金プラチナ短期相場観

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米製造業景況感の1月回復に反して鉱工業生産は低調

更新日:2020年2月15日(土)

米鉱工業生産と設備稼働率 2020年1月14日に発表された米経済指標は強弱混在。「弱」もそれほど悲観的でもなさそうで、通常ならそれほど反応しないであろう結果にもかかわらず、ややリスク回避的な流れが強まりました。売り材料を待っていたのでは?と思わせるような展開は、市場のセンチメントを表していたのかもしれません。

1月の小売売上高は前月比+0.3%、自動車を除く数値も前月比+0.3%でいずれも市場予想通りの結果。ただし、小売売上高は12月と11月分がいずれも前月比+0.3%から+0.2%へと下方修正。自動車を除く数値も12月分が+0.7%から+0.6%へと下方修正。
小売売上高は4ヵ月連続で前月比プラス、つまり4ヵ月連続増加。6ヵ月平均では前月比+0.2%で9ヵ月ぶり低水準にはなったものの、13ヵ月連続のプラス圏を維持。
自動車を除く数値は2ヵ月連続プラス圏、6ヵ月平均では+0.15%で9ヵ月ぶり低水準も、11ヵ月連続でプラス圏を維持。

1月の鉱工業生産は前月比-0.3%となって市場予想の-0.2%を下回り、12月も-0.3%から-0.4%へ下方修正。2ヵ月連続の減少で、直近5ヵ月では4ヵ月がマイナス。6ヵ月平均では+0.03%とわずかにプラス圏を維持も、低迷が続いた昨年からの回復基調も限定的。
なお、設備稼働率は2ヵ月連続の低下で76.8%。2017年9月(76.1)以来、2年4カ月ぶりの低水準となっています。
むしろ、こちらのほうがネガティブな結果のようにも見えます。
ISM製造業景況指数が1月に50.9と半年ぶりに節目の50を超えたことで製造業の景況感回復が好感されましたが、ソフトデータの回復にハードデータはまだ追随しきれていないことが示された格好です。

結果的にもう一段のドル売りが進行した後、サポート材料となったのがミシガン大消費者信頼感指数。2月速報値では100.9となって2018年3月(101.4)以来ほぼ2年ぶりの高水準。過去15年では2番めの高水準。現況指数は小幅に低下も期待指数が9カ月ぶり高水準となり、これも15年間で2番めの高水準。

米国の消費センチメントは相変わらず好調、実際の消費は若干勢いを弱めながらもまずまずの好調、低迷が続いた製造業は景況感回復の兆しに反して現状はまだ低調。
そんな状況のようです。

NY金・日足チャート 2020/1/10 - 2/1414日のNY金相場は+7.6ドル、0.48%高で3日続伸。1月31日(1587.9)以来2週間ぶり高値、終値ベースでは今年3番めの高値。新型コロナウイルスの世界経済への影響懸念が続くなか、米株はS&P500とナスダックが最高値更新もダウは最高値更新後に小幅続落、米10年債利回りは再び1.6%割れへと低下。警戒感も漂う状況が安全資産の米ドルと金を下支え、NY金は高止まり状態に。NY朝に発表された米1月小売売上高は市場予想どおりの結果ながら、過去2ヵ月分が下方修正されたことをきっかけに株安・ドル売り・金利急低下、NY金は1580ドル手前から1580ドル台半ばへと小幅に急騰。3連休前の週末は一時1588ドルまで上値を試す場面も。
短期サイクル的に上昇圧力は強くはなく、むしろ複数のオシレータ系指標が低下する逆行状態からの反落警戒感も。それでもジリジリと水準を切り上げる形となって1580ドルの節目をしっかりと上抜け、高値保ち合い上方ブレイクからの上値再トライ余地も。当面の上値目標としては今年最高値更新と1620ドル台も。
週間ベースでは+13ドル、0.83%の反発。

NYプラチナ・日足チャート 2020/1/10 - 2/14NYプラチナは-5.9ドル、0.61%の反落。変動値幅は13.4ドルで今年の平均24.2ドルの半分強で今年最小。NY朝に金とは逆行、株安の流れに追随する展開となって970ドル半ばから960ドル台後半へと小幅に急落。日足では陽線と陰線を交互に繰り返す状態が1ヵ月続き、直近10日間は変動値幅も同水準となる鯨幕相場を形成しての横ばい推移、足下では970ドルをはさんでの小幅保ち合いに収束。短期サイクル的には下方圧力優勢の状態は続くものの、反発への可能性を示唆するような兆候もいくつか見られ、方向感は定まり難い状況にも。上方ブレイクとなれば上値再トライの流れとなって当面の上値目標は今年高値圏1020ドル台へ。逆に下方ブレイクなら下落基調再開で今年安値を更新、12月半ばの保ち合い水準920ドル台辺りまでが下値目安に。
週間ベースでは-0.4ドル、0.04%の反落。

ドル円・日足チャート 2020/1/13 - 2/14ドル円は前日からほぼ変わらずも、わずかにドル安円高となって小幅に続落。東京時間につけた109円90銭台が高値となり、NY時間に何度か試した109円70銭近辺が安値となり、109円80銭をはさんでの小幅揉み合いに終始。値幅は21銭にとどまり、今年の平均46銭の半分以下で今年2番めの小動き。NY朝には109円90銭手前まで上昇後に小売売上高の結果を受けて109円70銭台へと急落も、ミシガン大消費者信頼感指数の好結果もあって下げ渋り。結果的に2日連続110円手前で十字線となって上下のヒゲは縮小、方向感を見い出し難い状態にも。110円10銭台の節目を上抜けできれば、今年高値を更新し、111円手前辺りまで上値を伸ばすような展開にも。逆に109円70銭の節目を割り込めば109円近辺までを目安に調整局面形成も。
週間ベースでは+4銭、0.04%の小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/14終値とチャート

2020年2月15日(土)時点の相場
国内金6,068 円 2/14(金) ▲21(0.35%)
国内プラチナ3,705 円 2/14(金) ▲21(0.57%)
NY金1,586.4 ドル 2/14(金) ▲7.6(0.48%)
NYプラチナ968.8 ドル 2/14(金) ▼5.9(0.61%)
ドル円109.79 円 2/14(金) ▼0.02(0.02%)

2/14(金)のその他主要マーケット指標

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米製造業景況感の1月回復に反して鉱工業生産は低調 2/15(土)

2019年プラチナ需給と2020年見通し 2/14(金)

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