金プラチナ短期相場観

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歪められた市場、NYダウはまたしても1000ドル超の急落

更新日:2018年2月9日(金)

NYダウ・日足チャート 2018/1/4 - 2/8過去最大の下落幅となった5日のNYダウ。3日後の8日、またしても1000ドル超の急落となり、史上2番めの下げ幅を記録。1週間で2度の1000ドル超の急落を記録したことで、もはやフラッシュ・クラッシュでは済まされない状況となってきたようです。
なお、下落率では7%台を連発していたリーマンショックの時には及ばないものの、リーマン後では、ブレグジットの2016年6月24日の-3.39%、チャイナ・ショックで世界同時株安となった2015年8月24日の-3.58%などを大きく超え、5日は-4.6%、今回の8日は-4.15%。

また、一方的な流れで大陰線が続いた訳でもなく、戻りを試して大幅反発後の大幅反落となっており、6日につけた最安値23778ドルを下回ってもいないところが救いにも。再び反発し、保ち合い状態へと推移できるのか、安値更新へと向うのかが注目されます。
なお、今週の急落で90日移動平均線との攻防となり、この日の終値では1年3カ月ぶりに完全に下抜けてしまいました。24000ドル台回復と90日移動平均(24266.95)上抜けが反発方向への分岐点となりそうです。

反発に失敗した場合には、2016年6月以降1年7カ月間下回ったことのない200日移動平均(22778.21)でサポートされるかどうかが焦点にもなりそうです。24000ドル台に回復できなければ23000ドル割れも、という状況です。

米国経済は依然として好調が続くものの、米長期金利が2.8%台で高止まりの状態となり、米国の減税、財政出動での財政悪化懸念、賃金上昇に伴うインフレ上昇懸念と利上げペース加速懸念、日欧の緩和出口への警戒感など様々な思惑が入り乱れ、低ボラティリティ状態で上昇し続け過ぎた米株市場に大きな調整局面が訪れたようです。

NY金・日足チャート 2018/1/4 - 2/88日のNY金相場は5日ぶりの反発で0.33%高。時間外に1320ドルまで反発した後、NY朝までは軟調推移となって短期下落トレンド継続。しかし、NY朝に1310ドルを割りこみ、目標水準1300ドル前後に向けてもう一息のところで流れが反転。またしても米株の下落基調が強まると、ドル高の流れ失速とともにNY市場では反発基調となって1320ドル台を回復。日足レベルでは依然下落基調は続き、1300ドル前後までの一段安の可能性を残しながらも長めの下ヒゲ十字線を形成し、反発への可能性も示唆。米株主導の歪んだ相場にリスク回避ムードが続くようなら安全資産の金の短期トレンドも徐々に反発方向へと歪められる可能性も。反発方向には1330ドル近辺に抵抗感も。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/4 - 2/8NYプラチナ相場は0.34%安となって5日続落。1月9日(972.3)以来、1カ月ぶりの安値水準。時間外に980ドル台から970ドル付近まで下落し、NY市場では980ドル台へと反発も失速、980ドル台では上値が重い状態に。目標水準960ドル台にはわずかに届かず、もう少しの下げ余地を残しながら、行き過ぎの展開となれば950ドル程度までの下落も想定され、反発方向へは990ドル後半から1000ドルまでが抵抗水準候補。

ドル円・日足チャート 2018/1/5 - 2/8ドル円は0.53%のドル安円高となって続落。1月26日(108.63)以来、2週間ぶりの円高水準へと逆戻り。この日の高値も前日高値とほぼ同水準となる109円70銭台まで。東京市場終了直後と欧州時間帯に何度もこの水準を試して上値を押さえられる展開が繰り返されたことが、この後の展開を暗示していたかの様子も。NY市場スタートとともに米株安の流れが強まると、為替市場もドル高円高のリスク回避の展開となり、ドル円は108円50銭台へと急反落。一度は109円手前まで反発も、NYダウが引けにかけて24000ドル割れへと急落したことを受けて今朝の東京市場朝には108円40銭台まで下押し。その後も109円台にワンタッチして軟調推移の展開に。109円台前半の小幅保ち合いを下方ブレイクした形となり、109円ラインが早くも抵抗線に切り替わってしまった様子も。小幅に乱高下気味の展開が続き、上向きかけた流れが巻き戻されて下値再トライの可能性が高まる状況となり、今晩のNY市場で再び株安の流れが強まるようだと108円を割れて107円半ば辺りまで下値を試す可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/8終値とチャート

9日の国内金価格は0.06%の小幅安で5日続落。短期下値目標4960円近辺到達に伴う減速でいったん下げ止まりの様相も。しかしNY金の下落とドル円上昇予想とは逆の展開となり、市場の不安定さも増す状況からボラティリティも若干高まる可能性も。国内3連休明けに向けては2度のNY市場をはさみ、米株動向次第で大幅変動も。下方向へは4920円近辺までが警戒され、上方向には4990円台辺りまではブレる可能性も。
週間ベースでは-116円(2.29%)の大幅続落。週間下落率としてはブレグジットの時、2016年5月23日からの週(-136円、-2.86%)以来、1年8カ月ぶりの大幅下落。

プラチナ価格は0.76%安となって5日続落。12月29日(3584)以来、1カ月半ぶりの安値水準となって年初からの上昇分を帳消し。短期下値目安3640円前後にもあと一息の水準に到達し、それなりの達成感も。NYプラチナに下げ余地が残る状況からはもう一段安も見込まれ、やや一方的となってきた流れはこれまでもしばしば行き過ぎの展開となってきたこと、現状の市場の荒れ具合からすると今回も行き過ぎにも警戒。警戒水準としては12月の急落局面を除いた保ち合い下限付近となる3550円近辺まで。
週間では-123円(3.26%)と大幅続落。3%超の下落は2016年10月10日からの週(-116円、-3.34%)以来、1年4カ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格2/9とチャート

2018年2月9日(金)時点の相場
国内金4,956 円 2/9(金) ▼3(0.06%)
国内プラチナ3,654 円 2/9(金) ▼28(0.76%)
NY金1,319.0 ドル 2/8(木) ▲4.4(0.33%)
NYプラチナ978.4 ドル 2/8(木) ▼3.3(0.34%)
ドル円108.74 円 2/8(木) ▼0.58(0.53%)

2/8(木)のその他主要マーケット指標

金利急騰と株価急落の波乱状態でも逆相関続くドル円とNY金 2/10(土)

歪められた市場、NYダウはまたしても1000ドル超の急落 2/9(金)

世界のプラチナ・パラジウム産出量2017年 2/8(木)

世界の金需要2017年 2/7(水)

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