなる4960円近辺まで。

プラチナ価格も0.27%安で3日続落。1月11日(3714)以来、4週間ぶりの安値水準となり、3730円の節目割れ。NYプラチナの下落基調再開の兆しも下押し圧力となり、当面の下値目標水準は11月から12月初旬までの保ち合い水準半ば、90日移動平均(3638)、1月高値までの半値戻し(3632)なども集中する3640円前後まで。
※参考:金プラチナ国内価格2/7とチャート

2018年2月7日(水)時点の相場
国内金5,000 円 2/7(水) ▼37(0.73%)
国内プラチナ3,724 円 2/7(水) ▼10(0.27%)
NY金1,329.5 ドル 2/6(火) ▼7.0(0.52%)
NYプラチナ994.3 ドル 2/6(火) ▼1.2(0.12%)
ドル円109.56 円 2/6(火) ▲0.51(0.46%)

2/6(火)のその他主要マーケット指標

世界のプラチナ・パラジウム産出量2017年 2/8(木)

世界の金需要2017年 2/7(水)

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