金プラチナ短期相場観
日経平均とドル円の関係修復へ?相関係数にも下げ止まり感
更新日:2014年7月29日(火)
昨日、28日月曜日、日経平均は終値で15,500円台を回復。1月23日以来、半年ぶりの高値水準となり、今朝も15,600円台へとさらに上昇、堅調推移が続きます。国策相場に支えられた昨年、仲良く上昇トレンドを描いてきたドル円相場は、いまだ101円台。今年最安値圏での推移から抜け出せない状況が続きます。
6月以降、完全に袂を分かつ状態となった日経平均とドル円の関係は、完全に冷め切った関係になってしまったのか、とやや心配にもなりますが、足元では変化の兆しも見られます。
日経平均とドル円の30日間の相関係数の推移を見ると、6月に急落し、7月に入って一時マイナス圏へも突入する状態となりましたが、その後急反発、現時点ではまだ0.2152と低水準からは抜け切れない状況ながらも、再び相関関係を強める方向へと進みだしているようです。
90日間の相関係数も、6月以降低下し、現在の両者の関係は無関係を示す状態ですが、それでも足元では下げ止まりの兆しも見られます。
過去1年間の相関係数では0.7288、過去3年間では0.9838と長期的な関係性は崩れてはいません。
現時点では日経平均が先行する形となってはいますが、今週末にかけての米重要イベントをこなし、米経済の回復基調や雇用の改善傾向が強まっていることが確認できれば、米長期金利の上昇と早期利上げ観測の台頭などに伴い、102円前後の重要な節目を上抜けてドル高円安の流れが加速する可能性も十分に考えられそうです。
国策相場ではなく、業績相場による株高と金利先高感によるドル高円安傾向が強まれば、再び円安株高の流れが見られるようになり、両者の関係修復も進むことになります。
週明け28日のNY金相場は前週末比変わらず。ガザでは12時間の停戦後、停戦延長への動きにもかかわらず、なし崩し的に攻撃再開へ。ウクライナでの戦闘激化も含めて状況を見守るように金相場の動きも膠着化。1,300ドル近辺での小動きを続けながら、地政学リスクの状況と米経済の重要指標を見極めて新たな展開へ。短期的にはゆるやかな下落基調が続き、1,280ドル近辺の下値目標を再度試す可能性も。上方向には1,320ドルが節目に。
プラチナ相場は0.81%の上昇で2営業日続伸。先週、下落メド1,470ドル近辺にしっかりと到達したことが反発への流れを後押し。しかし、短期的には弱めの下落トレンドからは抜け切れず、1,470ドルから1,500ドル台のレンジで方向感を模索。
ドル円はわずかに0.01%の小幅高で7営業日続伸。102円近辺の重要な節目を目前に、101円70銭台から90銭台までの小幅レンジで20銭にも満たない小動き。FOMCや雇用統計の結果を受けて、この節目を突破できたなら、瞬間的に102円台半ば、さらなる円安ドル高の流れへとつながる可能性も。逆に反落の流れなら、101円10銭台が重要なサポート水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/28終値とチャート
29日の国内金価格は前日比わずか1円安。7月半ば以降続く短期下落トレンドにも減速感、4月から5月にかけても揉み合い水準を形成した4,520-4,570円近辺でのレンジ形成の動きも。4,500円近辺までの下落リスクは残り、4,600円が上方向への節目。
プラチナは0.56%上昇の続伸。短期下落トレンドと中期上昇トレンドを維持する状態の範囲内での動きが継続。目先はまだ5,100円近辺までの下落リスクのほうが優勢な状況か。
※参考:金プラチナ国内価格7/29とチャート
- 2014年7月29日(火)時点の相場
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国内金 : 4,569 円 7/29(火) ▼1(0.02%) 国内プラチナ : 5,193 円 7/29(火) ▲29(0.56%) NY金 : 1,303.3 ドル 7/28(月) +-0.0(0.00%) NYプラチナ : 1,490.6 ドル 7/28(月) ▲12.0(0.81%) ドル円 : 101.85 円 7/28(月) ▲0.01(0.01%)
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