金プラチナ短期相場観
ユーロ圏製造業PMI、2019年末は7/8カ国が低下、6カ国が50割れ
更新日:2020年1月3日(金)
12月のユーロ圏製造業PMIは46.3。速報値の45.9からは0.4ポイントの上方修正でも11月の46.9からは低下して3ヵ月ぶりの反落、節目50割れは11カ月連続。ドイツとフランスも同様に上方改定されたことでユーロ安ドル高の流れは一時的には買い戻されましたが、この日の流れとしては変わらず、ユーロ安ドル高が進行。
11月分発表時点ではユーロ圏全般に製造業の回復基調が本格化しそうな状況のようにも見えましたが、2019年末には失速。
主要国のなかでは、11月にユーロ圏を下回っていたロシアが47.5へと上昇して再逆転、低迷が続いたトルコも49.5で横ばい推移ながらも回復傾向、ポーランドも10月の45.6からは2ヵ月続伸で48.0まで大幅回復中となるなど、世界的な回復傾向にもやや取り残された感も。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2019年12月>
1位:ギリシャ=53.9:0.2ポイントの反落で2カ月ぶり低水準、31カ月連続50超、11カ月連続1位。
2位:フランス=50.4:3ヵ月ぶりの反落で1.3ポイントの急低下で3カ月ぶり低水準、5カ月連続50超。
3位:アイルランド=49.5:0.2ポイントの小幅続落で3カ月ぶり低水準、2ヵ月連続50割れ。
4位:オランダ=48.3:1.3ポイントの急低下で3ヵ月続落、6年8カ月ぶり低水準。2ヵ月連続50割れ。
5位:スペイン=47.4:0.1ポイントの小幅低下で2カ月ぶり、6年8ヵ月で2番めの低水準、7カ月連続50割れ。
6位:イタリア=46.2:1.4ポイントの急低下で4カ月続落、6年8カ月ぶり低水準、15カ月連続50割れ。
7位:オーストリア=46.0:前月から変わらず、9カ月連続50割れ。
8位:ドイツ=43.7:3ヵ月ぶりの反落で2カ月ぶり低水準、12カ月連続50割れ。6カ月連続40台前半。11カ月連続最下位。
オランダ、スペイン、イタリアの中堅国の低迷が際立ち、50以上を維持するフランスも落ち込みが目立ちました。
ユーロ圏の調査対象全8カ国のなかで12月に上昇した国は一つもなく、唯一横ばい推移となったオーストリアを除いて7カ国が前月から低下。しかも節目50割れの景気減速状態が続くのが8カ国中6カ国。
ただし、ユーロ圏製造業PMIを四半期平均で見ると、第4四半期平均は46.4となり、ほぼ7年ぶり低水準となった第3四半期と変わらず横ばい推移。下げ渋る状態にもあります。
今後の見通しとしても、50超を維持するギリシャとフランスを除くユーロ圏全般に、センチメントの回復傾向にはあるようです。
2日のNY金相場は+5ドル、0.33%高となって7日続伸。7日続伸は6月初旬以来7ヵ月ぶり。水準としては9月24日(1540.2)以来、3カ月ぶり高値圏での一段高。年末までのドル全面安の流れが巻き戻されてドル全面高となり、時間外のNY金は上値の重い展開で1520ドル前半での小幅揉み合い推移。NY朝にかけてはドル高一服と米10年債利回りが1.9%割れへと反落したことにもサポートされて1530ドル超へと水準を切り上げ、高値では1534ドルまで上昇。最高値更新でスタートした米株の一段高や米10年債利回りの下げ止まりなどから一時的に1520ドル半ばまで下押す場面もありながら、NY引けにかけては再び1530ドル台へと堅調推移。ドル高でも株高でも比較的底堅く推移する状態が続くNY金は、昨年最高値1566.2ドルから11月安値1446.2ドルまでの61.8%戻し(1520.4)に相当し、短期上値目標となっていた1520ドル近辺を突き抜けて76.4%戻し(1537.9)付近まで上昇したことになり、そろそろ一服感も。ただし、ISM製造業景況指数が予想外の結果となった場合には、さらに水準を切り上げる展開も予想され、そうなるとドル安の流れとともに100%戻しに向かう流れにも。サポート候補としては10-11月高値となった1510ドル台。
NYプラチナは+7.2ドル、0.74%高となって3日続伸。2018年2月28日(988.1)以来、1年10ヵ月ぶりの高値水準に。金に追随して上値トライの勢いが強まったNY朝には一時998ドルまで急騰、9月5日につけた2019年最高値1000.8ドルにあと一歩のところまで上昇して反落。NY午後には一時970ドル半ばまで急反落後に980ドル台後半へと再上昇。高値圏での乱高下状態となり、4ヵ月ぶりに1000ドルの大台ラインに上値を押さえられて反落となれば、ダブルトップ形成への警戒感も。昨年9月以降の高値圏950ドル台が当面のサポート候補に。
ドル円は5銭程のドル安円高で4日続落。対ユーロなどで進行したドル安の調整はドル円でも、小幅にドル高円安となって欧州時間には108円80銭台まで上昇。しかし年末の高値が超えられずに失速すると、NY時間には流れが逆転。元の水準108円60銭台を割れると売り圧力が強まり、108円20銭台まで急落。米10年債利回りの急低下にも連れる形で11月1日(107.89)以来、2カ月ぶりの安値をつけた後は米10年債利回りの下げ止まりにもサポートされて108円50銭台を回復。結果的に強めのサポート水準108円40銭台を割り込んだのは2時間程度にとどまって下げ渋る状態に。しかし、流れとしてはドル安基調が続いており、米指標悪化や地政学リスクなど円高材料が出てくると大きく水準を切り下げる流れにつながる可能性も。引き続き108円40銭のサポートとの攻防、これを維持できなくなればドル安円高トレンド進行へ。8月後半安値圏で長期三角保ち合い下限ライン付近にも相当する105円半ばまでが当面の下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/2終値とチャート
- 2020年1月3日(金)時点の相場
-
国内金 : 5,790 円 12/27(金) ▲43(0.75%) 国内プラチナ : 3,616 円 12/27(金) ▲27(0.75%) NY金 : 1,528.1 ドル 1/2(木) ▲5.0(0.33%) NYプラチナ : 985.0 ドル 1/2(木) ▲7.2(0.74%) ドル円 : 108.56 円 1/2(木) ▼0.05(0.05%)
低調なISM製造業景況指数も霞む米イラン緊張感でNY金は8日続伸 1/4(土)
ユーロ圏製造業PMI、2019年末は7/8カ国が低下、6カ国が50割れ 1/3(金)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン