金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

40年ぶり高水準、インフレ加速止まらず、利上げ観測も加速

更新日:2022年2月11日(金)

消費者物価指数(CPI)長期推移 2022年1月注目度上昇も止まらない、米国の消費者物価指数(CPI)。1月のCPIは前年比+7.48%。市場予想の7.3%程度を上回り、12月の+7.04%からも一段と加速。5ヵ月続伸で1982年2月(7.62%)以来、39年11ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギー関連を除いたコアCPIは前年比+6.02%。これも市場予想の5.9%程度を上回り、12月の+5.45%から一段高、やはり5ヵ月続伸で1982年8月(7.06%)以来、39年5ヵ月ぶりの高水準。

セクター別では、エネルギー価格が前年比+27.0%となって2ヵ月連続の減速も、10ヵ月連続20%超の高水準が依然継続。食品も8ヵ月連続の上昇で前年比+7.0%。
食品とエネルギーを除く商品は4ヵ月続伸で+11.7%。エネルギー関連を除くサービス価格は5ヵ月続伸で+4.1%。

主要項目別では、中古車価格が4ヵ月続伸で前年比+40.5%となって半年ぶりの40%超。ガソリン価格は+40%で2ヵ月連続の低下も40%以上は10ヵ月連続。賃貸住宅も6ヵ月続伸で+3.8%となり、医療サービスも4ヵ月続伸で+2.7%。

コロナショック時の混乱期を除けば実質過去最高となった1月の平均時給の上昇率、前年比+5.68%からCPIを単純に差し引いた実質賃金上昇率は-1.80%となり、12月の-2.09%からは若干上昇も、3ヵ月連続の-1%超、10ヵ月連続のマイナス圏推移。コアCPIとの差でも-0.34%となって2ヵ月連続のマイナス圏。
過去の歴史を振り返れば、CPI急騰局面ではかなりの高確率でリセッションに陥ってきました。

それでも40年ぶり高水準に達したインフレ抑制の為には利上げもやむなし。
CMEフェドウォッチでは、3月の0.25%利上げの確率は前日の76%から7%台へと急低下、代わって0.50%利上げの確率は24%からが92%超へと急騰。
2022年末までの利上げ回数としては、0.25%換算で7回(1.75-2.00%へ)が32%超となって前日3位からほぼ倍増でトップに。2番めには8回が26.4%、前日の4%5位からジャンプアップ。3番めには6回が20.7%で続き、4番めには9回が10.7%。
年間利上げ回数見通しとしては、まだ混戦模様で本命不在とも言える状況ながら、現時点では大幅にタカ派傾斜。止まらないインフレ加速と同様に、利上げ観測も急加速。

NY金・日足チャート 2022/1/6 - 2/1010日のNY金相場はわずかに+0.8ドル、0.04%高で5日続伸。5日続伸は昨年11月以来、3ヵ月ぶり。1830ドル台前半中心の小幅揉み合い推移を経て、NY市場では米1月CPIの想定外の上振れを受けて乱高下。瞬間的には1820ドル付近まで10ドル程の急落後、1840ドル手前まで急反発。その後は1830ドル付近での小幅揉み合いを経てNY午後にはドル高の流れが巻き戻され、ドル安局面にサポートされる形で1840ドル台まで上昇。しかしセントルイス連銀ブラード総裁のタカ派発言を受けてのドル高の流れ再開とともに反落、NY引け後には1830ドルを割れていったん下げ渋り。短期上値目標1830ドル台到達後のオーバーランは1840ドル台前半までにとどまり、1830ドル割れへと小幅調整という状態に。1840ドルが目先の抵抗水準候補となり、20日移動平均線(1820.9)近辺が浅めの下値サポート候補。

NYプラチナ・日足チャート 2022/1/6 - 2/10NYプラチナは+5.1ドル、0.49%高で3日続伸。1030ドル台から1020ドル台へと小幅に水準を切り下げてNY市場へ、米CPI発表後の乱高下に巻き込まれると1010ドル台半ばまで小幅急落後には金の反発と米株の反発局面にも追随する形となって急反発、NY午後には一時2週間ぶり高値水準となる1060ドル手前まで上昇。しかし、その後のドル高・金安・株安局面に連れるとNY引け後には1030ドル割れへ。高値では1040ドル台の保ち合い上限を突破しながらも、右肩下がりの200日移動平均線(1043.4)超えを維持できず、引け後には20日移動平均線(1021.5)にサポートされるかどうかという状態に。1020ドルの節目を割り込むようなら高値保ち合い下方ブレイクとなって調整局面入り、年末年始保ち合い水準970ドル近辺までが下値目安に。

ドル円・日足チャート 2022/1/7 - 2/10ドル円は45銭のドル高円安、0.39%上昇し1月5日(116.11)以来、5週間ぶりの高値。欧州時間には日銀が長期金利上昇抑制の為の指値オペ実行を通知したことを受けて115円50銭台から115円80銭台へと急騰。NY時間には米1月CPI上振れを受けて115円70銭台から116円台へと急騰、高値では116円30銭台まで上昇も、1月4日の今年最高値116円35銭に上値を押さえられる形となって失速。NY午後には調整の展開となって115円70銭台まで反落も、セントルイス連銀ブラード総裁発言を受けて下げ渋り、NY終盤から今朝の東京時間にかけては116円台維持をかけての攻防状態の様相にも。想定以上のインフレ高騰と利上げ観測にも関わらず、株安と円高にも引っ張られる形でやや伸び悩み、今年最高値が目先の抵抗水準となってしまった格好にも。これを突破できれば短期上値目標117円台半ばを目指す展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/10終値とチャート

2022年2月11日(金)時点の相場
国内金7,432 円 2/10(木) ▲32(0.43%)
国内プラチナ4,157 円 2/10(木) ▲19(0.46%)
NY金1,837.4 ドル 2/10(木) ▲0.8(0.04%)
NYプラチナ1,042.5 ドル 2/10(木) ▲5.1(0.49%)
ドル円115.99 円 2/10(木) ▲0.45(0.39%)

2/10(木)のその他主要マーケット指標

ミシガン大消費者信頼感指数10年ぶり低迷のまま利上げへ 2/12(土)

40年ぶり高水準、インフレ加速止まらず、利上げ観測も加速 2/11(金)

米CPI高騰も下支え、NY金価格の高止まり 2/10(木)

米貿易赤字2021通年では15年ぶりに過去最大を大幅更新 2/9(水)

ヒートアップするインフレ懸念、乱高下する利上げ見通し 2/8(火)


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