金プラチナ短期相場観

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ビッグマック指数から見た日本の物価と為替の円安度合い

更新日:2014年7月28日(月)

先週、英経済誌エコノミストからビッグマック指数が発表されました。世界共通の食品であるビッグマックを同じ価値のものとして、各国の価格を比較することで算出される理論上の為替レートと、実際の為替レートとの差を比較する指標としても注目され、近年では年2回、定期的に発表されます。
ドル換算ベースで世界一ビッグマックが高い国はノルウェー。米国の4.8ドルに対してノルウェーでは7.76ドル。米国よりも高く、上位に位置する国はスイス、スウェーデン、ブラジル、フィンランド、カナダ、ユーロ圏、ニュージーランド、英国、オーストラリアなど、北欧他主要先進国と一部の新興国が並びます。日本は3.64ドルで、調査対象全57ヶ国中35番め。先進国や主要新興国と比較しても、日本のビッグマックはまだまだ安いほうです。

日本国内でのビッグマックの価格推移を見ると、
日本でのビッグマック価格推移
2000年以降、デフレを反映して低下、2009年以降は320円で5年間も据え置き、今年7月時点でようやく370円へと急騰。ここ最近の国内物価の上昇を反映しています。

米国と日本のドル建て価格を比較してみると、
日米のビッグマック価格推移
インフレの弱さが指摘される最近の米国ですが、ビッグマック価格を見る限りはコンスタントに物価上昇が続いている様子。
日本では史上最大の円高時期となっていた2009年7月から2012年7月までは、日米の価格はほとんど同水準で推移し、2012年7月以降、日本の価格は急落し、2014年に急反発。

ビッグマック指数から計算した理論上の為替レートを実際の為替レートと比較して見ると、
ビッグマック指数による理論上の為替レートと実為替レート
2009年から2012円7月頃まで、ビッグマックの価値に見合う為替レートが続いた後、2013年に急激な円安ドル高が進行し、2014年には理論上の為替レートがドル高円安方向へとようやく反発。実為替レートはやや下落。

日本では、長期デフレからの脱却に向けてようやく物価が上昇し始め、急激に進みすぎたドル高円安の流れが、今は少しだけ是正された状態、という見方もできそうです。

28日の国内金価格は0.97%の大幅高となり5営業日ぶりの反発。地政学リスクの高まりが金価格をサポートし、ドル高円安への流れを押さえる状況。パレスチナ自治区ガザでのイスラエル側の停戦延長に対してハマス側は拒否、警戒感高まる状況が継続。いったん下抜けた90日移動平均線を再度上抜けたものの、短期的な流れはまだ下方向、4,500円程度までの下落リスク継続。上方向への抵抗線4,600円を超えるようなら流れに変化も。

プラチナも5日ぶりの反発で0.35%上昇。反発度合いは限定的で、ゆるやかな短期下落トレンド中の浅めの戻り。現時点では、下値目標水準5,100円近辺を目指す流れが継続する可能性のほうが大。上値抵抗水準5,220円を超えると短期トレンド転換の可能性。
※参考:金プラチナ国内価格7/28とチャート

2014年7月28日(月)時点の相場
国内金4,570 円 7/28(月) ▲44(0.97%)
国内プラチナ5,164 円 7/28(月) ▲18(0.35%)
NY金1,303.3 ドル 7/25(金) ▲12.5(0.97%)
NYプラチナ1,478.6 ドル 7/25(金) ▲4.9(0.33%)
ドル円101.84 円 7/25(金) ▲0.04(0.03%)

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