金プラチナ短期相場観
SKEW指数急落で金価格も調整局面入りか
更新日:2017年8月21日(月)
米S&P500指数を対象とするオプション取引でのプットの割合を示すSKEW指数は、8月16日に148.62まで急上昇し、3月20日(152.93)以来5カ月ぶりの高水準となりました。いずれ株価が下落するだろうと考える人が今年3月につづいて2番めの水準まで急増したことになります。人種差別問題に絡むトラブルでトランプ批判と政局リスクが高まった日です。
この2日後、18日にSKEW指数は128.86へと急落、7月6日(127.25)以来1カ月半ぶりの低水準となりました。今後株価が下落するだろうと考える人が急減したことになります。バノン氏解任が発表された日です。
最近のSKEW指数と金価格との関係には、以下のような特徴があります。
1)リスク回避局面でのSKEW指数と金価格のピークはほぼ同一タイミング。
2)SKEW指数急落後には、金価格は調整局面を形成しやすい。
世界的にも不評となった入国禁止令やパリ協定離脱などを主導し、対クシュナー氏ほか政権内部での確執も嫌気されていたバノン氏が解任されたことは、リスク回避の緩和材料となり、SKEW指数の急落につながったものと思われます。
これに伴い、NY金価格は調整局面を迎える可能性が高まったことになりそうです。
ただし、SKEW指数は金よりもリスク回避局面に対して敏感に、極端に反応する傾向もあり、しばしば急騰・急反落を繰り返します。
本日から始まった米韓軍事演習に伴い、北朝鮮情勢において変化が見られ、リスク回避が強まるようならSKEW指数が再び急騰する可能性もあります。
また、ジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演が期待に反してハト派色となった場合には、株価にとっても好材料となるためSKEW指数はさらに低下、しかし金にとっては買い材料となります。
21日の国内金価格は0.23%の小幅続落。時間外のNY金は先週末の高値更新からの反落で1290ドル近辺まで下げた状態から、さらに小幅下落スタートからの小反発、ドル円は小幅反発スタートで一時109円40銭台まで上昇も伸び悩み。国内金価格は2週続伸となった先週の上昇分0.21%を打ち消す下落となったものの、8月初旬までの保ち合い上限4830円超を維持しての小動きが続き、ゆるやかな上昇基調は継続。ただし反転目前の状態でもあり、ドル円の反発とNY金の反落の流れがもう一段進行するようなら、4790円を下限とする保ち合い状態へ。
週足チャートでは長期・中期三角保ち合いを形成し、長期的には頂点付近、中期的には上限付近に位置し、ボリンジャーバンドは過去8年間で最小幅に縮小中。上方向に大きく動き出しそうな形状にも見えるが。
プラチナ価格は0.27%の反発。今朝のNYプラチナは980ドルをわずかに割り込んでの小康状態となり、1000ドル手前での保ち合い継続の様相。国内価格も3640円台から3700円までのレンジで保ち合い色が強まる状態に。ドル円の反発基調が続くようなら金に連れて軟調気味の推移へ、3640円を下回るようだと下落圧力が強まり、7月までの保ち合い上限3590円前後が意識される展開も。逆に3700円を超えると上昇トレンド再開、3月後半高値圏3770円近辺が目標水準に。
週足チャートでは3700円ラインを上限に中期、短期的にも三角保ち合い傾向となり、ボリンジャーは金と同様に近年最小ボラティリティ。+1シグマと+2シグマの間での推移が続き、わずかに上方向優勢も3700円ラインが抵抗線となり続ける限り、反落警戒感も高まり続けることに。
※参考:金プラチナ国内価格8/21とチャート
- 2017年8月21日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,835 円 8/21(月) ▼11(0.23%) 国内プラチナ : 3,677 円 8/21(月) ▲10(0.27%) NY金 : 1,291.6 ドル 8/18(金) ▼0.8(0.06%) NYプラチナ : 982.4 ドル 8/18(金) ▲0.7(0.07%) ドル円 : 109.21 円 8/18(金) ▼0.35(0.32%)
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