金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

賃金上昇率も長期金利も2.8%超え、適温相場も終焉へ!?

更新日:2018年2月3日(土)

米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2018年1月米労働省が発表した1月の雇用統計で、平均時給は26.74ドル。前月比では+0.34%となって市場予想の+0.3%とほぼ同水準。しかし前年同月比では+2.89%となり、市場予想の+2.6%程度を大きく上回る結果に。前年比伸び率では2009年5月(+2.93%)以来、8年8カ月ぶり高水準となっています。
なお、今回は2010年以降のデータ全般に小幅修正が入り、12月分も前年比+2.50%から+2.70%へと上方修正。昨年10月に+2.28%と2年ぶり低水準に落ち込んだ後は、3カ月連続の上昇となって足下の急加速が強調された形です。

3カ月平均では、先月時点では12月に+2.43%で2年1カ月ぶり低水準となっていましたが、今回の修正により、12月は+2.48%となり、1月は+2.68%。これも2009年7月(+2.83%)以来、8年半ぶりの高水準。3カ月平均で示す方向性も、先月時点では失速状態が鮮明となっていたのに対し、今回は加速の兆しを示す形へ、がらりと流れが変わった印象です。

雇用統計のその他の指標では、長期失業者の割合が21.5%となり、2008年11月(21.1%)以来、9年2カ月ぶりの低水準へと改善しています。
また、製造業の雇用者数は前月比+1.5万人にとどまりましたが、総数では1255.5万人となり、2009年1月(1256.1万人)以来、9年ぶりの水準に回復しています。

NYダウ・日足チャート 2017/12/28 - 2/2賃金上昇率加速の兆しがサプライズとなった形で金利が急騰し、ドル高株安、金も急落の反応で、市場の流れにも変化の兆し。
米10年債利回りは2.84%台まで上昇し、2014年1月22日以来、4年ぶりの高水準。この影響で英国の10年債利回りも1年9カ月ぶり、ドイツ10年債利回りも2年4カ月ぶり高水準に。
金利上昇を警戒したNYダウは前日比-666ドル、-2.54%の大幅下落となりました。下落率では2016年6月24日、ブレグジットの日の-611.21ドル、-3.39%以来、1年7カ月ぶりの大幅安。
VIX指数も17.31へと跳ね上がり、2016年11月8日、米大統領選の日の18.74以来、1年3カ月ぶりの高水準となりました。

賃金上昇率も米長期金利も2.8%を超え、3%ラインが見えてきたことで市場もにわかに騒がしくなってきたようです。
低金利に支えられてきた適温相場も、終焉へと向かい始めた可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2017/12/28 - 2/22日のNY金相場は0.79%安となって3日ぶりの反落。時間外の1350ドル台からNY市場では雇用統計のポジティブ・サプライズを受けて急落、1週間ぶり安値となる1330ドルまで下落した後は金利上昇とドル高の一服、株安の流れもあって下げ渋り。一時1340ドルまで反発する底堅さも見られ、NY引け後の時間外では1335ドル。日足では保ち合い下限でなんとか踏みとどまった状態に。賃金上昇加速を受けてのドル安巻き戻しの流れがスタートした可能性と、戻り売り再開圧力との攻防状態となり、金価格も高値圏維持をかけた攻防に。1335ドルから1350ドルまでに縮小した保ち合いレンジを下方向へと抜け出す可能性がやや優勢となり、そうなれば1月高値までの半値戻しとなる1300ドル前後までが当面の下値目標水準に。
週間ベースでは-14.8ドル(1.09%)の反落。

NYプラチナ・日足チャート 2017/12/28 - 2/2NYプラチナ相場も3日ぶりの反落で0.83%安。1010ドル台でスタートした時間外からは軟調推移の展開となり、1000ドル付近から雇用統計後には一時半月ぶり安値となる990ドルまで下落。反発局面では1000ドル回復も一時的にとどまり、大台ラインをサポートラインとして固め切れなかった弱さを露呈。NY引け後の時間外では995ドルとこれも金と同様保ち合い下限ぎりぎりの状態。995ドルから1010ドルへと縮小した保ち合いレンジを下抜ける可能性が高まり、下値目標水準は960ドル台へ。
週間ベースでは-19.0ドル(1.87%)で続落。

ドル円・日足チャート 2017/12/29 - 2/2ドル円は0.71%のドル高円安となって3日続伸。底入れ反発の流れがゆっくりと進行し、雇用統計への期待感もあって発表前までに109円80銭台まで上昇。発表後には長期金利とともに急騰し、110円台半ばへ。しかしその後は株安の流れが続き、リスク回避ムードもあってか伸び悩み。1月安値までの23.6%戻しとなる109円80銭の節目をしっかりと上抜けたことで、次の節目となる38.2%戻し、110円70銭台辺りまでもうひと伸びの余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/2終値とチャート

2018年2月3日(土)時点の相場
国内金5,072 円 2/2(金) ▲15(0.30%)
国内プラチナ3,777 円 2/2(金) ▲15(0.40%)
NY金1,337.3 ドル 2/2(金) ▼10.6(0.79%)
NYプラチナ999.4 ドル 2/2(金) ▼8.4(0.83%)
ドル円110.18 円 2/2(金) ▲0.78(0.71%)

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